Column コラム
| アカデミー賞に関する管理人の雑文です。 |
| last update: December 11, 2010 |
| ■ゴールデン・グローブ賞 ノミネーション予想 （2010.12.11） | |||||||||
| ゴールデン・グローブ賞は近年、その影響力の低下が囁かれています。ドラマ部門の作品賞を受賞するのが、オスカー作品賞受賞の近道と言われたこともありましたが、過去10年では「アバター」（10年）「つぐない」（08年）「バベル」（06年）「アビエイター」（04年）「めぐりあう時間たち」（02年）が同部門を征しながら、オスカーを受賞することはできませんでした。ミュージカル／コメディ部門だと、受賞してもオスカーで候補にすら挙がれないことも多くありません。しかし、それでもなおゴールデン・グローブ賞は愛されています。部門が多く、TVスターも登場することから、アカデミー賞よりも豪華なメンバーが集まることも多いからでしょう。伝統ある華やかな祭典であることは間違いないのです。さて、今年も全く深く考えず、主要８部門のノミネート予想をしてみました。
ゴールデン・グローブ賞は外国映画記者協会のメンバーにより選ばれます。彼らはスターに最も近い一般人…と言って良いかもしれません。作品が公開される度にスターと遭遇する彼らは、どうしてもスターパワーの強い俳優たちに票を投じたくなる傾向にあるようです。したがってインディーズ映画で注目された若手俳優が候補に挙がるのは、批評家賞よりも難しいはずです。でも、それがまたゴールデン・グローブ賞の面白いところ。全部の賞が同じようなメンバーでは退屈ですから。 毎度のことながら、予想が面白いのはミュージカル／コメディ部門。オスカーでは名前の挙がりそうにないスターを大胆にピックアップできるからです。今年だとジョニー・デップ、ザック・ガリフィアナキス、エマ・ストーンといったあたり。ひょっとすると、人気シンガーのクリスティーナ・アギレラのチャンスも、想像以上に大きいかもしれません。そう言えば昔、マドンナが「エビータ」（96年）でミュージカル／コメディ部門の主演女優賞を受賞していました。 ちょっと予想がし難いのは、ドラマ部門に入るのかミュージカル／コメディ部門に入るのか、分からない作品があること。『家族の庭』『食べて、祈って、恋をして』『Get Low』あたりはどちらに入ってもおかしくない映画です。これによりノミネートの運命も決まることが考えられるのも、この賞の楽しいところです。 皆さんも気楽に、遊び気分で予想してみてはいかがでしょう？ |
| ■８月までに公開された作品の中でオスカーの可能性があるのは…？ （2010.09.01） | ||||||
| サマーシーズンが終わると、ハリウッドでは急にあることの話題が増え始めます。あることとはもちろんアカデミー賞。その年の頂点に立つ映画は何か。各映画会社は己の作品をその座に送り込もうと、オスカーを狙って猛烈なキャンペーンを始めるのです。例えば、９月に開かれるトロント国際映画祭は話題作りに最も適した場として、多くの作品が実際の公開日よりも随分前にワールドプレミアを開き、その存在をアピールします。それだけの価値があると、ハリウッドがアカデミー賞を重要視している証でしょう。 授賞式が２月に開かれるようになり、スケジュールが前倒し傾向にあるからでしょうか、オスカー候補に挙がる作品は９月以降に封切られるばかりではなくなってきました。夏までに公開された作品に光が当てられることも多くなってきたのが、最近の傾向のひとつです。例えば、前回作品賞に輝いた『ハート・ロッカー』は６月下旬に封切られました。主要部門に絡んだ『第９地区』『イングロリアス・バスターズ』『カールじいさんの空飛ぶ家』『ジュリー＆ジュリア』も夏までに公開されました。DVDキャンペーンが有効なこともあり、９月以降に封切れば良いというものではないのです。もちろん投票者であるオスカー会員たちも、そのことは重々承知のはずです。 では、今年はここまでどんな作品が支持されたのでしょうか。今回は第83回アカデミー賞（主要６部門）が９月上旬に開かれたとしたらどうなるか考えてみました。対象は今年の１月から８月までに公開された作品となります。もちろん違う意見の方も多いでしょうが、それほど大差ないはずです。なお、作品賞は10作品が候補に挙がりますが、時期が短いため５作品に絞ってあります。
昨年から作品賞候補が10枠に広がりました。それによりサマーシーズンに封切られるようなエンターテイメント大作のチャンスがより大きくなりました。今年その恩恵を最も受けることを期待されているのは『インセプション』です。クリストファー・ノーラン監督は『ダークナイト』で絶賛評を勝ち取りながら、オスカーで作品賞・監督賞のノミネートを逃がしました。会員もそのことを覚えているはず。演技賞ノミネートは厳しいかもしれませんが、今回作品賞・監督賞でWノミネートを受ける可能性は低くないように見えます。果たして…。 さて、この中から誰が勝ち抜けるでしょうか（* はその可能性が低くないコンテンダーです）。 |
Past Report -83rd Annual Academy Awards-