| Final Predictions | |||||||||||||||||||
| ケイト・ブランシェット | ジュリー・クリスティ | マリオン・コティヤール | ローラ・リニー | エレン・ペイジ | |||||||||||||||
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| ○ | ◎ | △ | |||||||||||||||||
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実力のある女優がズラリ並んだ主演女優賞部門だが、『マイティ・ハート 愛と絆』のアンジェリーナ・ジョリーや『魔法にかけられて』のエイミー・アダムスの落選が大いに嘆かれている。2007年上半期から混戦が伝えられていた部門ゆえ、仕方がないのかもしれない。 ただ、『エリザベス：ゴールデン・エイジ』のケイト・ブランシェットのノミネートには首を傾げる媒体も少なくない。対象作の出来映えがラジー賞ものとの声が挙がっているのが最大の要因。ブランシェットは今回『アイム・ノット・ゼア』と合わせてWノミネートを達成しているが、それゆえブランシェットの「快挙」を手放しで讃えている媒体は多くない。最近ではジュリアン・ムーア（「エデンより彼方に」「めぐりあう時間たち」02年）、ジェイミー・フォックス（「コラテラル」「Ray レイ」04年）がWノミネートされ、その快挙が大いに讃えられたが、彼らとは大分違う取り上げられ方になっている。当然受賞も、まずない。ブランシェットが受賞するなら『アイム・ノット・ゼア』になる。 レースは『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』のジュリー・クリスティ、『エディット・ピアフ 愛の賛歌』のマリオン・コティヤール、『JUNO ジュノ』のエレン・ペイジの三つ巴と言われている。 ただ、クリスティがゴールデン・グローブ賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞、アメリカ映画俳優組合賞の重要３賞を受賞して頭ひとつ抜け出していると言って良いだろう。「アフターグロウ」（97年）以来10年ぶりのオスカーレース参戦となる大ヴェテランは、「ダーリング」（65年）で既にこの部門を制覇している、誰もが認める名女優。対象作では認知症の女性の苦悩を静かな佇まいの中に鮮やかに浮かび上がらせていると評判で、一昨年（昨年ではない）のトロント映画祭で作品が初公開されたときから「オスカー確実」の声が一切途切れなかった。前回の受賞から42年も経っていて、これならば会員がクリスティに票を投じるのに躊躇うこともなさそうだ。 ただ、昨年受賞したのが、やはりヴェテランのヘレン・ミレンだったのが少々気にかかるところで、反動で若手に票が行くことも考えられるのではないか。そうするとコティヤールとペイジにもチャンスが出てくるはずだ。コティヤールが演じたのは世界的に評価を得たシャンソンシンガー、エディット・ピアフで、ピアフの魂が乗り移ったような演技は迫力満点だった。ペイジは予期せぬ妊娠に戸惑う16歳の少女を演じてのノミネート。スマートなセリフを完璧に自分のものしたウィットに富んだパフォーマンスと評判で、やはり評価は極めて高い。ふたりの逆転の可能性も決して低くないだろう。ただし、コティヤールはフランス人女優である点、ペイジは授賞式の時点で21歳と若いという点がマイナスに働くはず。このふたりならば「熱演が伝わりやすい」もろオスカー好みのパフォーマンスであるコティヤールに分があると思うのだが…。 『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』のローラ・リニーはサプライズ候補と言われている。重要３賞ではノミネートすらされていなかったからだ。しかし、リニーにも若干ながらチャンスは残されていると思う。「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」（00年）「愛についてのキンゼイ・レポート」（04年）でも候補に挙がっていて、これが３度目のノミネートというのがポイントだ。功労賞的な意味合いの票が入ることが考えられる。尤も、それでも上位陣を打ち崩すのは難しいだろう。 やはりクリスティ、コティヤール、ペイジの中から受賞者が出ると考えるのが自然だろう。ヴェテランの健闘が予想される今年のオスカーでその流れに乗っているのはクリスティ。普通に考えれば彼女が本命だ。しかし、本命ばかりが受賞するオスカーはつまらない。非英語圏俳優の希望の星、コティヤールに一票。 |
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