Column コラム
| アカデミー賞に関する管理人Yoshiの雑文です。 |
| last update: February 08, 2007 |
| ■あるオスカー会員の朝2007〜こんなシナリオ〜 （2007.02.08） |
| ふうぅぅぅ、、今日は変な夢を見てしもうたわい。ワシの大好きな『ドリームガールズ』が作品賞候補から落選する夢じゃ。そんなこと、あるわけなかろうに、ワシももうろくしたもんじゃ…。 な、な、な、な、なんと！このTVが言ってることは本当か？本当に『ドリームガールズ』が作品賞から漏れてしまったのか？ワシの小便じゃあるまいし、漏れるなんて考えておらんかったわ…。なんてことじゃ、去年「ブロークバック・マウンテン」がまさかの敗北を喫したから、今年こそはゲイ心を刺激する『ドリームガールズ』に勝って貰いたかったというのに…。オスカーはワシをショック死させる気かい？全く、オスカーは外野から眺めるだけでも心臓に悪いわ！体力をつけるために、午後はゲートボールでもすることにしようかの。 そう言えばこの前ゲートボール場で会ったアラン・アーキンは、ジイサンになったが未だにセクシーじゃったな。毒舌も同じ毒舌家として頼もしい限りだし、あのハゲっぷりも潔くて好みじゃ。触り心地が良さそうだしな。ワシもカツラはやめるとするかな。よし、助演男優賞はアランのジイサンに決定じゃ。エディ・マーフィはゴールデン・グローブ賞で意外に盛り上げが下手だったから、『ドリームガールズ』出演者じゃったとしても、応援してやらんことに決めたんじゃ。ホントは猿みたいに可愛いマーク・ウォルバーグも捨て難いんじゃが。まあ、マークには票じゃなくて、お小遣いをやることにしよう。オマケにバナナもつけてやろ。 それに較べると、主演男優賞部門はつまらんのう。フォレスト・ウィテカーは日本の鶴瓶とかいう、前にTVで開チンした漫才師に似過ぎてて全然惹かれんし、レオナルド・ディカプリオやライアン・ゴズリングはまだまだ子どもじゃ。ピーター・オトゥールは同じジジイとして応援したいところじゃが、最近ミイラみたいに見えて怖いんじゃよ。いくらジジイだからってもう少し水分が欲しいぞ。となると、残るのはウィル・スミスか。ヤツは好みの顔ではないんじゃが、悪いヤツではなさそうじゃな。それにヤツの友達は要チェックじゃ。ハリウッド仲間でも人気があるらしいから、きっと友達とやらも男前揃いじゃぞ。うまくウィルに近づけば、イイオトコを紹介してくれるかもしれんしな。ヒヒッ、決まりじゃ。主演男優賞はウィルじゃ。 主演女優賞はワシが投票しなくてもヘレン・ミレンで決まりじゃ。巧過ぎてもうとっくの昔にオスカーを獲ってるかと思っとったが、そうか、獲ってなかったか。ワシはメリル・ストリープも良いと思ったんじゃが、グレン・クローズが「メリルにはもう獲らせないで」って言っとったしな。 助演女優賞は誰でもいいんじゃが、ここは日本の菊地凛子サンとやらに入れておくか。実は今度ワシは日本に行くんじゃ。渡辺の謙サンが家に招待してくれたんじゃ。あの人はイイヒトじゃ。こんな老いぼれジジイにすごく優しくてくれるんじゃ。さすがサムライじゃ。謙サンは普段からチョンマゲつけて着物を着て刀を腰にさせばいいのに、なぜそうしないんじゃろ。それはそうと菊地サンに投票して恩を売っておけば、行ったとき良くしてくれるかもしれんしな。きっと忍者も紹介してくれるぞ。この際、ゴールデン・グローブ賞授賞式のドレスが酷かったことは忘れるんじゃ。 それにしてもオスカーに誰に投票するかだけでこんなに時間を使ってて良いんじゃろか。最後の仕事は日本のCMだったけな。ロスで着ぐるみ着て一日働けば高いギャラをもらえるなんて、日本の企業は神様じゃ。でもあれは誤算じゃった。CMに出てもアメリカじゃ放送されないと思って安心しておったのに、Youなんとかというネットの動画投稿サイトで、いつの間にか晒されておったわい。ネット社会は厄介じゃ。あの着ぐるみを製作会社に見られたら、ますます映画の仕事は来なくなるかもしれんな。仕事も髪も愛してくれる人もいないワシは、ハリウッドの惨めな落伍者じゃ。一応嫁はいるが、実はゲイの事実を隠すための仮面夫婦じゃしな。こんなワシにピッタリの作品は、そうじゃ『リトル・ミス・サンシャイン』じゃ！金のかかっておらん小品じゃったが、負け犬たちの奮闘には大いに笑わせてもらったわい。世間はハリウッドスターは皆大金持ちだと思ってるが、そんなのほんの一部の人間だけじゃ。オスカーを獲ったワシだって、日本のCMが精一杯というのが現状じゃ。そういうワシにこの映画はなんだか元気をくれたぞ。 ふむ、こうして見ると、ヤケクソになった割りに、結局ワシはナイスバランス感覚じゃな。右が重過ぎても左が重過ぎてもいかん。男も女も左右対称がベストじゃ。って、ワシは何の話をしとるんじゃ。アランのジイサンは今日のゲートボールに来るじゃろか。 |
| ■日本勢のオスカーポテンシャルは？ （2007.01.15） | ||||||||||||||||||||||||||||
| 第79回アカデミー賞の行方は、例年以上に日本で大きな注目を集めています。日本人俳優が参加した作品が有力視されているからです。彼らや出演作品がオスカー候補に挙がる可能性はどれくらいあるのでしょうか。 最もノミネートの可能性が高いのは、『バベル』（アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督）の菊地凛子です。日本でも彼女が誰なのか知らない人が圧倒的大多数でしょうが、これまでも日本映画に着実に出演を続けていた、26歳になったばかりの若手女優です。 彼女が入る助演女優部門は、今年最も「開かれている部門」と言われています。どの助演女優たちも素晴らしい演技を見せていて、多くにノミネートのチャンスがあると言われているのです。しかし、その中でも菊地は目立つ存在と言って良いでしょう。シカゴ、ユタ、オースティンの地方批評家協会賞を受賞していることよりも、ブロードキャスト映画批評家協会賞（BFCA）、ゴールデン・グローブ賞（GGA）、そしてアメリカ映画俳優組合賞（SAG）という、前哨戦の中でも極めて重要な３賞で候補に挙がっていることが大きなアドヴァンテージになっています。 対象作の『バベル』は賛否がはっきりと割れたものの支持派には熱烈に愛されているようで、賞レースで快走中。下品な言い方になりますが、演じた役柄が耳が聞こえないという設定も賞受けしやすい要素です。加えて助演女優部門は、若い女優に優しいことで知られています。菊地は非常に有利な位置につけていると言えるでしょう。 ひとつ不安なのは、同じ『バベル』からアドリアナ・バラッザというメキシコ女優も極めて高い評価を受けていることで（同じくBFCA、GGA、SAG全て候補入り）、ひょっとすると票割れを起こす危険があります。今の勢いならば、候補落ちはないと思われますが、どうなるでしょうか。オーディションで実際に耳の聞こえない者の配役を希望したイニャリトゥ監督を納得させて役柄を勝ち取ったと言われる菊地。ぜひともノミネーションリストに名を連ねて欲しいところです。 菊地と同じく日本のマスコミが気にしているのは、硫黄島の戦いを日本側から描いたクリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』とその出演俳優のノミネートです。 公開前から「オスカー確実」と煽られていた本作は、アメリカの評論家からも極めて高い評価を獲得しました。それはオスカー候補に挙がっても全くおかしくないレヴェルの賛辞でした。実際、本作は前哨戦の幕開けを告げるナショナル・ボード・オブ・レヴュー作品賞（NBR）を受賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞（LAFCA）も征しています。メディアはますます「オスカー確実」と書き立てましたが、それがどうしたことでしょう、１月に入ってから急速に本作のBUZZが下降しているのです。多くがオスカーと投票者の被る各組合賞のノミネーションに至っては、全て落選という落ち込みようです（01/15時点）。 いちばんの原因はおそらく、イーストウッドが同じ硫黄島の戦いをアメリカ側から描いた『父親たちの星条旗』との票割れでしょう。評価だけならば確かに『硫黄島からの手紙』の方が高い、それは事実です。しかし、同じ題材の作品を２本並べたとき、アメリカ人が大多数を占めるオスカー会員が票を投じたくなるのはどちらでしょうか。 『硫黄島からの手紙』がNBRやLAFCAを受賞したのは、おそらく投票時期も有利に働いたのでしょう。公開直前で投票する者が観た直後だったことが大きな影響を与えたように思います。しかし、鑑賞からしばらく経った今、冷静な目で「硫黄島」二部作を考えたとき、予想以上に『父親たちの星条旗』に票が流れ始めているのではないでしょうか。 それから個人的に心配しているのは、本作が日本語映画であり、前哨戦で外国語映画賞部門に顔を見せていることです。もしかしたら本作を外国語映画賞部門の日本出品作だと勘違いしている会員が少なくないのではないでしょうか。外国語映画賞候補は専門分科会により選ばれますが、そちらでノミネートされるだろうから作品賞部門で投票するのはやめておこうと考える会員がいるのではないかと思うのです。杞憂でしょうか。もちろん、まだ本作が作品賞候補に挙がる可能性は大いにあります。しかし、極めて危険な位置にいると言って間違いないでしょう。 こうなってくると『硫黄島からの手紙』の出演俳優が候補に挙がる可能性は極めて低くなってきたと言わざるを得ません。渡辺謙の主演男優賞、二宮和也の助演男優賞へのノミネートは難しくなってきました。主演賞は有力コンテンダーが少なく、「ラスト サムライ」によりある程度の知名度を持っている渡辺は、若干でもチャンスが残っていると言って良いでしょう。しかし、二宮の対象部門である助演賞は稀に見る大混戦であり、彼が滑り込む余地はないように見えます。加えて、配給会社がキャンペーンを渡辺に絞り、二宮をほとんどプッシュしていないのもマイナスポイントです。 最後に、外国語映画賞部門に日本代表作『フラガール』について。この部門は出品制で、候補５本は少数の審査員によって選ばれます。それゆえノーマーク作品が突如ノミネートを受けることが多いのが特徴です。 今年この部門で前評判が高いのはドイツの『善き人のためのソナタ』、メキシコの『パンズ・ラビリンス』、スペインの『ボルベール＜帰郷＞』。いずれも前哨戦で注目を集め、ゴールデン・グローブ賞でも揃って候補に挙がっています。この３本が前哨戦通りの強さを発揮するならば、残っているのはあと２席です。『フラガール』はそこに滑り込むことが出来るでしょうか。 実際に作品を観た印象で言うと、英映画「リトル・ダンサー」や米映画「遠い空の向こうに」に似ているところがあり、その点でやや不利に思います。伸び伸びとした良い作品だとは思うのですが…。 上に挙げた俳優や作品が全てノミネートされることはどうやらなさそうです。しかし、１月23日のノミネーション発表日に吉報を受け取る人は、確実にいるでしょう。ノミネーション発表当日が楽しみです。 |
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| ■ゴールデン・グローブ賞 ノミネーション予想 （2006.12.11） | |||||||||
毎年オスカー予想前の肩慣らしのつもりで、ゴールデン・グローブ賞ノミネーションを予想しています。実力派よりもスターが優遇される傾向にあるのは、選出メンバーである外国人記者たちが取材でスターに会う機会が多いからでしょう。もはやオスカーへの影響はほとんどないとも言われていますが（昨年オスカーを受賞した「クラッシュ」はノミネートすらされませんでした）、豪華絢爛、スターが大集結して盛り上がる授賞式は、結局大きな注目を集めるでしょう。今年も全く深く考えず、主要８部門を選んでみました。
ゴールデン･グローブ賞はミュージカル／コメディ部門が設けられているので、オスカーではノミネートされそうにない映画人を選ぶのが毎年楽しいのですが、困りました、今年はM/C部門に強力コンテンダーが多くて、ゴールデン･グローブならでのスターを選べません。サシャ･バロン･コーエン、ジョニー･デップぐらいでしょうか。 ニコール･キッドマンやレニー･ゼルウィガーは、今年はオスカーはないだろうと思っているのですが、外国人映画記者協会に熱烈に愛されていることを考慮して選んでみました。 なお、日本人期待（？）の『硫黄島からの手紙』は外国語映画賞部門に入り、作品賞候補に挙がることはありません。 皆さんも気楽に、遊び気分で予想してみてはいかがでしょう？ |
| ■８月までに公開された作品の中でオスカーの可能性があるのは…？ （2006.09.01） | ||||||
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９月になりました。賞レースシーズンの幕開けです。アカデミー賞授賞式の開催が３月から２月に早まった影響でしょう、以前は10月頃からオスカー狙いの作品の封切りが目立ったのですが、最近は９月初旬から次々と強力作品の公開が始まります。今年はどんな作品がレースを賑わせるのでしょうか。楽しみです。
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Past Report -79th Annual Academy Awards-