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作品賞

受賞予想

Final Predictions

　近年のアカデミー賞は、賞に値するに相応しい作品が少なく不作が続いていると言われていたが、第75回という区切りの年を迎える2002年度は、年の後半に批評家絶賛の作品が次々と封切られ、強力作ばかりが候補に挙がる結果となった。ノミネートの段階で『アバウト・シュミット』『アダプテーション』『エデンより彼方に』『ロード・トゥ・パーディション』が落選と、これらが候補入りした作品と入れ替わっても何もおかしくないと言われているほどである。
　だからノミネートされた作品も出来映えとしてはそれほど差があるとは考えられていない。しかし、ここに来てダントツの強さを見せている作品がある。『シカゴ』である。ゴールデン・グローブ賞を獲得したのを皮切りに、アメリカ製作者組合賞をはじめとする各組合賞で圧倒的な強さを見せ、気がつけば他の４作品を大きく引き離した格好となった。他作品が暗い題材ばかりの中、華やかさで際立ち、ショーアップされる式に相応しいと専らの評判なのである。ほぼ作品賞は手中にしたと言っていいだろう。
　『シカゴ』の勢いの前には、『ギャング・オブ・ニューヨーク』『めぐりあう時間たち』『戦場のピアニスト』はいずれも対抗できそうにない。監督賞が有力視される『ギャング』の頑張りが期待されるが、スコセッシの力を持ってしてもどうやら『シカゴ』の壁は厚そうだ。『時間たち』と『ピアニスト』はPGAで候補入りすらできなかったのが、痛い。『ロード・オブ・ザ・リング二つの塔』は来年の対象作となる三部作完結編「王の帰還」で評価される可能性はあるが、今回の受賞はゼロに近い。

ポイント
シカゴ（ミラマックス） 5.0 point	最多13部門ノミネート（＋＋）	◎
	ロブ・マーシャルDGA獲得（＋＋）
	1920年代が舞台（＋）
	興収１億ドル突破の大ヒット（＋）
	ミュージカル。ドラマではない（－）
ギャング・オブ・ニューヨーク（ミラマックス） 2.0 point	10部門ノミネート（＋）
	マーティン・スコセッシDGA功労賞（＋）
	ドラマ（＋）
	アメリカのルーツを描いた時代物（＋）
	製作費のわりに不発感が強い（－－）
めぐりあう時間たち（パラマウント／ミラマックス） 3.5 point	９部門ノミネート（＋）	○
	スティーヴン・ダルドリー連続候補（＋）
	３大女優共演のドラマ（＋）
	３つの時代に生きる女性を描く（＋＊）
	興行的には伸び悩み（－）
ロード・オブ・ザ・リング二つの塔（ニューライン） 0.5 point	６部門ノミネート（＊）
	圧倒的なスケール感（＋）
	前作を超える特大ヒット（＋＋）
	ピーター・ジャクソン落選（－－）
	会員はファンタジー嫌い（－）
戦場のピアニスト（フォーカス・フィーチャーズ） 2.5 point	７部門ノミネート（＊）	△
	ロマン・ポランスキーに復活の賛辞（＋）
	シリアスなドラマ（＋）
	ホロコーストものは会員大好き（＋＋）
	興行的には惨敗（－－）

OSCAR PLANET 予想　…　シカゴ（ロブ・マーシャル監督）
管理人希望　…　ロード・オブ・ザ・リング二つの塔（ピーター・ジャクソン監督）

The Five Nominees　ノミネート作品　［I guessed 5/5］　（02/17）
シカゴ　Chicago
	配給：ミラマックス　　監督：ロブ・マーシャル
	Nominees 作品、監督、主演女優、助演男優、助演女優（×２）、脚色、撮影、編集、美術、衣装デザイン、録音、主題歌（13部門）
	Precursors GGA、BFCA、DFFCA、NYFCO、OFTA
	ブロードウェイの人気ミュージカルを映画化。最多ノミネートを勝ち取り、猛烈な勢い。他候補に比べると華やかさが際立っている。
ギャング・オブ・ニューヨーク　Gangs of New York
	配給：ミラマックス　　監督：マーティン・スコセッシ
	Nominees 作品、監督、主演男優、脚本、撮影、編集、美術、衣装デザイン、録音、主題歌（10部門）
	Precursors None
	マーティン・スコセッシが長年温めてきた企画がついに映像化。スコセッシ再評価のムードが高まっているのが、強み。
めぐりあう時間たち　The Hours
	配給：パラマウント / ミラマックス　　監督：スティーヴン・ダルドリー
	Nominees 作品、監督、主演女優、助演男優、助演女優、脚色、編集、衣装デザイン、作曲（９部門）
	Precursors GGA、NBR、SFCA、VFCC
	３つの異なる時代に生きる３女性を取り上げる。今年のオスカーは「女性」がキーワードになると思われ、アピールしやすい。
ロード・オブ・ザ・リング二つの塔　The Lord of the Rings: The Two Towers
	配給：ニューライン　　監督：ピーター・ジャクソン
	Nominees 作品、編集、美術、視覚、録音、音響効果（６部門）
	Precursors PFCS、OFCS、OFTA
	人気ファンタジー３部作の第二部。第一部は前回、13部門で候補に挙がり最多４部門受賞。前作を越える興行成績は衰えぬ人気の証明。
戦場のピアニスト　The Pianist
	配給：フォーカス・フィーチャーズ　　監督：ロマン・ポランスキー
	Nominees 作品、監督、主演男優、脚色、撮影、編集、衣装デザイン（７部門）
	Precursors NSFC、BSFC、SFFCC
	カンヌ映画祭パルムドールを受賞。ユダヤ系が多いと言われるハリウッドでは、ホロコーストを扱った作品には票が集まりやすい。

**Prediction Charts**　（02/17）
１．	シカゴ
２．	ギャング・オブ・ニューヨーク
３．	めぐりあう時間たち
４．	戦場のピアニスト
５．	ロード・オブ・ザ・リング二つの塔

database データベース（02/26）

製作費
１．	ギャング・オブ・ニューヨーク	$97m	CGが沢山使われた『二つの塔』がダントツのトップかと思いきや、最も高額なのは製作期間が長引いた『ギャング・オブ・ニューヨーク』。『めぐりあう時間たち』が低予算映画に見える。
２．	ロード・オブ・ザ・リング二つの塔	$94m
３．	シカゴ	$40m
４．	戦場のピアニスト	$35m
５．	めぐりあう時間たち	$25m

興行収入　2003年２月23日現在
１．	ロード・オブ・ザ・リング二つの塔	$328m	『二つの塔』がダントツの興収を記録。前作を上回るというのだから、その人気はすさまじいものがある。コストとの関係で考えると『シカゴ』も健闘。１億ドル突破は確実と言えよう。
２．	シカゴ	$94m
３．	ギャング・オブ・ニューヨーク	$73m
４．	めぐりあう時間たち	$30m
５．	戦場のピアニスト	$12m

上映時間
１．	ロード・オブ・ザ・リング二つの塔	179 min	アカデミー賞は長い映画が大好きで、近年の作品賞受賞作は２時間を越えるものがほとんど。『二つの塔』『GONY』『ピアニスト』は、その資格を備えていて、有利？
２．	ギャング・オブ・ニューヨーク	166 min
３．	戦場のピアニスト	148 min
４．	めぐりあう時間たち	114 min
５．	シカゴ	113 min

前哨戦ポイント
１．	シカゴ	30 point	実は前哨戦でいちばん強かったのは『エデンより彼方に』。しかしその作品が候補落ちした今、ゴールデン・グローブ賞受賞作『シカゴ』『時間たち』が目立つ。『GONY』は無冠。
２．	ロード・オブ・ザ・リング二つの塔	27 point
３．	めぐりあう時間たち	24 point
４．	戦場のピアニスト	21 point
５．	ギャング・オブ・ニューヨーク	19 point

ノミネート予想（02/08）

Final Predictions

　ゴールデン・グローブ賞で作品賞を含む最多受賞を果たし、各組合賞でも大量ノミネートされている『シカゴ』が候補落ちすることは、あり得ない。同じくＧＧ賞作品賞を獲った『めぐりあう時間たち』も、PGAで候補落ちした点が痛いものの、まず大丈夫だろう。監督賞の最有力候補であるマーティン・スコセッシが指揮を取った『ギャング・オブ・ニューヨーク』は、前哨戦はすべてノミネート止まりだが、スコセッシ再評価の熱気に煽られて当確にほとんど王手。残り２席の争いだが、興行的にいちばん成功した『ロード・オブ・ザ・リング二つの塔』がややリード。『アバウト・シュミット』はオスカーのお膝元LAFCAを制しているのが強み。『アダプテーション』も各組合賞候補に挙がっている。ところで、作品賞はアカデミー会員全員が投票権を持っている。となると、ユダヤ系が多いと言われるハリウッドでは『戦場のピアニスト』が有利かもしれない。前哨戦好調だった『エデンより彼方に』は後半絶不調なのが痛い。今年の目玉と思われた『ロード・トゥ・パーディション』にいたっては賞レース惨敗で、いきなり復活してくるとは考えにくい。『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』は多くの人に愛されたが、ロマコメというジャンルに足を引っ張られそうだ。

OSCAR PLANET 予想		管理人希望
シカゴ（ロブ・マーシャル監督）		アバウト・シュミット（アレクサンダー・ペイン監督）
ギャング・オブ・ニューヨーク（マーティン・スコセッシ監督）		アダプテーション（スパイク・ジョーンズ監督）
めぐりあう時間たち（スティーヴン・ダルドリー監督）		シカゴ（ロブ・マーシャル監督）
ロード・オブ・ザ・リング二つの塔（ピーター・ジャクソン監督）		ギャング・オブ・ニューヨーク（マーティン・スコセッシ監督）
戦場のピアニスト（ロマン・ポランスキー監督）		ロード・オブ・ザ・リング二つの塔（ピーター・ジャクソン監督）
The Runner-up		The Runner-up
アバウト・シュミット（アレクサンダー・ペイン監督）		アバウト・ア・ボーイ（ボビー＆ピーター・ファレリー監督）

The Five Frontrunners　フロントランナー（５作品）　（02/08）
タイトル原題　（配給）	ポイント
シカゴ Chicago （ミラマックス） Winner: GGA、BFCA、DFFCA、NYFCO、OFTA	誰もが知っているミュージカルを映像化。昨年の『ムーラン・ルージュ』大健闘の追い風も手伝って、前評判は上々。 Weak Point コメディ／ミュージカル部門ではあるが、ゴールデン・グローブ賞作品賞を獲得し、当確ライン越え。ミュージカル嫌いの会員も無視できないはず。現時点では作品賞に最も近い。
ギャング・オブ・ニューヨーク Gangs of New York （ミラマックス）	巨匠マーティン・スコセッシの集大成と言われている。昨年のテロで完成が遅れたが、よりじっくり編集することができたはず。 Weak Point 期待が大き過ぎたせいか、それほどでもないという評がないこともない。ダニエル・デイ＝ルイスの怪演とスコセッシの演出に注目が集まり過ぎている気がしないでもない。
めぐりあう時間たち The Hours （パラマウント／ミラマックス） Winner: GGA、NBR、SFCA、VFCC	ニコール・キッドマンをはじめ、ハリウッドを代表する女優が多数参加。ヴァージニア・ウルフを取り上げたところもオスカー好み。 Weak Point 演技部門が強過ぎると、外されてしまうかもしれない。オムニバス形式の作風が作品を小粒に見せる可能性もある。男性社会のハリウッドで女性３人が主役の作品は受けるだろうか。
ロード・オブ・ザ・リング二つの塔 The Lord of the Rings: The Two Towers （ニューライン） Winner: PFCS、OFCS、OFTA	昨年最多ノミネートされた『ロード・オブ・ザ・リング』に続く三部作第２弾。作品賞は逃したがファンは多い。今回も批評家大絶賛。 Weak Point 三部作の真ん中に当たる作品を候補入りさせるだろうか。ノミネートするなら３作目になるのでは？そもそもファンタジーというジャンルに抵抗を覚える会員もいるだろうし…。
戦場のピアニスト The Pianist （フォーカス・フィーチャーズ） Winner: NSFC、BSFC、SFFCC	カンヌ映画祭でパルムドールに輝き、ロマン・ポランスキー復活。ユダヤ系が多いと言われるハリウッド。支持を集めやすい。 Weak Point 実はカンヌとオスカーは相性が悪い。その証拠にパルムドール獲得作品は近年作品賞候補に挙がっていない。かつての監督のスキャンダルはどう響くだろうか。

ノミネーション予想これまでの流れ 2002　（Changes in Red）
02/08
シカゴ*	戦場のピアニスト	ギャング・オブ・ニューヨーク	めぐりあう時間たち	ロード・オブ・ザ・リング二つの塔
The Leader：シカゴ
01/21
シカゴ*	アバウト・シュミット	ギャング・オブ・ニューヨーク	めぐりあう時間たち	ロード・オブ・ザ・リング二つの塔
The Leader：シカゴ
12/22
シカゴ	アダプテーション	ギャング・オブ・ニューヨーク*	めぐりあう時間たち	ロード・オブ・ザ・リング二つの塔
The Leader：ギャング・オブ・ニューヨーク
12/09
シカゴ	アダプテーション	ギャング・オブ・ニューヨーク*	マイ・ビッグ・ファット・ウェディング	ロード・トゥ・パーディション
The Leader：ギャング・オブ・ニューヨーク
11/15
シカゴ	エデンより彼方に	ギャング・オブ・ニューヨーク*	マイ・ビッグ・ファット・ウェディング	ロード・トゥ・パーディション
The Leader：ギャング・オブ・ニューヨーク
11/01
シカゴ	エデンより彼方に	ギャング・オブ・ニューヨーク*	戦場のピアニスト	ロード・トゥ・パーディション
The Leader：ギャング・オブ・ニューヨーク

The Other Contenders　その他の有力候補　（02/08）（上にあがる可能性が特に高い作品はグレイ）
タイトル　原題（配給）	ポイント
アバウト・ア・ボーイ About a Boy （ユニヴァーサル）	ニック・ホーンビィの原作を生き生きと描写し、イギリスで記録的大ヒットに。ヒュー・グラントも高評価を得る。が、アメリカでは不発気味。リリースが５月と早過ぎたのも不運。
アバウト・シュミット About Schmidt （ニューライン）	俳優陣の高評価に乗ってジワジワと話題に。アレクサンダー・ペイン監督はアメリカ映画界の期待の星だが、こじんまりとした作りでは埋もれてしまうかも。Winner: LAFCA、KCFCC、LFCC
アダプテーション Adaptation （コロンビア）	チャーリー・カウフマンの脚本はまたも奇想天外な世界と大評判。批評家大絶賛の追い風も。頭の堅いオスカー会員は意味を理解するのに一苦労？Winner: FFCC、TFCA
きみの帰る場所アントワン・フィッシャー Antwone Fisher （フォックス・サーチライト）	昨年オスカーを受賞したデンゼル・ワシントンがついに監督デビュー。映画祭での評判も高い。しかし、昨年の演技部門に続き作品賞でも評価するというのは、大いに疑問。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン Catch Me If You Can （ドリームワークス）	スティーヴン・スピルバーグ×レオナルド・ディカプリオ×トム・ハンクス。どこから見てもオスカー好み。しかもドリームワークス。ただ、娯楽的すぎると敬遠されるかもしれない。
コンフェッション Confessions of a Dangerous Mind （ミラマックス）	ジョージ・クルーニー監督デビュー作。オスカーは俳優の監督作に甘い。ミラマックスがバックについているのも強み。が、今年の同社は多数作品があり、手が回らない？Winner: LVFCS
8 Mile 8 Mile （ユニヴァーサル）	好調カーティス・ハンソン、『ワンダー・ボーイズ』が無視された同情票が集まる可能性あり。ただし、オスカー会員はエミネムと彼のラップに頭を痛くして、無条件で拒否反応？
卒業の朝 The Emperor's Club （ユニヴァーサル）	教師を主人公にした作品とオスカーの相性はいい。ケヴィン・クラインは昨年『海辺の家』で候補落ち。ノミネートされるなら、同情票を得やすい主演男優賞か。
エデンより彼方に Far from Heaven （フォーカス・フィーチャーズ）	ヴェネチア映画祭の健闘で話題沸騰。確実な演出と演技と評判で、インディ枠キープ？配給会社がオスカーに慣れていない。Winner: GSA、NYFCC、SFCC、SDFCS、CFCA
インソムニア Insomnia （ワーナー・ブラザース）	『メメント』で注目されたクリストファー・ノーランの渾身の一打。公開時は満場一致に近い絶賛が寄せられる。５月公開ですでに忘れ去れた作品になっている感。
マイノリティ・リポート Minority Report （20世紀フォックス）	スティーヴン・スピルバーグ×トム・クルーズという夢のタッグが実現。スピルバーグ最高傑作という声もあるが、SFは敬遠されやすく、スピルバーグには『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』もある。
ムーンライト・マイル Moonlight Mile （タッチストーン）	ダスティン・ホフマンとスーザン・サランドンが夫婦を演じているというだけでポイントが高い。新鋭ジェイク・ギレンホールにも熱い視線。が、作品賞には小粒過ぎる。
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング My Big Fat Greek Wedding （IFCフィルムズ）	今年最も愛されたサプライズヒット作。オスカーは興行成績も考慮される。製作がトム・ハンクス夫妻という点も強み。そうは言っても、ロマコメでノミネートする？Winner: GSA
NARC ナーク Narc （ライオンズ・ゲイト）	サンダンス映画祭で披露されて好評だった。曲者役者たちの共演で観応えがあるとのこと。暴力描写が多く、昨年の『トレーニングデイ』のように敬遠されそう。
ニコラス・ニックルビー Nicholas Nickleby （MGM）	豪華キャストが集まって有名文学を映画化。ホリデー・シーズンの封切りで印象に残りやすい。MGMはヒットに見放されているので、なんとか頑張りたいところだが…。
パンチドランク・ラブ Punch-Drunk Love （ニューライン）	好調ポール・トーマス・アンダーソン監督作。カンヌ映画祭では監督賞を獲得済みの安心感。バカ映画のイメージが強いアダム・サンドラーが主演という点でマイナス。Winner: COFCA
愛の落日 The Quiet American （ミラマックス）	一時は公開が危ぶまれたが、主演のマイケル・ケインの演技が素晴らしいらしく、急遽オスカーを狙って公開が決定。候補に挙がるなら主演男優賞だと思われる。
裸足の1500マイル Rabbit-Proof Fence （ミラマックス）	オーストラリア国民の涙を搾り取ったと評判。アボリジニを扱ったドラマは、アメリカ人のためのオスカーでは受けないかも。同じフィリップ・ノイス監督作『愛の落日』が壁になりそう。
ロード・トゥ・パーディション Road to Perdition （ドリームワークス）	公開時、パーフェクトな批評がズラリ。サム・メンデスが監督という安心感。トム・ハンクス主演でダメ押し。しかし、７月公開は早過ぎるか。助演男優賞止まり？Winner: WFCA
ソラリス Solaris （20世紀フォックス）	ハリウッドが最も期待するスティーヴン・ソダーバーグ監督作。多作過ぎてインパクトが分散するか。夏の『フル・フロンタル』は不発。昨年の『オーシャンズ11』は無視された。
13 Conversations About One Thing （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）	運命について描くオムニバス・ドラマ。ナショナル・ボード・オブ・レヴューの年間９位に入る。ただし、作品のリリースは５月。オスカー会員が覚えているとは思えない。
運命の女 Unfaithful （20世紀フォックス）	公開時、賛否両論真っ二つ。褒める人は最高の賛辞を贈り、けなす人は容赦なくこき下ろす。保守的なオスカー会員には、不実な妻の物語は受けが悪い。

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