Predictions -Best Supporting Actor-

Predictions -Best Supporting Actor-

助演男優賞

受賞予想（2/20）

Final Predictions

ケネス・ブラナー

ジョナ・ヒル

ニック・ノルティ

クリストファー・
プラマー

マックス・
フォン・シドー

△

◎

○

OSCAR PLANET Prediction		クリストファー・プラマー（人生はビギナーズ）
General Prediction		クリストファー・プラマー（人生はビギナーズ）
My Hope		クリストファー・プラマー（人生はビギナーズ）

　助演男優賞部門は、どういうわけだかある程度のキャリアを持ったヴェテラン俳優が強い傾向にある。若手はノミネートの段階からバサバサ切られていく。意識的ではないだろうが、功労的意味合いの票が入り込み易い。少なくとも、主演部門よりそう見える。長らく俳優人生を踏ん張ってきた者が勝利を収める絵が感動を呼び起こす。そして、今年その条件を完璧に満たしているのが『人生はビギナーズ』のクリストファー・プラマーだ。

　プラマーと言ったら「サウンド・オブ・ミュージック」（65年）のトラップ大佐役だろう。ジュリー・アンドリュース主演のミュージカルは、アメリカ映画史に輝く名作として、今の時代もなお人々を魅了している。ただ、プラマー自身の俳優人生が順風満帆だったかと言うと、やや疑問の残るところかもしれない。中年期はB級映画やTVでの活動が目立ち、さほど存在感は認められなかった。しかし、確かに演技力は磨かれてきたのだろう。いつの間にかそれがハリウッドへ浸透、映画界でも次々声がかかり始め、今や最も忙しい老俳優の座を獲得している。特に「インサイダー」（99年）を境に急激に評価を高めた感がある。

　オスカーとは縁がなかった。「サウンド・オブ・ミュージック」でも「インサイダー」でも候補に挙がらなかった。初ノミネートは「終着駅トルストイ最後の旅」（09年）まで待たなければならなかった。だが、今やそれも笑い話になろうとしている。『人生はビギナーズ』でゲイをカミングアウト、その後体調を崩す老いた父親役で軽妙な味を存分に披露。2011年の賞レースを快走した。ブロードキャスト映画批評家協会賞、ゴールデン・グローブ賞、アメリカ映画俳優組合賞の重要３賞をコンプリート受賞しているのも頼もしい。

　賞レースのプラマーのライヴァルは「ドライヴ」のアルバート・ブルックスだった。だが、おそらく作品自体を受けつけられない会員が多かったのだろう、ブルックスは候補漏れしてしまう。ブルックスには気の毒だが、これによりプラマーはまた一歩勝利へと近づいた。

　『マネーボール』の若手ジョナ・ヒルはプラマーのキャリアに太刀打ちできないだろうし、立派なキャリアを持っている『マリリン７日間の恋』のケネス・ブラナーや『ウォーリアー』のニック・ノルティでさえも、プラマーの功績には届かないと見るのが妥当だ。

　もしプラマーの受賞を脅かす者がいるとするなら、それはマックス・フォン・シドーだろう。プラマーより10カ月早く生まれた82歳が、オスカーで突然の浮上、サプライズノミネートを果たした。ハリウッドでも長らく活躍していて、「ペレ」（87年）により主演男優賞候補に挙がったこともある。プラマーの対抗馬として申し分ない俳優だ。尤も、彼はスウェーデン出身だ。加えて対象作の『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』は作品賞候補に失笑が漏れるほどに評価は芳しくない。さすがにプラマーを追い越してオスカー像に辿り着くのは難しいはずだ。

　番狂わせは起きそうにない。プラマーが遂にオスカー俳優になる。会場は彼の受賞をスタンディングオヴェーションで迎える。そして、映画ファンはそれに涙する。

**Prediction Chart**
		％	Final	2/16	2/11	2/6	2/1	1/26
1	クリストファー・プラマー『人生はビギナーズ』	50	1	1	1	1	1	1	本命
2	マックス・フォン・シドー『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』	35	2	2	2	3	4	5	対抗
3	ケネス・ブラナー『マリリン７日間の恋』	5	3	3	3	2	2	2	Happy to be Nominated
4	ジョナ・ヒル『マネーボール』	5	4	4	4	4	3	3
5	ニック・ノルティ『ウォーリアー』	5	5	5	5	5	5	4

**List of Marks**
ケネス・ブラナー『マリリン７日間の恋』	演技部門で候補に挙がるのは二度目（＋）	2.0
	監督賞や短編賞でも候補経験のある才人（＋＋）
	全くタイプの違うローレンス・オリヴィエ役を優雅にこなす（＋＋）
	前哨戦はほとんどノミネート止まり（－）
	支持が多いはずの英国アカデミー賞を逃がす（＊）
	未だにエマ・トンプソンとのカップルぶりの印象が強い…（＊）
	今年はクリストファー・プラマーの年ですから（－）
ジョナ・ヒル『マネーボール』	もちろん初ノミネーション。キャリアアップ！（＋）	2.0
	ブラッド・ピットのスター映画でキラリ光る存在感（＋＋）
	イメージを大幅に変える。オスカーは「変化」が大好き（＋＋）
	ちゅーか、これまではティーン映画ばかりだった（－）
	若手俳優が浮上するのは難しい部門（－）
	いくらなんでも急激に痩せ過ぎ。身体に悪いって！（＋－）
	今年はクリストファー・プラマーの年ですから（－）
ニック・ノルティ『ウォーリアー』	３度目のノミネート。そろそろ獲っておかないと！（＋）	2.0
	地味にサンディエゴ映画批評家協会賞を受賞（＋）
	対立する兄弟の父親役で強い印象を残す（＋＋）
	対象作からは彼のみノミネート。支持票が集中（＋）
	でもそれって作品人気が足りないってことなのでは？（－）
	彼よりもヴェテランがふたりもノミネート。今年もチャンスは…（－）
	今年はクリストファー・プラマーの年ですから（－）
クリストファー・プラマー『人生はビギナーズ』	二度目のノミネート。そして受賞経験なし（＋＋＋）	8.0
	カミングアウトする父親役をしみじみと味わい深く（＋＋＋）
	対象作だけでなく、これまでの全ての演技を総合的に評価（＋）
	彼が受賞していないのはオスカー七不思議のひとつ（＋）
	ヴェテランが強い部門だしね（＋）
	マックス・フォン・シドーの存在だけが不気味（－）
	そうです、遂にあなたが主役になる年です！（＋＋＋）
マックス・フォン・シドー『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』	セカンドノミネーション。ハリウッドに欠かせない名優（＋）	5.5
	沈黙の演技でシーンスティラーとして輝く（＋＋＋）
	対象作は酷評優勢の評価に終わっている（－）
	彼自身も前哨戦で無視されてしまった（－）
	それでも候補に挙がったのは、彼の評価が高いから（＋＋）
	スウェーデン俳優という点がマイナスになりそう（＊）
	今年はクリストファー・プラマーの年…にはならない？（＋＋）

The Five Nominees　ノミネート男優　［I guessed 4/5］
ケネス・ブラナー　Kenneth Branagh
	マリリン７日間の恋（ワインスタイン・カンパニー）
	Oscar Experience 2 noms / 0 win
	Precursors LFCC
	実に22年ぶりの演技賞ノミネートを果たした英国の重鎮が挑んだのは、あのローレンス・オリヴィエ役。ミシェル・ウィリアムスが扮したマリリン・モンロー役に劣らない難役だ。なにしろ役者としての資質がまるで異なる。前哨戦結果を見る限り受賞は難しいだろうが、英国俳優会員票を独り占めする可能性は低くない。
ジョナ・ヒル　Jonah Hill
	マネーボール（コロンビア）
	Oscar Experience first nomination!
	Precursors None
	オスカー向きの俳優ではない。これまで出演してきた作品はティーン向けのドタバタコメディが中心だ。加えて、オスカーは喜劇役者に厳しい。アルバート・ブルックスも撃沈した。それを跳ね除けてのノミネートは、これまでのイメージを一新する挑戦が認められたからに違いない。ブラッド・ピットの勝利をサポートする。
ニック・ノルティ　Nick Nolte
	ウォーリアー（ライオンズゲイト）
	Oscar Experience 3 noms / 0 win
	Precursors SDFCS
	タフなイメージが付きまとうが、その演技は極めて繊細だ。心の機微を丁寧に吸い取る術に長けていて、だからこそ長年に渡ってハリウッドで愛されている。格闘シーンで対決する兄弟の父親役で、やはり場をさらう演技を披露。息子たちは賞レースから無視されたが、父は勝ち残った。息子たちの分まで！
クリストファー・プラマー　Christopher Plummer
	人生はビギナーズ（フォーカス・フィーチャーズ）
	Oscar Experience 2 noms / 0 win
	Precursors SAG、BAFTA、GGA、ISA、NBR、BFCA、LAFCA、IFJA、DFCS、DFFCA、SFCA、UFCA...
	これが二度目のノミネートとはオスカーのジョークにもならない。生きる伝説は近年ますます精力的に活動。ゲイをカミングアウトする父親役によるさすがの妙演で夏のアメリカを魅了した。彼の映画を観ることはアメリカの映画史を知るということ。会場はスタンディング・オヴェーションで彼の勝利を迎える。
マックス・フォン・シドー　Max von Sydow
	ものすごくうるさくて、ありえないほど近い（パラマウント）
	Oscar Experience 2 noms / 0 win
	Precursors None
	まもなく83歳を迎えるスウェーデン人俳優は、ハリウッドでも知らぬ者のいない名バイプレイヤー。対象作では、言葉を発することなく、その情感を雄弁に語る演技が大きな話題を呼んだ。シーンスティラーという言葉が今年最も相応しい人かもしれない。大逆転ノミネートで、安泰と思われたプラマーを脅かす。

ranking

キャンペーンパワー　11/12/1～12/1/25			前哨戦ポイント　-2/26-
1	ケネス・ブラナー	213 p	1	クリストファー・プラマー	176.0 p
2	ジョナ・ヒル	159 p	2	ケネス・ブラナー	83.5 p
3	クリストファー・プラマー	115 p	3	ジョナ・ヒル	77.0 p
3	ニック・ノルティ	35 p	4	ニック・ノルティ	70.5 p
5	マックス・フォン・シドー	12 p	5	マックス・フォン・シドー	58.0 p

対象作の興行収入　-2/20-			対象作の評価 rating
1	ジョナ・ヒル	$75m	1	ジョナ・ヒル	90.2 p
2	マックス・フォン・シドー	$30m	2	クリストファー・プラマー	79.5 p
3	ケネス・ブラナー	$13m	3	ニック・ノルティ	77.7 p
4	ニック・ノルティ	$13m	3	ケネス・ブラナー	76.3 p
5	クリストファー・プラマー	$5m	5	マックス・フォン・シドー	53.4 p

ノミネート予想（1/21）

Final Prediction

　最近の助演男優賞はひとりの俳優の独走状態が続いていたが、今年はヴェテランふたりの激突の様相を呈している。そのふたりとは『ドライヴ』のアルバート・ブルックス、『人生はビギナーズ』のクリストファー・プラマーだ。

　特にブルックスは前評判以上の強さを発揮している。ニューヨーク映画批評家協会賞を征したのを皮切りに、地方の批評家賞を続々受賞、素晴らしい結果を残している。最も重要なアメリカ映画俳優協会賞（SAG）からまさかの候補漏れを喫したが、オスカー候補落ちを心配することはないと思われる（ただし、絶対ではない）。プラマーはそのSAGもきっちり押さえ、ナショナル・ボード・オブ・レヴュー賞やロサンゼルス映画批評家協会賞を受賞。磐石の態勢でオスカー獲りに挑む。

　ブルックスを差し置いてSAG、ゴールデン・グローブ賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞候補に挙がったのは『マリリン７日間の恋』のケネス・ブラナーだ。あのローレンス・オリヴィエを演じる話題性、主演女優ミシェル・ウィリアムスの勢いを考えれば、ノミネートまでは問題ないように思える。基本的にオスカー好みの役者でもある。

　残り２枠が難しい。『Ｊ・エドガー』のアーミー・ハマー、『マネーボール』のジョナ・ヒル、『危険なメソッド』のヴィゴ・モーテンセン、『ウォーリアー』のニック・ノルティ、『ヤング≒アダルト』のパットン・オズワルト、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のマックス・フォン・シドーらが重要３賞にノミネートされ、凌ぎを削っている。

　誰が来てもおかしくないが、モーテンセン、オズワルトはBUZZ不足、シドーは作品の低評価が気にかかる。…となるとハマー、ヒル、ノルティが残るが、こういう僅差の戦いではマイナス要因が少ない方が来ることを考えると、ハマーは不利かもしれない。対象作の低評価に足を引っ張られるのではないか。主演のレオナルド・ディカプリオ共々、非常に微妙なポジションにいる。

　サプライズがあるとするなら『ヒューゴの不思議な発明』のベン・キングスレーか『ミッドナイト・イン・パリ』のコリー・ストールではないか。どちらも前哨戦では目立っていないが、作品賞候補が有力視される作品の中で、極めて強い印象を残していると評判。特にキングスレーはキャリアや知名度を考慮すると、大逆転候補もあり得ない話ではないと思う。

OSCAR PLANET Prediction
ケネス・ブラナー（マリリン７日間の恋）	Likely
アルバート・ブルックス（ドライヴ）	Likely
ジョナ・ヒル（マネーボール）	Shaky
ニック・ノルティ（ウォーリアー）	Shaky
クリストファー・プラマー（人生はビギナーズ）	Lock
The Runner-up
マックス・フォン・シドー（ものすごくうるさくて、ありえないほど近い）	Shaky

The Five Frontrunners　フロントランナー（５名）　（1/21）
Lock
クリストファー・プラマー Christopher Plummer （人生はビギナーズ） Win: SAG、BAFTA、GGA、ISA、NBR、BFCA、LAFCA、IFJA、DFCS、DFFCA、SFCA、UFCA、COFCA、KCFCC、NTFCA、DFCS2、IFCA、TFCA、VFCC、OFCS、IWFCP	遂にオスカー候補に挙がった大御所。息子にゲイであることを告白する父親役。病魔と闘うという設定はオスカー好み。余裕ですよ、余裕。 ~~Weak Point~~ 「終着駅トルストイ最後の旅」でノミネートされるまで、ずっと無視されてきた。ここに来てノミネートが続く？…という心配はする必要なし。アルバート・ブルックスがSAG候補落ちして、受賞に近づく。
Likely
ケネス・ブラナー Kenneth Branagh （マリリン７日間の恋） Win: LFCC	マリリン・モンローと「王子と踊子」を撮影する伝説的名優ローレンス・オリヴィエ役。オリヴィエの使用人の目から見た物語ゆえ、見せ場も多い？ Weak Point ウィリアム・シェイクスピア専門俳優の匂いがつき過ぎたせいか、堅苦しいイメージがなかなか取れない人。それに引っ張られるように最近は不調だった。ミシェル・ウィリアムスの勢いに乗っかりたい。
アルバート・ブルックス Albert Brooks （ドライヴ） Win: GSA、NSFC、NYFCC、BSFC、CFCA、LVFCS、WFCA、SFFCC、HFCS、SLFCA、FFCC、OFCC、PFCS、AFCA、NFCS、NYFCO、AAFCA、BFCC	「ブロードキャスト・ニュース」で候補経験のあるクセモノ。このところ静かだったキャリアが一気に華やかに？カンヌでシーンスティラーとして絶賛。 Weak Point 長らく活動してきたヴェテランが強い部門。なんとか「2011年最大のカムバックスター」の称号を手に入れたいが…。対象作はアクション要素満載の作品。賞に相応しくないと思われる危険あり。
Shaky
ジョナ・ヒル Jonah Hill （マネーボール）	ジャド・アパトウ映画を始めとするコメディで頭角を現してきたオデブスター。体重はたっぷりでもユーモアは軽妙。ブラッド・ピットのアシスタント役。 Weak Point これまでのイメージを一新する役柄に挑戦、見事高評価を獲得したが、彼にそういうのを求めているハリウッド人は少ないかも。最近すっかり痩せてしまって…デブだった方が良かったのに！？
ニック・ノルティ Nick Nolte （ウォーリアー） Win: SDFCS	二度のノミネート経験を持つマッチョスター。主人公の格闘家兄弟のアルコール中毒の父親を演じる。トム・ハーディの父親役とは…合っているかも！？ Weak Point しみじみと良い味わいを醸し出していると、久しぶりの高評価を獲得しているが、オスカー好みの内容ではない上、興行的にもインパクトを残せず。マグショットが未だにからかわれ続けるのは…。

ノミネーション予想これまでの流れ 2011　（Changes in Red）
Final
ジョナ・ヒル	ケネス・ブラナー	クリストファー・プラマー*	ニック・ノルティ	アルバート・ブルックス
The Leader：クリストファー・プラマー
マックス・フォン・シドー	ケネス・ブラナー	クリストファー・プラマー*	ニック・ノルティ	アルバート・ブルックス
12/1
マックス・フォン・シドー	ケネス・ブラナー	クリストファー・プラマー*	ニック・ノルティ	アルバート・ブルックス
11/1
マックス・フォン・シドー	フィリップ・シーモア・ホフマン	クリストファー・プラマー*	ニック・ノルティ	アルバート・ブルックス
10/1
ジョン・ホークス	フィリップ・シーモア・ホフマン	クリストファー・プラマー*	ニック・ノルティ	アルバート・ブルックス
9/1
ジョン・ホークス	フィリップ・シーモア・ホフマン	クリストファー・プラマー	ヴィゴ・モーテンセン*	アルバート・ブルックス
8/1
ジョン・ホークス	アーミー・ハマー	クリストファー・プラマー	ヴィゴ・モーテンセン*	アルバート・ブルックス
7/1
ジョン・ホークス	アーミー・ハマー	クリストファー・プラマー	ヴィゴ・モーテンセン*	ジェフリー・ラッシュ
6/1
ジョン・ホークス	アーミー・ハマー	ベン・キングスレー	ヴィゴ・モーテンセン*	ジェフリー・ラッシュ
5/1
ザック・ガリフィアナキス	アーミー・ハマー	ベン・キングスレー	ヴィゴ・モーテンセン*	ジェフリー・ラッシュ

The Other Contenders　その他の有力候補　（1/21）
Very Possible
アーミー・ハマー Armie Hammer （Ｊ・エドガー）	「ソーシャル・ネットワーク」組の中で最もジャンプアップした若手スター。エドガー・フーヴァーの恋人と噂されたFBI副長官クライド・トルソン役。レオナルド・ディカプリオとキス！？デカイ。無茶苦茶デカイ。
ベン・キングスレー Ben Kingsley （ヒューゴの不思議な発明）	ブライアン・セルズニックの原作の映画化で、物語の鍵を握るおもちゃ屋の主人を演じる。マーティン・スコセッシの演出は心強いが、「3D」というのはどうなのか。実現すれば3Dから初めての快挙だが…。
ヴィゴ・モーテンセン Viggo Mortensen （危険なメソッド）	「イースタン・プロミス」で主演賞候補経験のある性格スター。ジークムント・フロイト役という完全にオスカー好みの役柄で勝負。デヴィッド・クローネンバーグ作品は基本的にオスカー向きでない。
パットン・オズワルト Patton Oswalt （ヤング≒アダルト）	「Big Fan」の怪演の記憶が新しいままに、ジェイソン・ライトマン監督の話題作に登場、高い前評判を獲得しているおデブ俳優。実は「レミーのおいしいレストラン」のレミーに声を当てていた人。
コリー・ストール Corey Stoll （ミッドナイト・イン・パリ）	映像作品ではチョイ役やTVのゲスト出演がメインだが、舞台役者としては中堅の域。ウッディ・アレン監督作でアーネスト・ヘミングウェイを演じて、場をさらう。知名度不足を前哨戦でカヴァーしたい。
マックス・フォン・シドー Max von Sydow （ものすごくうるさくて、ありえないほど近い）	イングマール・ベルイマン作品の常連は、ハリウッドに欠かせない性格スターへ。情感たっぷりの沈黙の演技でシーンスティラーとして輝く。今年は同い年のクリストファー・プラマーも参戦。スウェーデン人。
Possible
ジム・ブロードベント Jim Broadbent （マーガレット・サッチャー鉄の女の涙）	サーの称号を持つデニス・サッチャー（マーガレット・サッチャーの夫）を演じる。「アイリス」で助演賞を受賞済みで、会員の信頼度は高い。今回はメリル・ストリープの受賞を盛り上げる！
ジョージ・クルーニー George Clooney （スーパー・チューズデー正義を売った日）	監督作第４弾は主演ではなく助演。「コンフェッション」や「グッドナイト&グッドラック」を思い返すと、さほど重要な役柄ではない可能性あり。諸君、今度欲しいのは監督賞なのだよ。
コリン・ファース Colin Firth （裏切りのサーカス）	「英国王のスピーチ」でオスカーの頂点に輝いた、今が旬の英国紳士。ゲイリー・オールドマン、トム・ハーディら英国の演技派と激突して、３年連続ノミネートを狙う。授賞式でウィットに富んだスピーチ。
ロバート・フォースター Robert Forster （ファミリー・ツリー）	「ジャッキー・ブラウン」でサプライズノミネートを獲得したクセモノ俳優。対象作は役者の魅力を引き出すことに長けているアレクサンダー・ペインの監督作。しかも台風の目となる可能性も…。
ジョン・グッドマン John Goodman （アーティスト）	ハリウッドの巨体俳優と言ったら、もちろんこの人。コーエン兄弟やトッド・ソロンズに愛される強烈な個性は、モノクロ映画でも健在。作品賞本命作で好助演。作品の勢いに乗れば…。
トム・ハンクス Tom Hanks （ものすごくうるさくて、ありえないほど近い）	５度ノミネートされ、もちろん２回の受賞を果たしているアメリカの良心。授賞式にも必ずいる。…とは言え、オスカーレースからは10年後無沙汰。そろそろまた花火を打ち上げたいが…。髪の毛、しぶとい。
トム・ハーディ Tom Hardy （裏切りのサーカス）	「インセプション」出演組の中で最も勢いを加速させている若手スター。役柄によって外見をガラリと変えてくるタイプ。ゲイリー・オールドマン、コリン・ファースら先輩スターに立ち向かう。ファースと票割れ。
ジョン・ホークス John Hawkes （マーサ、あるいはマーシー・メイ）	長らく端役で活動してきた性格男優が「ウィンターズ・ボーン」で遂にオスカー候補に挙がる。続くのはカルト集団のリーダー役で、サンダンス絶賛。エリザベス・オルセンの勢いに乗っかりたい。
フィリップ・シーモア・ホフマン Philip Seymour Hoffman （スーパー・チューズデー正義を売った日）	デブ俳優俳優界のトップに躍り出てからは、出演作が次々注目を集める絶好調キープ。ライアン・ゴズリングと一対一の場面が多い重要な役柄。ジョージ・クルーニーが割り込んでくる可能性あり。
ジェレミー・アイアンズ Jeremy Irons （マージン・コール）	悪魔的な匂い、貴族的な匂いを発散してい紳士俳優は、最近はイロモノとしての活躍のほうが目立っちゃったりして…。狡猾なCEO役で久々の高評価。息子のマックスもよろしくね。
エズラ・ミラー Ezra Miller （少年は残酷な弓を射る）	ティルダ・スウィントンとジョン・Ｃ・ライリーの息子に扮し、その演技がカンヌで絶賛を浴びた注目の若手。高校で連続殺人事件を引き起こす少年をインパクト大に演じる。ハリウッドでは無名。
ブラッド・ピット Brad Pitt （ツリー・オブ・ライフ）	「リバー・ランズ・スルー・イット」でトップスターの座についてから、常に第一線で活躍。個性派監督たちに愛されている。ヒース・レジャーの代役。厳格な父親役。Win: NSFC、NYFCC、GFCA
ジョン・Ｃ・ライリー John C. Reilly （おとなのけんか）	「シカゴ」でオスカー候補に挙がって以来、主演作が作られるほどに売れっ子に。ジョディ・フォスターと夫婦に扮して、クリストフ・ヴァルツ＆ケイト・ウィンスレット夫妻を迎え撃つ。ブチャイク俳優界の帝王。
ケヴィン・スペイシー Kevin Spacey （マージン・コール）	二度のオスカーに輝く名優が、これが長編デビュー作となる新鋭による金融スリラーに主演。前年の式では「こんばんは、ジョージ・クルーニーです」とオヤジギャグを披露。髪の毛、結構しぶとい。
クリストフ・ヴァルツ Christoph Waltz （おとなのけんか）	「イングロリアス・バスターズ」で賞レースを総ナメして以来、ハリウッドの話題作に次々出演。今度はケイト・ウィンスレットと夫婦に扮して場をさらう。悪役にタイプキャストされてきた感。ビーケアフル。
Longshot
ニエル・アレストリュプ Niels Arestrup （戦火の馬）	スティーヴン・スピルバーグのお馬さん映画で少年の祖父を演じる。どうやらナレーションも担当。「預言者」は世界的評価を獲得したが、ハリウッドでの知名度はまだまだ低い。
ポール・ベタニー Paul Bettany （マージン・コール）	「英国王のスピーチ」への出演を断わってしまって大失敗の英国スター。ケヴィン・スペイシー、ジェレミー・アイアンズらと共演する金融スリラーで挽回なるか。ジェニファー・コネリーとの間にまたベイビー！
ジェラルド・バトラー Gerard Butler （英雄の証明）	「300＜スリーハンドレッド＞」以降、ムキムキマッチョ路線を直走るスコットランド出身スター。レイフ・ファインズ演じる主人公の宿敵役は、久しぶりに良質ロールの匂い。また逞しい身体を見せて欲しい？
ベネディクト・カンバーバッチ Benedict Cumberbatch （裏切りのサーカス）	英国の実力派が勢揃いしたスパイスリラーで、キーとなる役柄を演じているとの噂。TVシリーズ「シャーロック」が話題を呼び、今が畳み掛けるとき。同じ部門にトム・ハーディら共演者ズラリ。
ベン・フォスター Ben Foster （ランパート汚れた刑事）	狂気を内に秘めた青年役を十八番とする性格男優。高評価作「メッセンジャー」で組んだオーレン・ムーヴァーマン監督作に再登場。前作からはウッディ・ハレルソンが候補入り。今度は俺だ！
フィリップ・シーモア・ホフマン Philip Seymour Hoffman （マネーボール）	彼にオスカーをもたらした「カポーティ」のベネット・ミラー監督作で、今度は助演をキメる。たっぷり恩返ししますよ。オークランド・アスレチックスの監督アート・ハウを演じる。ジョナ・ヒルと票割れ。
ハンター・マクラッケン Hunter McCracken （ツリー・オブ・ライフ）	伝説の名匠テレンス・マリック監督作で、ブラッド・ピット演じる厳格な父親の息子を演じる。オスカーは子役女優に比べて子役男優に優しくないが、それでもチャンスはある。大きくなったらショーン・ペン。
クリストファー・プラマー Christopher Plummer （ドラゴン・タトゥーの女）	この人が出ると映画が締まる。この年齢にして未だに若手並の映画出演をこなす長老。超人気ベストセラーの映画化で、物語の鍵を握る役柄を演じる。オスカーはノミネート止まり。今度こそ！
エディ・レッドメイン Eddie Redmayne （マリリン７日間の恋）	ブロードウェイ劇「Red」でトニー賞を受賞して波に乗る英国の若手注目株。「王子と踊子」の撮影現場を描くドラマで、ローレンス・オリヴィエの使用人を演じて、物語の語り部となる。ビッグブレイク？
ジョン・Ｃ・ライリー John C. Reilly （少年は残酷な弓を射る）	個性的な風貌を活かして脇役として地盤作り、その後主役もこなすスケールも身につけて絶好調。ティルダ・スウィントンの疎遠な夫役で、息子が殺人事件を侵した苦悩をシリアスに見せる。
ジェレミー・レナー Jeremy Renner （ミッション：インポッシブルゴースト・プロトコル）	たった一作が俳優の人生を大きく変える。「ハート・ロッカー」で中堅性格スターのトップに躍り出た後は、話題作出演が次から次へ。今度はトム・クルーズを喰って、シリーズを乗っ取るのだ！
セス・ローゲン Seth Rogen （50/50 フィフティ・フィフティ）	アメリカコメディ映画界の中心で安定した活躍を続けるコメディアン。プロデューサーとしても作品を次々ヒットに導いている。ガンに冒された27歳の青年を描くコメディ・ドラマ。新境地開拓か。
アンディ・サーキス Andy Serkis （猿の惑星：創世記（ジェネシス））	「ロード・オブ・ザ・リング」三部作、「キング・コング」に続き、パフォーマンスキャプチャー演技。猿のリーダーを迫力たっぷりに演じて絶賛される。でもこれを本当に「演技」として良いのかどうか。
スタンリー・トゥッチ Stanley Tucci （マージン・コール）	「ラブリーボーン」で遂にオスカー候補に挙がった、潔くツルッパゲのクセモノスター。金融危機スリラーで、突然解雇を通達されるリスクマネジメント担当を演じる。共演のライヴァルはツワモノばかり。

No Chance　チャンスなし　（1/1）
エリック・バナ Eric Bana （ハンナ）	オーランド・ブルーム Orlando Bloom （シンパシー・フォー・デリシャス）
カイル・チャンドラー Kyle Chandler （SUPER 8／スーパーエイト）	トーマス・ヘイデン・チャーチ Thomas Haden Church （幸せへのキセキ）
ブライアン・コックス Brian Cox （英雄の証明）	ウィレム・デフォー Willem Dafoe （ミラル）
ポール・ダノ Paul Dano （ミークス・カットオフ）	ジェフリー・ドノヴァン Jeffrey Donovan （Ｊ・エドガー）
アーロン・エッカート Aaron Eckhart （ラム・ダイアリー）	ローレンス・フィッシュバーン Laurence Fishburne （コンテイジョン）
ザック・ガリフィアナキス Zach Galifianakis （ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える）	ポール・ジャマッティ Paul Giamatti （アイアンクラッド）
ブルース・グリーンウッド Bruce Greenwood （ミークス・カットオフ）	エド・ハリス Ed Harris （サルベーション）
リス・エヴァンス Rhys Ifans （もうひとりのシェイクスピア）	リチャード・ジェンキンス Richard Jenkins （ラム・ダイアリー）
アーロン・ジョンソン Aaron Johnson （アルバート氏の人生）	加瀬亮 Ryo Kase （永遠の僕たち）
ジュード・ロウ Jude Law （コンテイジョン）	ジョシュ・ルーカス Josh Lucas （Ｊ・エドガー）
ケラン・ラッツ Kellan Lutz （インモータルズ神々の戦い）	ジョナサン・リース・マイヤーズ Jonathan Rhys Meyers （アルバート氏の人生）
ショーン・ペン Sean Penn （ツリー・オブ・ライフ）	ノーマン・リーダス Norman Reedus （声をかくす人）
ジョヴァンニ・リビージ Giovanni Ribisi （ラム・ダイアリー）	ミッキー・ローク Mickey Rourke （インモータルズ神々の戦い）
デヴィッド・ストラザーン David Strathairn （トゥルース闇の告発）	デヴィッド・シューリス David Thewlis （The Lady／アウンサンスーチーひき裂かれた愛）
クリストフ・ヴァルツ Christoph Waltz （恋人たちのパレード）	トム・ウィルキンソン Tom Wilkinson （声をかくす人）
パトリック・ウィルソン Patrick Wilson （ヤング≒アダルト）	アントン・イェルチン Anton Yelchin （それでも、愛してる）

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Past Report　-84th Annual Academy Awards-

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