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リトル・ミス・サンシャイン

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作品賞

受賞予想（02/23）

Final Predictions

バベル

ディパーテッド

硫黄島からの手紙

リトル・ミス・
サンシャイン

クィーン

○

△

◎

OSCAR PLANET Prediction		リトル・ミス・サンシャイン
General Prediction		バベル or ディパーテッド or リトル・ミス・サンシャイン
My Hope		硫黄島からの手紙

　作品賞の受賞は予想がしやすい。77回のとき「アビエイター」か「ミリオンダラー・ベイビー」かで予想が割れたが、近年ではそれぐらいでその他の年は本命作品はほとんど誰もが予想できるものである（昨年のように本命が破れるケースも少ない）。だが、今年は本当に予測が難しい。候補作品５本、いずれも受賞チャンスがあると言われているのである。このような状況は極めて稀と言っていい（会員もベストを選べず、白紙投票が多くなっているという噂もある）。

　それでも、メディアの多くが受賞を予想しているのは『バベル』（アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督）だ。コミュニケーションや愛の難しさを描いた小品ながらゴールデン・グローブ賞を受賞、勢いをつけている。この映画のいちばんの強みは芸術性にあると言われている。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督独特の時制を操った作風が、芸術性を重んじる会員の心をいちばん捉えやすいとのこと。なるほど、確かに５本の中では最もオスカー好みの題材かもしれない。おそらく支持作品を特別持たない会員が、「逃げ」として票を入れやすいのが『バベル』なのだと思う。ただ、本作は評論家からの評価は芳しくない。他作品は評論家支持率が９割を超えているのに、本作は７割を切る。果たしてそれでも会員が票を投じるのかどうか。かなり怪しいと思うのだが…。

　候補作中最大の大作は『ディパーテッド』（マーティン・スコセッシ監督）だ。「グッドフェローズ」以来のスコセッシの傑作との賛辞を浴びている本作は、レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモンら豪華スター俳優の競演によるギャング・ドラマ。その華麗なる演出と捻った脚本を中心に絶賛を獲得、興行的にも大成功を収めた。ひょっとしたらアメリカ国民が最も受賞を望んでいるのはこの作品かもしれない。ただ、映画関係者はこの作品がリメイクであることを忘れていないと思うのだ。オリジナルはもちろん香港映画「インファナル・アフェア」。それが多分、受賞へのいちばんの壁になる。リメイク作をオスカーに選ぶことへの躊躇いは、おそらく予想以上に大きい。たとえオリジナルを観ていなくても、だ。オスカーは結局アメリカ映画のためのもの。他国のからヒントを得た本作は、不利になると思う。ブロードキャスト映画批評家協会賞を受賞していたとしても。

　ならば『クィーン』（スティーヴン・フリアーズ監督）はどうだろう。ダイアナ元妃の事故じの英国王室の混乱を描くという難しい試みに見事勝利した本作は、公開時評論家からの支持が最も高かった作品。肯定派は100％に近い数字という驚異的な賛辞だった。英国アカデミー賞受賞も当然と言えよう。だが、そうなのだ、この映画はイギリスが舞台の、イギリス映画なのだ。いくら出来映えが良くても、作品賞に選ぶのに抵抗を感じる会員は少なくないはずだ。その証拠に前哨戦結果を思い出すと良い。本来これだけの賛辞を集めた作品ならば、作品賞レースのトップを走ってもおかしくないというのに、受賞を果たしたのは英国アカデミー賞の他は地方の批評家賞の少しだけだ。評価するプロである評論家ですらそうなのだから、オスカー会員が本作を文句なしに推すのは難しいだろう。

　日本人ならば気になる『硫黄島からの手紙』（クリント・イーストウッド監督）はというと、普通に考えると受賞は難しいと言える。興行的に失敗に終わっているのがいちばんの理由で、そもそも観ている会員が絶対的に少ないように見える。組合賞で完全シャットアウトに遭ったのはその影響もあるだろう。ただ、本作はイーストウッド作品である。会員が大好きなイーストウッド作品である。それがいちばんの武器。「ミスティック・リバー」「ミリオンダラー・ベイビー」に続くイーストウッド作品は、硫黄島の戦いをアメリカ側、日本側、別々の作品として描くというユニークな試み。おそらくアメリカ側から描いた『父親たちの星条旗』とセットで評価される。そうなったときもしかしたらサプライズ受賞を起こす可能性は決してゼロではないだろう。イラク問題に関心を持つ会員の票も取り込めるかもしれない。ただ、イーストウッドは前回「ミリオンダラー・ベイビー」で作品賞を獲ったばかりというのが大いに気になる。

　最後に残ったのは『リトル・ミス・サンシャイン』（ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス監督）だ。本作もパッと見た印象ではノミネート止まりに見える。製作費僅か800万ドルの小品だし、極めて重要なカテゴリーである監督賞と編集賞のノミネートを逃がしている（この２賞は候補入りが作品賞受賞の絶対条件と考えられている）。インディペンデント・スピリット賞こそがこの映画に相応しいのではないか。ただ、本作が侮れないのはアメリカ製作者組合賞（PGA）、アメリカ映画俳組合賞（SAG）、アメリカ脚本家組合賞（WGA）　という組合賞の中でも重要な３賞で勝利を収めていることである。これは一体何を意味するのだろう。各組合の会員とオスカー会員は被っている者が多いと言われている。オスカー会員は約6,000名でそのうちの３分の１以上が製作者、俳優、脚本家である。その彼らが他に属している団体がベストに選んだ作品が本作ということだ。もちろん他の組合でも本作の人気は低くないだろう。オスカー候補は逃がしたものの、アメリカ監督組合賞（DGA）、アメリカ編集監督組合賞（ACE）でもノミネートを勝ち取っている。要するに会員人気が高い。映画は世間で言うところの負け組家族の奮闘を描いた喜劇で、特別嫌われる要素の少ない作風。もしかしたら大混戦のときには、好かれるというより嫌われる要素の少ない、こういう作品が強いのではないか。もし受賞したら、オスカーのセオリーを覆す大金星である。

　どれが受賞してもおかしくないが、流れは『リトル・ミス・サンシャイン』に来ている気がする。世間の見方は本命『バベル』、対抗『ディパーテッド』か。しかし、先に書いた消去法で考えると、最後に笑うのは『リトル・ミス・サンシャイン』ではないか。実に面白いカテゴリーと言えよう。

**Prediction Chart**
		％	Final	2/16	2/11	2/6	2/1
1	リトル・ミス・サンシャイン	22	1	2	2	2	3	大穴
2	バベル	22	2	1	1	1	2	本命
3	ディパーテッド	22	3	3	3	3	1	対抗
4	クィーン	17	4	4	5	5	4	逆転
5	硫黄島からの手紙	17	5	5	4	4	5	逆転

**List of Marks**
バベル	作品賞候補の中で最多６部門７ノミネート（＋＋）	3.5
	ゴールデン・グローブ賞（ドラマ部門）受賞（＋）
	でも、その他の前哨戦では全てノミネート止まり（－－）
	国際色豊かと言われる今年のオスカーを象徴（＋＋）
	賛否両論、近年稀に見る評価の低い作品賞候補作（－－）
	が、支持者は強烈に支持すると思われ…（＋＊）
	有力紙は揃って本作の受賞を予想している（＋）
ディパーテッド	５部門ノミネート（＊）	3.5
	製作費9,000万ドル、１億ドルを超えるメガヒット（＋＋＋）
	マーティン・スコセッシの近年ベストとの声多数（＋＋）
	香港映画の傑作「インファナル・アフェア」のリメイク（－－）
	でも会員はオリジナルの存在自体知らないかも…（＋）
	マフィア映画は長らくオスカーで勝利していない（＊）
	続編製作決定の一部報道あり。コマーシャルムービー（＊）
硫黄島からの手紙	４部門ノミネート（＊）	3.0
	「硫黄島の戦い」二部作という前例のない試みの一本（＋）
	『父親たちの星条旗』より高評価を獲得。合わせ技（＋＋）
	各組合賞完全シャットアウト。会員は観ていない？（－－）
	それでも候補入りしたのは「クリント・イーストウッドブランド」（＋＋）
	低予算の日本語映画。字幕読むの、面倒臭いよね（－）
	『ドリームガールズ』がノミネートされるべきだったのに…（＊）
リトル・ミス・サンシャイン	４部門ノミネート（＊）	3.5
	サプライズヒット。「負け組」家族に全米拍手喝采（＋＊）
	でもオスカー会員は「負け組」ではないよね（＊）
	製作費僅か800万ドル。「クラッシュ」が勝利した反動あり？（＊）
	PGA、SAG受賞。オスカーもありえるぞ！？（＋＋＋＋＋）
	でも、インディペンデント・スピリット賞止まりじゃないの？（＊）
	監督賞も編集賞もノミネートを逃がしている（－－）
クィーン	６部門ノミネート（＋）	3.0
	唯一英国映画。英国会員票を着実に確保（＋）
	2006年最も批評家に愛された一本（＋＋）
	でもその割りには編集賞候補を逃がす（－）
	おそらく票は主演女優ヘレン・ミレンに集中（－）
	英国王室を描くという大胆な賭けに勝利（＋＊）
	でも結局はイギリスの話でしょう？（＊）

The Five Nominees　ノミネート作品　［I guessed 4/5］
バベル　Babel
	配給：パラマウント・ヴァンテージ　　監督：アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
	Nominees 作品、監督、助演女優（×２）、脚本、編集、作曲（６部門７ノミネート）
	Precursors GGA、QFCA
	賛否両論真っ二つに割れながら、肯定派の熱烈な支持を受けて堂々たるノミネート。組合賞での大健闘も光る。菊地凛子の出演により、日本でも高い注目度。ダークホース。
ディパーテッド　The Departed
	配給：ワーナー・ブラザース　　監督：マーティン・スコセッシ
	Nominees 作品、監督、助演男優、脚色、編集（５部門）
	Precursors GSA、BFCA、BSFC、CFCA、LVFCS、SFCA、FFCC、SLFCA
	香港映画「インファナル・アフェア」のリメイク。オリジナルに熱烈ファンの多い日本では案の定、逆風が吹いている感があるが、ハリウッドではそんなこと、関係なし。監督賞とW受賞を狙う。
硫黄島からの手紙　Letters from Iwo Jima
	配給：ワーナー・ブラザース　　監督：クリント・イーストウッド
	Nominees 作品、監督、脚本、音響効果（４部門）
	Precursors NBR、LAFCA、SDFCS
	組合賞完全シャットアウトに遭いながらノミネートを受ける大逆転。イーストウッドブランド恐るべし。「父親たちの星条旗」とセットで票が雪崩れ込んでくるはず。一気に強力コンテンダーへ！
リトル・ミス・サンシャイン　Little Miss Sunshine
	配給：フォックス・サーチライト　　監督：ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
	Nominees 作品、助演男優、助演女優、脚本（４部門）
	Precursors PGA、ISA、WFCC、NTFCA
	「負け犬」一家から滲み出る温かなユーモアがサマーシーズンのアメリカを優しく包み込んだ。演出はそれほど評価されていないが、それを補って余りある脚本の力。
クィーン　The Queen
	配給：ミラマックス　　監督：スティーヴン・フリアーズ
	Nominees 作品、監督、主演女優、脚本、衣装デザイン、作曲（６部門）
	Precursors OBAFA、NYFCO、WFCC、TFCA
	英国王室を取り上げるという大胆な賭けに見事勝利、2006年最も批評家から支持された映画となった。主演女優ヘレン・ミレンの勢いは加速するばかり。それについていきたい。

ranking

製作費			前哨戦ポイント　-02/26-
1	ディパーテッド	$90m	1	ディパーテッド	155.5 p
2	バベル	$25m	2	リトル・ミス・サンシャイン	135.5 p
3	硫黄島からの手紙	$19m	3	クィーン	129.0 p
4	クィーン	$14m	4	バベル	124.0 p
5	リトル・ミス・サンシャイン	$8m	5	硫黄島からの手紙	89.5 p

評価 rating			興行収入　-02/20-
1	クィーン	92.0 p	1	ディパーテッド	$131m
2	硫黄島からの手紙	89.0 p	2	リトル・ミス・サンシャイン	$59m
3	ディパーテッド	86.6 p	3	クィーン	$51m
4	リトル・ミス・サンシャイン	82.6 p	4	バベル	$33m
5	バベル	66.2 p	5	硫黄島からの手紙	$12m

ノミネート予想（01/20）

Final Prediction

　前哨戦で最も強さを発揮している作品が『ディパーテッド』というのは、意外かもしれない。本作は香港映画「インファナル・アフェア」のリメイクだからだ。日本では熱心なファンが多く、傑作と讃える人も少なくない。なぜハリウッドがリメイクする必要があるのかという声が出るのも当然だ。だが、オリジナルはアメリカではほとんど知られていない。筋の面白さは保証つき、なおかつマーティン・スコセッシ印。出来が良ければ、認めざるを得ないということだろう。もちろんオスカーでもノミネートは間違いない。

　前哨戦前半は躓いたが、組合賞では予想通りの強さを発揮しているのが『ドリームガールズ』。オスカーに相応しい華やかさを持った作品として注目されるだろう。勢いがつけばそのまま受賞ということも十分あり得る。興行的な成功も大きな強みだ。絶対安泰とは言えないかもしれないが、強力なコンテンダーである。

　評論家からの支持が今年最も熱かった一本と言えば『クィーン』だ。ダイアナ妃交通事故死のときの英国王室の混乱を描いた話題作。ヘレン・ミレンの圧倒的演技に引っ張られ、候補までは問題ないはず。英国アカデミー賞では最多ノミネーションを勝ち取っている。

　残りの２席は熾烈な争いと言えそうだが、組合賞でリードしているのは『リトル・ミス・サンシャイン』と『バベル』である。前者はサマーシーズンのサプライズヒット作。満点評価をつける評は多いとは言えなかったが、嫌われる要素がほとんどないのが強み。『バベル』は否定派にとことん嫌われ全体評価は全然伸びていないのだが、それを笑い飛ばす健闘は、逆に支持派にはとことん愛されているゆえだろう。ゴールデン・グローブ賞も受賞している。この２本がそのまま最後の２席にハマる可能性は非常に高い。

　滑り込み逆転ノミネートを狙うのは『ユナイテッド93』と『硫黄島からの手紙』。前者は批評家賞で愛されたが、影響力のあるものはニューヨーク映画批評家協会賞だけなのが不安要素。物語性のないドキュメントタッチの作品というのも敬遠されるかもしれない。後者は日本語映画というハンディを跳ね除けてナショナル・ボード・オブ・レヴュー、ロサンゼルス映画批評家協会賞を受賞したものの、レース中盤からまさか失速。安泰と思われた監督組合賞候補も逃がし、いかにクリント・イーストウッド作品とは言え黄信号点灯である。おそらく予想以上に『父親たちの星条旗』との票割れを起こしている。『93』『硫黄島』が『サンシャイン』『バベル』を打ち落とすことができるかが、この部門の最大の見どころである。

　最後にダークホースを２本。『トゥモロー・ワールド』と『パンズ・ラビリンス』である。年末ギリギリの公開だったため、賞レース前半は目立たなかったが、ここに来て評価急上昇。どちらも2006年最大級の賛辞を勝ち取っている。テクニカル部門での健闘は確実視されている、この２本。公開があと１か月早ければ、楽々ノミネートだった？

OSCAR PLANET Prediction
バベル（アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督）	Shaky
ディパーテッド（マーティン・スコセッシ監督）	Lock
ドリームガールズ（ビル・コンドン監督）	Likely
リトル・ミス・サンシャイン（ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス監督）	Shaky
クィーン（スティーヴン・フリアーズ監督）	Likely
The Runner-up
硫黄島からの手紙（クリント・イーストウッド監督）	Shaky

The Five Frontrunners　フロントランナー（５作品）　（01/20）
Lock
ディパーテッド The Departed （ワーナー・ブラザース） Win: GSA、BFCA、BSFC、CFCA、LVFCS、SFCA、FFCC、SLFCA	マーティン・スコセッシが「グッドフェローズ」以来の超傑作を放ったと全米大熱狂。うるさ型を唸らせるキャストが光り輝き、興行的にも大成功！ ~~Weak Point~~ 娯楽要素が強過ぎて受けないとの予測を吹き飛ばし、賞レース快走中。オリジナルが全く知られていないのもプラス要因で、ノミネートまでは何の問題もなし。後は受賞できるかどうか。
Likely
ドリームガールズ Dreamgirls （ドリームワークス） Win: GGA、GSA、AAFCA	ダイアナ・ロスとシュープリームスを取り上げ、モータウンの栄光と衰退を描いたミュージカルの映画化。カンヌで公開されたフッテージにメディア熱狂。 Weak Point 歌えるスターが勢揃いしたが、主役がビヨンセ・ノウルズという点はどう影響するか。ミュージカルは「オペラ座の怪人」「プロデューサーズ」と２年連続で不発。観る前から偏見があったりして…。
クィーン The Queen （ミラマックス） Win: OBAFA、NYFCO、WFCC、TFCA	ダイアナ妃が亡くなったときの王室の混乱、そして政府の駆け引きを描いた話題作。未だに根強いダイアナ人気。評論家から今年最大級の賛辞。 Weak Point とにかくヘレン・ミレンの演技が素晴らしいとのことで、そちらに注目が集中してしまう危険あり。配給のミラマックスはワインスタイン兄弟が抜けてから迷走気味。キャンペーン、上手くできますか？
Shaky
バベル Babel （パラマウント・ヴァンテージ） Win: GGA、QFCA	世界中の４つの場所を舞台に人々の人生が交錯する人間ドラマ。時代を映し出した作品と評判。政治意識の高い会員の票が入る。 Weak Point アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥらしく懲った構成。会員はストレートな物語がお好き。有力誌の評価が伸びず、否定派はとことん否定。逆に言うと、肯定派にはとことん好かれているが…。
リトル・ミス・サンシャイン Little Miss Sunshine （フォックス・サーチライト） Win: PGA、ISA、WFCC、NTFCA	娘を美少女コンテストに出場させる旅に出る一家を描く喜劇。評論家から温かい賛辞。大ヒット。インディペンデント・スピリット賞総ナメ？ Weak Point 勝ち負けで全てを判断する社会を風刺する物語。それが賞レース参戦とは皮肉。ノミネートしない方がこの映画には合っているのでは？脚本賞候補確実なので、それで我慢しましょう。

ノミネーション予想これまでの流れ 2006　（Changes in Red）
Final
クィーン	ディパーテッド*	ドリームガールズ	バベル	リトル・ミス・サンシャイン
The Leader：ディパーテッド
01/01
クィーン	ディパーテッド	ドリームガールズ*	硫黄島からの手紙	ユナイテッド93
12/01
クィーン	ディパーテッド	ドリームガールズ*	幸せのちから	ボルベール＜帰郷＞
11/01
クィーン	ディパーテッド	ドリームガールズ*	バベル	リトル・ミス・サンシャイン
10/01
リトル・チルドレン	ラストキング・オブ..	ドリームガールズ*	バベル	リトル・ミス・サンシャイン
09/01
リトル・チルドレン	ラストキング・オブ...	ドリームガールズ*	バベル	ユナイテッド93
08/01
さらば、ベルリン	ラストキング・オブ...	ドリームガールズ*	バベル	ユナイテッド93
07/01
さらば、ベルリン	ラストキング・オブ...	ドリームガールズ*	父親たちの星条旗	ユナイテッド93
06/01
さらば、ベルリン	ラストキング・オブ...	ドリームガールズ*	父親たちの星条旗	フィッツジェラルド劇場で
05/01
さらば、ベルリン	ディパーテッド	ドリームガールズ*	父親たちの星条旗	フィッツジェラルド劇場で
04/01
こわれゆく世界の中で	ディパーテッド	ドリームガールズ*	父親たちの星条旗	フィッツジェラルド劇場で

The Other Contenders　その他の有力候補　（01/20）
Very Possible
トゥモロー・ワールド Children of Men （ユニヴァーサル）	子どもが生まれない近未来を舞台にしたSFながら注目が集まるのは、独特の映像美で知られるアルフォンソ・キュアロンゆえ。撮影を中心に、米メディア絶賛。Win: COFCA、VFCC、CA、ICS
硫黄島からの手紙 Letters from Iwo Jima （ワーナー・ブラザース）	「硫黄島」二部作の一本。『父親たちの星条旗』よりも感情移入しやすい作り。いくら『星条旗』の評価を上回ったとしても、会員は米国人が多数。票割れは確実。Win: NBR、LAFCA、SDFCS
パンズ・ラビリンス Pan's Labyrinth （ピクチャーハウス）	独特の映像センスを持つギレルモ・デル・トロのホラー。メキシコ映画ながら本戦でも戦える力があるとの見方通り、2006年最高のレヴュー獲得。そうは言っても技術賞止まり？Win: NSFC、UKCF
ユナイテッド93 United 93 （ユニヴァーサル）	遂に登場した911ドラマ。臨場感溢れる作りに最大級の賛辞。テロ意識の強い会員の票は、迷わずここに。NYFCC、WFCA、DWFCA、PFCS、OFCC、UFCS、KCFCC、AFCA...
Possible
ボラット栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習 Borat　（ワーナー・ブラザース）	HBOのヒットコメディシリーズの人気キャラクターを主人公にしたモキュメンタリー。とにかく笑えるとコメディ好きのアメリカ人の心を鷲掴み、社会現象になる。でも、オスカーまでは、ねぇ？
父親たちの星条旗 Flags of Our Fathers （ドリームワークス）	会員の愛するクリント・イーストウッドが硫黄島の戦いを描く。日本側から描いた『硫黄島からの手紙』も製作。イーストウッド作品を３作連続でオスカー候補に挙げることに躊躇いは？興行的に不発。
ハーフネルソン Half Nelson （シンク・フィルム）	ドラッグ中毒の教師と生徒の交流を描く異色ドラマ。評論家大絶賛で、インディペンデント・スピリット賞候補は確実か。ライアン・ゴズリングに賛辞が集中。配給元は賞レースに弱い。Win: Gotham
リトル・チルドレン Little Children （ニューライン）	トム・ペロッタの小説を基に、郊外の住宅地で暮らす二組の夫婦が直面する危機を描く。好き嫌いがはっきり分かれる作りに、予測より評価伸びず。役者に注目が集中。Win: SFFCC、IFCA
あるスキャンダルの覚え書き Notes on a Scandal （フォックス・サーチライト）	生徒と関係を持つ美術教師と彼女にシンパシーを感じる教師を描くドラマ。ケイト・ブランシェットとジュディ・デンチの激突に観る前から震えが…。演出次第では嫌悪感を抱いてしまう内容かも。
サンキュー・スモーキング Thank You for Smoking （フォックス・サーチライト）	タバコ会社のスポークスマンの奮闘を描いたコメディ・ドラマ。トロント映画祭で配給会社による争奪戦勃発。キャストは地味目。脚色賞は有力だが、この部門で候補入りするパワーはない。
ボルベール＜帰郷＞ Volver （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）	タンゴの名曲「Volver」をモチーフにした、祖母、母、娘の３世代に渡るドラマ。カンヌ女優賞、脚本賞受賞。外国語映画賞スペイン出品作。出来映えが良くても、そちらに票が集中。Win: WFCC
Longshot
アポカリプト Apocalypto （タッチストーン）	マヤ語族の文化を背景にした作品。「パッション」はインディーズ映画史上最大のヒット作になったが、批評面ではイマイチだった。メル・ギブソンスキャンダルの影響。興行的にまずまずの成果。
ブラッド・ダイヤモンド Blood Diamond （ワーナー・ブラザース）	1999年内戦時のシエラレオネを舞台にダイヤの密輸業者を描くアクション・ドラマ。クセのないエドワード・ズウィックの演出が吉と出るか凶と出るか。賛辞は男優陣に集中。
ボビー Bobby （MGM、ワインスタイン・カンパニー）	1968年、ロバート・Ｆ・ケネディがホテルで狙撃された一夜の人々の思惑を描くアンサンブル劇。豪華スターが大挙出演。“2006年の「クラッシュ」”になることを期待されたが、評価はイマイチ伸びず。
輝く夜明けに向かって Catch a Fire （フォーカス・フィーチャーズ）	アパルトヘイト時代の南アフリカを舞台に警官と若い青年の関係を描くドラマ。フィリップ・ノイス入魂の一作との噂あり。ティム・ロビンスの助演男優賞候補が本命か。好評だが、絶賛評は皆無。
王妃の紋章 Curse of the Golden Flower （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）	唐王朝時代の皇帝と皇后をベースに、巨匠チャン・チーモウが中国映画史上最高額となる4,500万ドルをかけたアクション・アドヴェンチャー。外国語映画賞部門中国出品作。そちらに票が集中？
For Your Consideration （ワーナー・インディペンデント）	小さな映画が突如賞レースで注目されて大騒動…という賞に翻弄される人々を皮肉った内容。賞獲り合戦に辟易している会員の票が見込める？候補に挙がったらオモシロイ！
ヒストリーボーイズ The History Boys （フォックス・サーチライト）	オックスフォード、ケンブリッジに入学を志望する生徒が集まる男子校の「特進クラス」を描く人気舞台の映画化。舞台の映画化は簡単ではないが…。舞台版はトニー賞独占の快挙。
ハリウッドランド Hollywoodland （フォーカス・フィーチャーズ）	スーパーマン役者ジョージ・リーヴスの不可解な死の謎を追うミステリー。ハリウッドが長年温め、大物スターたちが出演を熱望した脚本が遂に映画化。賛辞はベン・アフレックとダイアン・レインに集中。
Infamous （ワーナー・インディペンデント）	トルーマン・カポーティを描く伝記ドラマ。…と思い出されるのは、前年好評を博した「カポーティ」。比較は避けられない。演じる役者は先行作品よりスター揃い。評価まずまずだが興行的に惨敗。
インランド・エンパイア Inland Empire （518メディア）	「マルホランド・ドライブ」から５年。デヴィッド・リンチ極秘プロジェクトとして進行していた企画。久々にローラ・ダーンを主演に迎えて、LAでトラブルに巻き込まれる女性を描く。またしても迷宮へ…。
ラストキング・オブ・スコットランド The Last King of Scotland （フォックス・サーチライト）	70年代、ウガンダの独裁政権とそこで働く医師の関係を描くドラマ。最近のオスカーは政治が絡んだ映画がお好き。監督はドキュメンタリー作家の印象が強い。フォレスト・ウィテカーに注目が集中？
ミス・ポター Miss Potter （ワインスタイン・カンパニー）	「ピーター・ラビット」の生みの親、ビアトリクス・ポターの人生を描いたドラマ。アニメーションによって処理された映像も登場する予定。オスカーは伝記ドラマが大好き。レニー・ゼルウィガーも大好き。
ペインテッド・ヴェールある貴婦人の過ち The Painted Veil （ワーナー・インディペンデント）	サマセット・モームの原作を基に、コレラが蔓延する20年代の中国で生きる医師とその妻の物語を紡ぐ。エドワード・ノートンとナオミ・ワッツが共演する話題性。３度目の映画化。BIG BOMB?
今宵、フィッツジェラルド劇場で A Prairie Home Companion （ピクチャーハウス）	人気ラジオショウの生中継現場で起こる騒動を描くコメディ。前年名誉賞を受けたロバート・アルトマンが監督。彼らしい群像劇。…となると、脚本賞の方が有力。「a good movie, but not great」。
幸せのちから The Pursuit of Happyness （コロンビア）	子連れホームレスという貧しい生活から抜け出し大金持ちのブローカーになった男を描く実話ドラマ。アメリカが愛するサクセスストーリー。娯楽色が強くなり過ぎる可能性あり。賞より大ヒット狙い？
主人公は僕だった Stranger Than Fiction （コロンビア）	自分だけに聞こえる声があることに気づく男を描いた風変わりな喜劇。「トゥルーマン・ショー」的な奇想天外な世界が炸裂しているが、案外独創性に欠ける？脚本賞止まりと見るのが妥当。
ヴィーナス Venus （ミラマックス）	ヴェテラン俳優とティーンエイジャーの交流を描いたイギリス製ドラマ。トロント映画祭では主演のピーター・オトゥールの演技が大絶賛された。票はオトゥールに集中すると思われ…。
ワールド・トレード・センター World Trade Center （パラマウント）	実話を基に、911、崩落する貿易センタービルに救出に向かう刑事ふたりを描くドラマ。絶不調オリヴァー・ストーン監督作ということで心配されたが、批評はまずまず。興行的にも及第点。Win: HFF
Good Review, but not Oscar-Type
カーズ Cars （ディズニー）	今映画界で最も信頼されているピクサー作品。。質も興行的成功も保証つき。車を主人公にしたアドヴェンチャーもの。アニメーション映画賞候補は確実。ピクサーのベストではない。
プラダを着た悪魔 The Devil Wears Prada （20世紀フォックス）	ローレン・ワイズバーガーの原作を映画化するコメディ・ドラマ。憧れの雑誌編集者になるものの上司は嫌な女で…というストーリーはオスカー好みとは言えず。メリル・ストリープ先生の演技が絶賛。
幻影師アイゼンハイム The Illusionist （ユニヴァーサル）	エドワード・ノートンが奇術師に扮して観客に魔法をかける。サマーシーズン公開に封切られ、口コミで人気拡大。娯楽的要素が強いのが難だが、会員にも魔法をかけられれば…。
インサイド・マン The Inside Man （ユニヴァーサル）	銀行強盗の人質になった刑事の反撃を描く犯罪ドラマ。スパイク・リーとデンゼル・ワシントンは４度目のコンビ作品。そこにジョディ・フォスターとクライヴ・オーウェンが絡む。高評価＆大ヒット！
プレステージ The Prestige （タッチストーン）	ロンドンを舞台に火花を散らすマジシャンふたりの対決を描くアクション・ドラマ。クリストファー・ノーランによるトリッキーな演出が楽しめそう。エンターテイメント要素い。技術部門中心になりそう。
スーパーマンリターンズ Superman Returns （ワーナー・ブラザース）	スーパーマンが帰ってくる！紆余曲折を経て、遂に仕上げたのはブライアン・シンガー。新スーパーマンに新人ブランドン・ラウス。独立記念日に沸くアメリカに立ち上がる！大ヒットこそ彼らのオスカー。
Bad Review
オール・ザ・キングスメン All the King's Men （コロンビア）	オスカー３部門受賞作（49年）のリメイク。実力派演技陣により権力に溺れた男の栄光と没落を描く。莫大に膨れ上がった製作費に追い討ちをかける、評論家からの袋叩き。ラジー賞カモン！
こわれゆく世界の中で Breaking and Entering （ワインスタイン・カンパニー）	若いイスラム教徒に出会ったロンドンの建築家が新しい人生を見つける物語。出演者は実力派揃い。アンソニー・ミンゲラ監督とジュード・ロウのコンビ作。この組み合わせはもう飽きたのでは？
さらば、ベルリン The Good German （ワーナー・ブラザース）	ジョゼフ・カノン原作を全編モノクロで撮影。強力監督と強力俳優が集まった作品だが、実験的な仕上がりになる危険。ロマンス色が強いという噂あり。批評家には叩かれ、興行的にも不発。
グッド・シェパード The Good Shepherd （ユニヴァーサル）	冷戦時代、大学卒業後CIAに入った青年の人生を描くスリラー。ロバート・デ・ニーロが久々にメガホンを執ることでも話題。マット・デイモンら旬のスターが揃う話題性。冗長で退屈との声、声、声…。
マリー・アントワネット Marie Antoinette （コロンビア）	「ロスト・イン・トランスレーション」で旋風を巻き起こしたソフィア・コッポラがあのマリー・アントワネットを手掛ける。絢爛豪華な世界を構築。賛否両論に割れる。衣装デザイン賞、美術賞を目指そう。

No Chance　チャンスなし　（01/01）
ドリームズ・カム・トゥルー Akeelah and the Bee （ライオンズゲイト）	アメリカン・ドリームズ American Dreamz （ユニヴァーサル）
American Gun （IFCフィルムズ）	アート・スクール・コンフィデンシャル Art School Confidential （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）
Ask the Dust （パラマウント・ヴァンテージ）	ブラック・ダリア The Black Dahlia （ユニヴァーサル）
ダ・ヴィンチ・コード The Da Vinci Code （コロンビア）	アメリカ，家族のいる風景 Don't Come Knocking （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）
ダウン・イン・ザ・バレー Down in the Valley （シンク・フィルム）	ファーストフード・ネイション Fast Food Nation （フォックス・サーチライト）
コネクションマフィアたちの法廷 Find Me Guilty （フリースタイル・リリーシング）	ファウンテン永遠につづく愛 The Fountain （ワーナー・ブラザース）
フリーダムランド Freedomland （コロンビア）	毛皮のエロスダイアン・アーバス幻想のポートレイト Fur: An Imaginary Portrait of Diane Arbus （ピクチャーハウス）
プロヴァンスの贈りもの A Good Year （20世紀フォックス）	理想の女 A Good Woman （ライオンズゲイト）
シティ・オブ・ドッグス A Guide to Recognizing Your Saints （ファースト・ルック）	ホリデイ The Holiday （コロンビア）
キング罪の王 The King （シンク・フィルム）	レディ・イン・ザ・ウォーター Lady in the Water （ワーナー・ブラザース）
もしも私が大統領だったら… Man of the Year （ユニヴァーサル）	マンダレイ Manderlay （IFCフィルムズ）
ミセス・ハリスの犯罪 Mrs. Harris （HBO）	マリア The Nativity Story （ニューライン）
The Night Listener （ミラマックス）	ポセイドン Poseidon （ワーナー・ブラザース）
ハサミを持って突っ走る Running with Scissors （コロンビア）	恋愛睡眠のすすめ The Science of Sleep （ワーナー・インディペンデント）
タロットカード殺人事件 Scoop （フォーカス・フィーチャーズ）	レッスン！ Take the Lead （ニューライン）
Winter Passing （フリースタイル・リリーシング）

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