Column コラム
| アカデミー賞に関する管理人の雑文です。 |
| last update: December 04, 2024 |
| ■第82回ゴールデン・グローブ賞 ノミネーション予想 （2024.12.04） | |||||||||
| 前シーズンのゴールデン・グローブ賞で、新たな賞が設立されました。「シネマティック＆Box Office業績賞」（The Golden Globe Award for Cinematic and Box Office Achievement）こそ、その賞です。ゴールデン・グローブを主宰する新しい組織であるディック・クラーク・プロダクションズによると、「その年に最も高く評価され、最も収益を上げ、或いは最も視聴された映画の内、世界中の観客から支持され卓越性を獲得した映画」に捧げられる賞とのこと。興収で言うと1億5,000万ドル以上（米国内だけで1億ドル以上）、或いは相応のデジタルストリーミング視聴者数が必要になります。まあ、早い話、優秀なメガヒット映画ということです。 そうして候補に挙がったのは、『バービー』（1位）『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー：VOLUME 3』（4位）『ジョン・ウィック：コンセクエンス』（9位）『ミッション：インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』（13位）『オッペンハイマー』（5位）『スパイダーマン：アクロス・ザ・スパイダーバース』（3位）『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』（2位）『テイラー・スウィフト THE ERAS TOUR』（11位）。（ ）内はBox Office年間チャート順位です。 投票者はこのチャートを見ながら投票したのでしょうか。それともヒットの実感を思い出して投票したのでしょうか。年間6位に入りながら涙を呑んだのは『リトル・マーメイド』。8位の『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』も10位の『サウンド・オブ・フリーダム』も候補には届きませんでした。どれも評価は伸びていないので、仕方がない？でも、候補入りの『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』も評価はイマイチでした。まあ、そんないちゃもんをつけるような部門ではないのでしょう。 今年なら現時点での興収上位作品である、『インサイド・ヘッド2』『デッドプール＆ウルヴァリン』は候補確実、『怪盗グルーのミニオン超変身』『ビートルジュース ビートルジュース』『デューン 砂の惑星 PART2』『ツイスターズ』あたりまでは、ヒット実績だけで候補が狙えそう。個人的には『ふたりで終わらせる／IT ENDS WITH US』のようなスリーパーヒット作を候補に挙げて欲しいのですが、これも批評家受けはさほど良くないので無理かな？さて…。 さて、そんなこんなで今年も全く深く考えず、主要9部門のノミネート予想をしてみました。
今年はラジー賞受賞女優ふたりが気に掛かります。『The Last Showgirl』のパメラ・アンダーソンと『The Substance』のデミ・ムーアです。スターとしての全盛期は過ぎたかもしれないふたりが、キャリアベストと言って良いパフォーマンスで評価されているのです。ぜひとも候補に挙がって欲しい。報われて欲しい。今まで白けた目を向けてきた者に一泡吹かせて欲しい。ムーアはおそらく大丈夫。アンダーソンはちょっと厳しいでしょうか。May the Force be with you! 皆さんも気楽に、遊び気分で予想してみてはいかがでしょう？ |
| ■8月までに公開された作品の中でオスカーの可能性があるのは…？ （2024.09.09） | ||||||
| 今年の2月、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーから発表がありました。第98回アカデミー賞（再来年開催）から新たな賞が追加されるというのです。キャスティング賞です。アカデミー内にキャスティングディレクター分科会が設立されたのが2013年、現在160人近い会員がいるとのことで、彼らにとってみれば、悲願の賞創設になるでしょうか。 ルールはまだ発表されていませんが、作品のどこを見て評価するのか、気になります。配役だけが評価基準にはならないと思うのですが、どうでしょう。配役の最終決定は監督の意向が大きく物を言うことが多いはずで、そうすると監督も評価対象に入るのでしょうか。あくまでキャスティングディレクターが対象でしょうか。色々詰めるべきところがありそうです。 もうひとつ、アカデミーの新部門として追加が囁かれているのがスタント賞です。アメリカ映画俳優組合賞では既に設けられている賞。スタントマンたちの功績を認めるべきという声は年々大きくなっています。もし実現したらおそらく出品制になるでしょう。この場面のこのスタント、どうでしょう？…という具合に。…とするなら、ひょっとしてスタントの鬼、トム・クルーズがこの部門で候補に挙がるなんてことがあるのでしょうか。でもそれってスタントマンたちは面白くないかな。あくまでスタントマンがこなすスタント限定にした方が良いかな。逆に俳優たちはあの場面のあの痛快アクションがスタントマンによるものだなんて、認めたくないかもしれません。いや、そもそも俳優たちが遠慮するでしょう。対象はスタントマンに限定するべきでしょうね。 個人的には映画は夢を見るものであって欲しくて、俳優が実際にパワフルなアクションをこなしていると嘘でもいいから信じさせて欲しくて、スタント賞ができることにはその点「だけ」でやや引っ掛かりを覚えていたのですが、いやー、でもやっぱり頑張った人・優れた人は認められるべき・讃えられるべきであり、最近はその思いが大きくなっています。…ちゅーか、『フォールガイ』（24年）を観てしまった今、スタントマンはやっぱり讃えられて欲しくて堪りません。果たして、スタント賞ができるのは…いつ？ ところで、今年はここまでどんな作品が支持されたのでしょうか。今回は第97回アカデミー賞（主要6部門）が9月上旬に開かれたとしたらどうなるか、ノミネーションを考えてみました。対象は今年の1月から8月までに公開された作品となります。対象期間が短いので、作品賞は5作品を選びました。もちろん違う意見の方も多いでしょうが、それほど大差ないはずです。
ずるをして、助演部門は6名を選んでしまいました。まあ、お遊びですし、良いでしょう。この中だと『Sing Sing』の評判が極めて高い。初公開されたのは昨年のトロント国際映画祭で、1年経っての公開となったわけですが、全くBUZZが衰えていません。作品賞候補は確実、コールマン・ドミンゴは主演男優賞受賞が狙えると専らの噂です。刑務所内での更生プログラムの一環として作られた劇団を描く物語。ドミンゴを筆頭にプロの俳優も出演していますが、実際にプログラムを受けた者たちが出演しているのが話題。「演技」について深く考察した内容が、アカデミー受け確実と言われています。果たして…。 個人的には『チャレンジャーズ』を応援したいのですが、公開時期やスポーツ物のオスカー受けの悪さを考えると難しいでしょうね。ゼンデイヤ、ジョシュ・オコナー、マイク・フェイストの3人には演技賞候補に是非とも挙がって欲しいのですが…。 さて、この中から誰が勝ち抜けるでしょうか（*はその可能性が低くないコンテンダーです）。 |