Predictions -Best Picture-

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作品賞

受賞予想（02/24）

Final Predictions

アビエイター

ネバーランド

ミリオンダラー・ベイビー

Ray レイ

サイドウェイ

○

◎

△

OSCAR PLANET Prediction		ミリオンダラー・ベイビー（クリント・イーストウッド監督）
General Prediction		アビエイター（マーティン・スコセッシ監督）
My Hope		サイドウェイ（アレクサンダー・ペイン監督）

　作品賞を受賞する作品は予想がしやすいものである。その年の目玉になるであろう作品というのは、たとえ映画ファンじゃなくてもおのずとわかるものなのだ。オスカー・ウッチャーの予想が最も一致しやすい部門。一昨年で言えば「シカゴ」、昨年で言えば「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」の受賞を疑っていた者はほとんどいないだろう。だが、今年は違う。各媒体によって受賞作品の予想が割れている。『アビエイター』（マーティン・スコセッシ監督）と『ミリオンダラー・ベイビー』（クリント・イーストウッド監督）。この２本の間で激しいバトルが繰り広げられている。
　当初は『アビエイター』と『オペラ座の怪人』（ジョエル・シュマッカー監督）の対決と見られていた今年のオスカーだが、『オペラ座の怪人』は前評判とは違い酷評優勢で脱落、『アビエイター』の一人勝ちが予想された。ところが、年末になり急遽公開が決まった『ミリオンダラー・ベイビー』が想像以上の賛辞に包まれ、もはや『アビエイター』の圧勝を確信する者はほとんどいない状況だ。
　注目しなければいけないのは、この２本を撮っているのが、スコセッシとイーストウッドという映画人たちからいずれも尊敬を集めている、伝説的存在であるということ。しかし、このふたりのオスカー実績は陰と陽に分かれている。イーストウッドは過去２度監督賞候補に挙がり、傑作西部劇「許されざる者」で受賞、作品賞にも輝いている。スコセッシは過去４度監督賞、２度脚色賞候補に挙がっているが、一度も受賞がない。手掛けた映画を作品賞に導いたこともない。候補数だけならスコセッシ優勢なのだが、効率としてはイーストウッドの方が断然高いということ。
　今年のオスカーはこのふたりゆえ、通常ならば一致することが多い作品賞と監督賞が、分かれるという見方が強い。そして、その大半がスケールたっぷりな『アビエイター』が作品賞、俳優を活かすのに長けたイーストウッドの『ミリオンダラー・ベイビー』が監督賞を受賞するだろうと予想している。だが、無冠の帝王スコセッシにまずあげたいと思うのが作品賞と監督賞のどちらなのかを考えると、スコセッシ自身が受け取ることのできる監督賞を授けたいと思う会員の方が多いのではないか。そして、『アビエイター』が監督賞なら、『ミリオンダラー・ベイビー』は作品賞に投票しようと考えるのではないか。
　もちろん『アビエイター』『ミリオンダラー・ベイビー』がのいずれかが、作品賞も監督賞もかっさらっていく可能性も捨て切れない。勢いなら『ミリオンダラー・ベイビー』だが、保守的なアカデミー会員らしさが出るならば『アビエイター』だろう。
　怖いのが『サイドウェイ』（アレクサンダー・ペイン監督）の存在で、アメリカ映画俳優組合賞（SAG）における作品賞と言われるアンサンブル演技賞を受賞しているところからしても、想像以上に支持者は多いに違いない。『サイドウェイ』が受賞できるのは、『アビエイター』と『ミリオンダラー・ベイビー』が一票を争う大接戦になったとき。もし『サイドウェイ』が受賞したならば、オスカー史上に残るビッグ・サプライズと言えるが、その可能性は案外低くないように思える。
　『Ray レイ』（テイラー・ハックフォード監督）と『ネバーランド』（マーク・フォースター監督）は先の３本に大きな遅れをとっていて、特に『ネバーランド』の受賞の可能性はゼロと言っていい。が、『Ray レイ』の方はほんの僅かだが、大逆転できる力を残しているか。グラミー賞結果からも分かるようにように、ハリウッドではレイ・チャールズ旋風が吹き荒れているからだ。しかし、『Ray レイ』票はジェイミー・フォックスに集中すると思われ、受賞はまずないと見るのが妥当である。
　『アビエイター』『ミリオンダラー・ベイビー』、そして『サイドウェイ』。どれが獲っても、後に語り継がれるだろう好レースである。

**Prediction Chart**
		％	final	02/16	02/11	02/06	02/01	-
1	ミリオンダラー・ベイビー	35	1	1	1	1	2	稀に見る接戦。どちらに転んでもおかしくない
2	アビエイター	34	2	2	2	2	1	稀に見る接戦。どちらに転んでもおかしくない
3	サイドウェイ	25	3	3	3	3	3	ダークホース。もしかしたら、もしかして…？
4	Ray レイ	5	4	4	4	4	5	Happy to be Nominated
5	ネバーランド	1	5	5	5	5	4	Happy to be Nominated

**List of Marks**
アビエイター	最多11部門ノミネート（＋＋）	4.5
	アメリカ製作者組合賞（PGA）受賞（＋＋＋）
	ハリウッド黄金期が舞台になっている（＋）
	候補作の中ではスケール感は飛び抜けている（＋）
	マーティン・スコセッシがアメリカ監督組合賞（DGA）敗北（－）
	評論家受けは『ミリオンダラー・ベイビー』より鈍い（－）
	反ミラマックス票（＊）
ネバーランド	７部門ノミネート（＋）	1.0
	皆ジョニー・デップが大好き（＋＋）
	物語性だけなら他候補に負けない（＋＋）
	ミラマックスは『アビエイター』で手一杯（－）
	『ホテル・ルワンダ』が候補入りするべきだったという声（－）
	マーク・フォースター、監督賞落選（－）
	2004年の「シービスケット」になりそうな匂い（－）
ミリオンダラー・ベイビー	７部門ノミネート（＋）	4.5
	クリント・イーストウッドの最高傑作！DGAも受賞（＋＋）
	オスカーはボクシングドラマが大好き（＋）
	内容に関する批判運動が始まっている（－）
	それに怒った支持派の票が大量に流れ込む（＋＋＊）
	作品賞にはちょっと地味かも（＊）
	監督賞をあげるから、我慢して（＊）
Ray レイ	６部門ノミネート（＊）	2.0
	レイ・チャールズの音楽に心ウキウキ（＋＋）
	ジェイミー・フォックスパワー！（＋）
	チャールズは亡くなったばかり（＊）
	アメリカ製作者組合賞（PGA）で候補入りできず（－－）
	他候補作より一足早く劇場公開終了（＊）
	主演男優賞をあげるから、我慢して（＊）
サイドウェイ	５部門ノミネート（＊）	3.5
	ポール・ジャマッティ落選の同情票がたっぷりと…（＋＊）
	インディーズ映画として最高レヴェルの興収（＋）
	2004年批評家が最も愛した映画（＋＋＋＋）
	それに反論する動きが目立ち始めている（－－）
	コメディで、かつ小品。オスカー向きではない（－）
	脚色賞最有力。そちらで我慢しましょう（＊）

The Five Nominees　ノミネート作品　［I guessed 4/5］
アビエイター　The Aviator
	配給：ミラマックス　　監督：マーティン・スコセッシ
	Nominees 作品、監督、主演男優、助演男優、助演女優、脚本、撮影、編集、美術、衣装デザイン、録音（11部門）
	Precursors PGA、OBAFA、GGA、LVFCS、PFCS、SLFCA
	ハリウッドで長年製作が噂され続けてきたハワード・ヒューズの伝記ドラマに強力映画人が集まる。候補作の中では最もオスカーに相応しいスケールを持っている。
ネバーランド　Finding Neverland
	配給：ミラマックス　　監督：マーク・フォースター
	Nominees 作品、主演男優、脚色、編集、美術、衣装デザイン、作曲（７部門）
	Precursors NBR
	誰もが愛する「ピーター・パン」の生みの親、ジェームズ・Ｍ・バリを取り上げる。物語性だけで言ったら、最もオスカー好みの匂いがする。ファンタジックな遊びもたっぷり。
ミリオンダラー・ベイビー　Million Dollar Baby
	配給：ワーナー・ブラザース　　監督：クリント・イーストウッド
	Nominees 作品、監督、主演男優、主演女優、助演男優、脚色、編集（７部門）
	Precursors NSFC、SFCC、KCFCC、DFFCA、COFCA
	30代にしてボクサーを目指す女性と周囲の人々の交流を描く。老いてますます好調イーストウッドの演出が冴え渡る。「ミスティック・リバー」支持票も流れ込みそう。
Ray レイ　Ray
	配給：ユニヴァーサル　　監督：テイラー・ハックフォード
	Nominees 作品、監督、主演男優、編集、衣装デザイン、録音（６部門）
	Precursors AAFCA
	盲目のシンガー、レイ・チャールズの伝記ドラマ。ジェイミー・フォックスの観る者を震え上がらせるほどの感動的パフォーマンスに話題集中。その勢いについていきたい。
サイドウェイ　Sideways
	配給：フォックス・サーチライト　　監督：アレクサンダー・ペイン
	Nominees 作品、監督、助演男優、助演女優、脚色（５部門）
	Precursors GGA、BFCA、NYFCC、LAFCA、BSFC、CFCA、SFFCC、SFCA、FFCC、IFCA、SLFCA...
	This Year's Critical Darling。ワインめぐりの旅に出る男ふたりを描くという地味な話をものともせず、前哨戦圧勝。今年最も予測の立てにくいダークホース。

ranking

製作費			前哨戦ポイント　-02/28-
1	アビエイター	$110m	1	アビエイター	190.5 p
2	Ray レイ	$40m	2	サイドウェイ	182.0 p
3	ミリオンダラー・ベイビー	$30m	3	ミリオンダラー・ベイビー	141.0 p
4	ネバーランド	$25m	4	ネバーランド	101.5 p
5	サイドウェイ	$16m	5	Ray レイ	99.0 p

興行収入　-02/21-			上映時間
1	アビエイター	$88m	1	アビエイター	168min
2	Ray レイ	$74m	2	Ray レイ	152min
3	サイドウェイ	$58m	3	ミリオンダラー・ベイビー	137min
4	ミリオンダラー・ベイビー	$55m	4	サイドウェイ	123min
5	ネバーランド	$45m	5	ネバーランド	101min

ノミネート予想（01/21）

Final Predictions

　『アビエイター』の圧勝かとも思われた今年の賞レース。蓋を開けてみれば、『アビエイター』以上の賛辞に包まれた小品の『サイドウェイ』が重要賞のほとんどをかっさらっていくという圧倒的強さを見せている。２年前「エデンより彼方に」が賞レース序盤をリードしながら中盤以降ほとんど相手にされないという現象が見られたため『サイドウェイ』も同じ運命を辿るのではないかという憶測も流れたが、それを嘲笑うかのような快走ぶりで、一向にパワーダウンする気配がない。もはやオスカー候補は確実。『アビエイター』の作品賞受賞を阻むポテンシャルを秘めた本命に踊り出た感すら漂っている。また、『ミリオンダラー・ベイビー』も候補入りは間違いない。クリント・イーストウッドガ「ミスティック・リバー」以上の作品を携えて賞レース復帰とマスコミは煽り立てている。この３本が他を圧倒するBUZZを持っていて、受賞作もこの中から選ばれると思われる。４番目の席に落ち着きそうなのは『ネバーランド』。大絶賛に包まれているとは言い難いものの、大衆に愛されやすい物語性はオスカー好みの雰囲気たっぷりだ。問題は５番目の席の争いで、『エターナル・サンシャイン』『ホテル・ルワンダ』『愛についてのキンゼイ・レポート』『Ray レイ』が熾烈な争いを繰り広げている。この中では興行的にも大成功を収めた『Ray レイ』が一歩リードしているかのようにも見えるが、アフリカ版「シンドラーのリスト」と形容される『ホテル・ルワンダ』のパワーも侮れないものがある。『Ray レイ』は主演男優の候補入りが確実視されていることを考慮されると、会員の心情としては『ホテル・ルワンダ』に票を投じたくなるかもしれない。2004年のBox Officeで話題を呼んだ『華氏 911』『パッション』のノミネートを根強く支持する層もあるが、さすがに話題性だけで候補入りさせるほどオスカーは甘くないと思われる。サプライズがあるとしたら『LOVERS』と『Mr.インクレディブル』か。だが、前者は外国語映画賞、後者はアニメーション映画賞でのノミネートが間違いないと言われていて、作品賞のFINAL5に入り込むのは難しい。

OSCAR PLANET Prediction		General Prediction
Lock	アビエイター（マーティン・スコセッシ監督）	アビエイター（マーティン・スコセッシ監督）
Likely	ネバーランド（マーク・フォースター監督）	ネバーランド（マーク・フォースター監督）
Risky	ホテル・ルワンダ（テリー・ジョージ監督）	ミリオンダラー・ベイビー（クリント・イーストウッド監督）
Lock	ミリオンダラー・ベイビー（クリント・イーストウッド監督）	Ray レイ（テイラー・ハックフォード監督）
Lock	サイドウェイ（アレクサンダー・ペイン監督）	サイドウェイ（アレクサンダー・ペイン監督）
The Runner-up		The Runner-up
Risky	Ray レイ（テイラー・ハックフォード監督）	ホテル・ルワンダ（テリー・ジョージ監督）

The Five Frontrunners　フロントランナー（５作品）
タイトル　原題　（配給）	ポイント
Lock アビエイター The Aviator （ミラマックス） Winner: PGA、OBAFA、GGA、LVFCS、PFCS、SLFCA	「マーティン・スコセッシ＋レオナルド・ディカプリオ」。ハワード・ヒューズの半生を描く。オスカーは実在の人物の物語を愛する。今年の本命。 Weak Point このコンビの前作は多数候補に挙がったものの、受賞はひとつもなし。だが、今年オスカーに最も相応しいスケール感を持った作品は、他に見当たらない。候補落ちすることはあり得ない。
ネバーランド Finding Neverland （ミラマックス） Winner: NBR	ジェームズ・Ｍ・バリが「ピーター・パン」を生み出す背景に迫る。ヴェネチアに続き、アメリカでも好評。NBRで賞レースの先陣を切る。 Weak Point 「a good movie, but not great」。一定の評価をしながらも、手放しで絶賛している評論家は少ない。興行的には大成功とは言い難い。近年「ピーター・パン」絡みの作品が多過ぎて、会員は飽き飽き？
ホテル・ルワンダ Hotel Rwanda （ユナイテッド・アーティスツ） Winner: GSA	80万人が殺されたルワンダ大虐殺を背景に、100万人以上を救ったホテルマネージャーを描く。アフリカ版「シンドラーのリスト」との賛辞。 Weak Point オスカー受けしそうな派手さはなく、作品規模は極めて小さい。監督の知名度も低い。限定公開からのスタートに足を引っ張られそう。『Ray レイ』との一騎打ちになりそうな気配あり。
Lock ミリオンダラー・ベイビー Million Dollar Baby （ワーナー・ブラザース） Winner: NSFC、SFCC、KCFCC、DFFCA、COFCA	ボクサーを目指す女性と彼女を取り巻く環境を描く。クリント・イーストウッドへの信頼。ワーナーは急遽2004年公開を決定。評論家絶賛。 Weak Point 限定公開でスタートし派手なチャートアクションを見せていないのは痛いものの、イーストウッド作品の最高傑作と讃える媒体が続出。「ミスティック・リバー」の余韻もある。ノミネートは確実。
Lock サイドウェイ Sideways （フォックス・サーチライト） Winner: GGA、GSA、BFCA、NYFCC、LAFCA、BSFC、CFCA、SFFCC、SFCA、FFCC、IFCA、SLFCA、TFCA、VFCC、LFCC、NYFCO	「ファニーでありながらエッジの利いた物語」と、評論家からパーフェクトに近い支持を受ける。批評家協会賞で大旋風を巻き起こす！ Weak Point 『愛についてのキンゼイ・レポート』が同じ配給会社ゆえ宣伝力が分散するかと思われたが、前哨戦の圧勝ぶりから配給元も大々的にアピール。今や『アビエイター』を打ち落とせる力も持っている。

ノミネーション予想これまでの流れ 2004　（Changes in Red）
01/21
アビエイター*	サイドウェイ	ミリオンダラー・ベイビー	ネバーランド	ホテル・ルワンダ
The Leader：アビエイター
01/01
アビエイター*	サイドウェイ	ミリオンダラー・ベイビー	ネバーランド	Ray レイ
12/01
アビエイター*	サイドウェイ	オペラ座の怪人	クローサー	Ray レイ
11/01
アビエイター*	サイドウェイ	ヴェラ・ドレイク	ネバーランド	Ray レイ
10/01
アビエイター*	愛についての...	モーターサイクル...	ネバーランド	Ray レイ
09/01
アビエイター*	愛についての...	モーターサイクル...	ライフ・アクアティック	Ray レイ
08/01
アビエイター*	愛についての...	モーターサイクル...	ライフ・アクアティック	悪女
07/01
アビエイター*	五線譜のラブレター	モーターサイクル...	ライフ・アクアティック	悪女
06/01
アビエイター*	五線譜のラブレター	モーターサイクル...	ターミナル	悪女
05/01
アビエイター*	五線譜のラブレター	パッション	ターミナル	悪女
04/01
アビエイター*	エターナル・サンシャイン	パッション	ターミナル	悪女

The Other Contenders　その他の有力候補（上にあがる可能性が特に高い作品はグレイ）
タイトル　原題　（配給）	ポイント
オペラ座の怪人 Andrew Lloyd Webber's The Phantom of the Opera （ワーナー・ブラザース）	知名度抜群のミュージカル。公開されたトレーラーやクリップでの曲や歌声の素晴らしさが大評判になったが、いざ蓋を開けてみれば、酷評優勢。美術賞等の技術部門を狙いましょう。
バッド・エデュケーション Bad Education （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）	世界的評価を集めるペドロ・アルモドヴァル監督作はカンヌのオープニングを飾り、大好評。前作は脚本賞受賞。神父によるセクハラを描いた問題作。スペイン語の壁。NC-17。
ビフォア・サンセット Before Sunset （ワーナー・インディペンデント）	カルト的な人気を誇る「恋人までの距離」の続編。久々に再会した男女の心の揺れ動きをヴィヴィッドに描く。公開時期の悪さ。オスカー向きの題材ではない。Winner: VVFCP、ICS
クローサー Closer （コロンビア）	接点のない二組のカップルが奏でる、捩れ曲がった人間模様をマイク・ニコルズの演出で料理。豪華キャストが話題。作品賞候補に挙がるには暗過ぎるとの声。評価もそれほど伸びなかった。
コラテラル Collateral （ドリームワークス）	男臭い映画を撮らせたら世界一のいマイケル・マンが、なんと大スター、トム・クルーズとタッグを組んだ。クルーズの悪役演技は評価高し。クルーズ作品にしては興行成績は伸び悩みの感。
エターナル・サンシャイン Eternal Sunshine of the Spotless Mind （フォーカス・フィーチャーズ）	チャーリー・カウフマンの奇想天外な世界が炸裂。毎回高評価を得ながら、カウフマン映画が作品賞候補に挙がったことなし。年末までBUZZ持続。Winner: WFCA、OFCS、OFTA、CA
華氏 911 Fahrenheit 9/11 （ライオンズ・ゲイト）	ジョージ・ブッシュとイラク戦争を糾弾。カンヌ制覇、Box Office第１位、興収１億ドル突破。会員は民主党寄り。ドキュメンタリー映画賞には出品しないのが追い風？Winner: CIFF、HFF
LOVERS House of Flying Daggers （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）	先行上映されたカンヌ映画祭で華麗な映像がたっぷりだと大好評。目指すは「グリーン・デスティニー」の夢再び。監督のチャン・イーモウは『HERO』も公開された。混同されたりしない？
愛についてのキンゼイ・レポート Kinsey （フォックス・サーチライト）	アルフレッド・キンゼイ博士が主人公。Let's talk about sex! トロントに続き、全米批評家も絶賛だが、内容は保守的会員が眉を顰めそう。演技部門中心の賞レースになりそうな気配あり。
そして、ひと粒のひかり Maria Full of Grace （ファイン・ライン・フューチャーズ）	妊娠した少女が麻薬の密輸に手を染める物語。各地の映画祭で話題沸騰。スペイン語映画。アカデミーは外国語映画賞部門コロンビア代表として出品された本作を拒否。
Mr.インクレディブル The Incredibles （ディズニー）	絶好調ピクサーが送り出すのは、元スーパーヒーローの家族の絆を描いたアドヴェンチャー物語。最も信頼できる製作会社の作品だが、アニメーション映画賞止まりか。壁をぶち破れ。
ライフ・アクアティック The Life Aquatic with Steve Zissou （タッチストーン）	批評家受けするウェス・アンダーソン監督作。海洋学者が主人公のアドヴェンチャーもの。癖が強過ぎる？評論家内では賛否両論真っ二つ。彼らのサポートを受けられないと、小品は辛い。
ママの遺したラヴソング A Love Song for Bobby Long （ライオンズ・ゲイト）	ヴェネチア映画祭で好評、急遽年内公開が決まった。好調スカーレット・ヨハンソン主演という強み。ジョン・トラヴォルタ出演がどう響く。リリースは年末。遅過ぎる。
モーターサイクル・ダイアリーズ The Motorcycle Diaries （フォーカス・フィーチャーズ）	チェ・ゲバラを描いた物語。実在の人物を取り上げた作品が会員は大好き。伝記というより青春ドラマ？スペイン語の壁が高くそびえ立つ。アメリカではカンヌほど高評価は得られなかった感。
パッション The Passion of the Christ （ニューマーケット・フィルムズ）	イエス・キリストの最後の12時間を描き、話題騒然。社会現象となる驚異的ヒット。過激な暴力シーン、反ユダヤ主義…賛否両論真っ二つになるも、酷評が優勢。キャンペーンなし。
Ray レイ Ray （ユニヴァーサル）	盲目の歌手、レイ・チャールズを描く伝記ドラマ。名曲が会員の心を捉える。チャールズが亡くなり話題度上昇。興行的成功。伝記物は演技部門中心になることが多い。Winner: AAFCA
海を飛ぶ夢 The Sea Inside （ファイン・ライン・フューチャーズ）	安楽死の合法化運動を続ける男を描くドラマ。社会派の内容は会員受けが良さそう。主演のハヴィエル・バルデムの演技の評価も高い。スペイン語による作品。本国ではイマイチの評価。
スパイダーマン２ Spider-Man 2 （コロンビア）	アメコミの映画化としては最高の出来映え。好評だった一作目よりさらに高い評価を得る。ドラマ描写もアクション描写も抜群。オスカー会員が票を投じる作品には見えず。Winner: UFCF
ヴェラ・ドレイク Vera Drake （ファイン・ライン・フューチャーズ）	マイク・リー映画。「秘密と嘘」の夢再び？ヴェネチアに続き、米でも絶賛。堕胎医を主人公。主演女優賞候補確実。それで我慢。Winner: VIFF、SDFCS、WFCC、BIFA
ロング・エンゲージメント A Very Long Engagement （ワーナー・インディペンデント）	「アメリ」に続くジャン＝ピエール・ジュネの新作は、堂々たる大河ドラマ。フランス・メディアは公開前から傑作に違いないと報道。事実アメリカでも絶賛。映像の美しさ。技術部門中心か。
ヴェニスの商人 William Shakespeare's The Merchant of Venice （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）	ウィリアム・シェイクスピア原作のコメディ・ドラマ。ヴェネチア国際映画祭で初披露されマズマズの評価。アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジョセフ・ファインズら実力派がズラリ。
The Woodsman （ニューマーケット・フィルムズ）	小児性愛問題を描き、サンダンス映画祭で最も論議を呼んだ一作。ケヴィン・ベーコンの演技に注目。保守的会員からは無視されそうな雰囲気。配給会社が弱い感も拭えず。

No Chance　チャンスなし
アラモ The Alamo （タッチストーン）	アレキサンダー Alexander （ワーナー・ブラザース）
華麗なる恋の舞台で Being Julia （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）	ビヨンド the シー／夢見るように歌えば Beyond the Sea （ライオンズ・ゲイト）
記憶の棘 Birth （ファイン・ライン・フィーチャーズ）	五線譜のラブレター De-Lovely De-Lovely （MGM）
ドッグヴィル Dogville （ライオンズ・ゲイト）	ドア・イン・ザ・フロア The Door in the Floor （フォーカス・フィーチャーズ）
終わりで始まりの４日間 Garden State （フォックス・サーチライト、ミラマックス）	HERO Hero （ミラマックス）
イノセント・ラブ A Home at the End of the World （ワーナー・インディペンデント）	ハッカビーズ I Heart Huckabees （フォックス・サーチライト）
Imaginary Heroes （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）	キル・ビル Vol.2 Kill Bill: Vol. 2 （ミラマックス）
レディ・キラーズ The Ladykillers （タッチストーン）	ラスト・ショット The Last Shot （タッチストーン）
クライシス・オブ・アメリカ The Manchurian Candidate （パラマウント）	ポーラー・エクスプレス The Polar Express （ワーナー・ブラザース）
スパングリッシュ太陽の国から来たママのこと Spanglish （コロンビア）	Stage Beauty （ライオンズ・ゲイト）
ターミナル The Terminal （ドリームワークス）	トロイ Troy （ワーナー・ブラザース）
悪女 Vanity Fair （フォーカス・フィーチャーズ）	ヴィレッジ The Village （タッチストーン）
夫以外の選択肢 We Don't Live Here Anymore （ワーナー・インディペンデント）

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