| Final Predictions | |||||||||||||||||||
| エイミー・アダムス | ペネロペ・クルス | ヴィオラ・デイヴィス | タラジ・Ｐ・ヘンソン | マリサ・トメイ | |||||||||||||||
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| ○ | ◎ | △ | |||||||||||||||||
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助演女優賞部門は今年もまた波乱が起きそうな気配がある。前哨戦中盤に来て最も勢いをつけていた『愛を読むひと』のケイト・ウィンスレットが主演女優賞部門に入り、混沌模様を呈してきたからだ。ウィンスレットはこの部門で候補に挙がっていたら、容易く受賞しただろうに…。 ウィンスレットが追い上げを見せる前までは『それでも恋するバルセロナ』のペネロペ・クルスの独走状態だった。オスカーで評価されやすいウッディ・アレン監督作でセクシーで奔放な女性を演じたクルスは、カンヌ映画祭で初公開されたときから圧倒的なBUZZをキープ、そのままあっさりノミネーションを手にした。重要映画賞ではナショナル・ボード・オブ・レヴュー賞、ニューヨーク、ロサンゼルス、ボストンの各批評家賞を次々獲得。そのままオスカー受賞まで突っ走りそうな勢いだった。ところが、前哨戦中盤になって突然ウィンスレットに注目を奪われてしまう。クルスのBUZZも急激に下降してしまった。そのウィンスレットがいない。それならばクルスに決まりだろうという向きもある。だがしかし、一旦下降したBUZZを再び上昇させるのは難しいものだ。それは大スターであるクルスとて例外ではない。会員はもっと注意深く他の候補者にも目を向けることだろう。現時点での最有力は彼女に違いないが、安泰とは到底言えない。 そう、気がつけばすぐ後ろに『ダウト あるカトリック学校で』のヴィオラ・デイヴィスが接近してきている。虐待された子どもの母親を演じたデイヴィスはハリウッドではまだ知名度が低く、出演時間は極僅かなのだが、それでもなおここに来て勢いをつけている。その迫力ある演技はメリル・ストリープも完敗と言われるほどで、助演演技の決定版のようなレヴェルにあるという。クルスを喰ってしまっても不思議ではないだろう。ただ、デイヴィスは同じ作品から候補に挙がっているエイミー・アダムスとの多少の票割れが心配だ。ひょっとすると同じアフリカ系である『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のタラジ・Ｐ・ヘンソンにも票を奪われるかもしれない。それを上回るBUZZを感じなくもないのだが…。 怖いのは『レスラー』のマリサ・トメイだ。復活ミッキー・ロークを支えるストリッパー役はもろオスカーの好み。しかも彼女は会員のお気に入りだ。ラスヴェガスを始めとする批評家賞でも予想以上の強さを発揮していて、大逆転しても何の不思議もない。引っ掛かるのは彼女が既にこの部門を征していることである。もう受賞しているのだからそれで良しとする向きがあってもおかしくないだろう。ただ、受賞したのはもう16年も前のこと。会員も２回目の戴冠にさほど抵抗はないのではないかという気もする。 アダムスは候補に挙がったことこそ勝利である。『ダウト』ならば、デイヴィスが圧倒的に有利のはずだ。同じくヘンソンもノミネートこそが勝利と言える。アフリカ系ならばデイヴィスに票は流れるだろう。ただし、どちらも受賞の可能性は決してゼロではない。アダムスは役柄の大きさが最大の強みで、ひょっとすると受賞を逃がした「Junebug」（05年）や大ヒット作「魔法にかけられて」（07年）の演技も考慮に入れられるかもしれない。ヘンソンは対象作が唯一作品賞候補に挙がっているのがプラス。作品支持票がここに集中するという見方もある。 普通に考えればクルスが来るだろう。主演も張れるスター女優は助演部門でとても強いのだ。キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ、レニー・ゼルウィガー、レイチェル・ワイズらがこのパターン。だが、デイヴィスも負けてはいない。ひょっとすると彼女は、数分の出演時間でオスカー像をさらっていった「恋におちたシェイクスピア」（98年）のジュディ・デンチのパターンにピタリとハマるのではないか。大接戦と言って良い面白い部門である。 |
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