Predictions -Best Actress-

Predictions -Best Actress-

主演女優賞

受賞予想（2/22）

Final Predictions

イザベル・ユペール

ルース・ネッガ

ナタリー・ポートマン

エマ・ストーン

メリル・ストリープ

○

△

◎

OSCAR PLANET Prediction		エマ・ストーン（ラ・ラ・ランド）
General Prediction		エマ・ストーン（ラ・ラ・ランド）
My Hope		エマ・ストーン（ラ・ラ・ランド）

　主演女優賞レースが面白い。前哨戦前半は『ジャッキー／ファーストレディ最後の使命』のナタリー・ポートマンが強く、それにフランスから『エル ELLE』のイザベル・ユペールが待ったをかける構図が出来上がっていた。ところが、レース中盤からは『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが急激にその存在感を示し始める。したがって、レース序盤に開催されたブロードキャスト映画批評家協会賞はポートマンが、中盤開催のゴールデン・グローブ賞はユペールとストーンが、後半開催のアメリカ映画俳優組合賞ではストーンが勝利を収めた。

　下馬評は当初「ポートマン vs. ストーン」だったのが、現在は「ユペール vs. ストーン」という構図に落ち着いている。思い出さずにはいられないのは第85回の主演女優賞レースだ。批評家受けは「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステインが強くてブロードキャスト映画批評家協会賞を受賞。スター至上主義のゴールデン・グローブ賞ではチャステインと「世界にひとつのプレイブック」のジェニファー・ローレンスが勝利。最重要のアメリカ映画俳優組合賞（SAG）はローレンスが制した。SAG以後チャステインのBUZZは急速に萎み、このままローレンスで決まりかと思いきや、「愛、アムール」のエマニュエル・リヴァがフランスから不気味に浮上、ローレンスをぎりぎりまで追い詰めた。この年のレースに今シーズンはとても似ているのだ。もちろんポートマン＝チャステイン、ストーン＝ローレンス、ユペール＝リヴァだ。

　それを考えるとストーンがやはり有利に見える。低迷していたキャリアを一気に復活させたポートマンはいかにもオスカー好みの化け方を見せるし、レイプされる役柄を演じて議論を巻き起こしたユペールはフランスを、ヨーロッパを代表する大女優として存在感が抜群だ。ストーンは彼女たちを振り切らなければならない。タフな戦いだが、それでも彼女が今年の主役となる映画のヒロインであるという事実は何よりも強力なアピールポイントになるのではないか。

　実はストーンは、候補入りした5人の中で、唯一対象作が作品賞候補に挙がっているのだ。ポートマンの『ジャッキー』は絶賛を獲得したのにも拘らず、どういうわけかその他の部門で大苦戦。ユペールの『エル ELLE』は外国語映画賞フランス代表に選ばれながら、第一次選考であっさり落選を喫した。つまり作品人気の恩恵を受けられるのはストーンだけなのだ。もちろんドラマもコメディもこなし、その上歌とダンスの才能までを証明したことは、オスカー会員たちを唸らせることだろう。

　『マダム・フローレンス！夢見るふたり』のメリル・ストリープと『ラビング愛という名前のふたり』のルース・ネッガはノミネートこそが勝利だろう。とりわけネッガは『メッセージ』のエイミー・アダムスを追い抜いての候補入りを大いに讃えられるべきだ。

　主演女優賞はオスカーの華。歴代受賞者にはスター性と実力を兼ね備えたビッグスターがずらりと並ぶ。今が旬のストーンが彼女たちに続くことに何の違和感もない。ユペールの影が気になりつつ、やはりストーンが大輪の花を咲かせると見る。

**Prediction Chart**
		％	Final	2/16	2/11	2/6	2/1	1/27
1	エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』	35	1	1	1	1	1	2	本命
2	イザベル・ユペール『エル ELLE』	30	2	2	2	3	3	3	対抗
3	ナタリー・ポートマン『ジャッキー／ファーストレディ最後の使命』	25	3	3	3	2	2	1	大穴
4	ルース・ネッガ『ラビング愛という名前のふたり』	5	4	4	4	4	4	4	Happy to be Nominated
5	メリル・ストリープ『マダム・フローレンス！夢見るふたり』	5	5	5	5	5	5	5	Happy to be Nominated

**List of Marks**
イザベル・ユペール『エル ELLE』	長い長いキャリアの末、遂に初ノミネート！（＋）	5.0
	セザール賞は16回候補、受賞済み。カンヌとヴェネチアも制覇（＋＋）
	そうです、フランスの大女優は世界の大女優でもあるのです（＋＋）
	レイプ犯を自ら裁こうとする女役で議論を呼ぶ（＋＋）
	おそらく作品自体を受けつけられない人も多い（－－）
	それでもゴールデン・グローブ賞や重要批評家賞を受賞（＋＋）
	あぁ、でも最重要であるアメリカ映画俳優組合賞からは候補漏れ（－－）
ルース・ネッガ『ラビング愛という名前のふたり』	ファーストノミネーション！フレッシュ！35歳だけど…（＋）	2.5
	白人男性と結婚することで反発に遭う黒人女性役（＋＋）
	ホワイトオスカーの反動で目に留められやすい役柄（＋）
	アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞をこっそり受賞（＋）
	対象作からの候補は彼女のみ。つまりBUZZは下降中（－－）
	他部門はアフリカ系が強いと見られる。この部門ぐらいは白人で？（－）
	「エージェント・オブ・シールド」のレイラ役、良かったよ（＊）
ナタリー・ポートマン『ジャッキーファーストレディ最後の使命』	3度目のノミネート。「ブラック・スワン」で受賞済み（＋）	3.0
	ジャクリーン・ケネディ役。オスカーは実在の人物役がお好き（＋＋）
	全く似ていない容姿だが、アクセントとメイクを操って完璧に（＋＋＋）
	シカゴ、ラスヴェガス、そしてブロードキャストの批評家賞を受賞（＋＋）
	このままオスカーも…と思いきやゴールデン・グローブとSAGでコケる（－－）
	対象作は絶賛されたが、賞レースでは存在感を発揮できず（－－）
	BUZZは既に消滅し、受賞チャンスは少ないと見る向き多数（－）
エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』	2度目の候補。コメディもドラマもイケる実力者（＋）	8.0
	ゴールデン・グローブ賞と俳優組合賞を連続受賞し勢いあり（＋＋＋）
	対象作は作品賞の本命。大量受賞が確実視されている（＋）
	そして、「エマ・ストーンのための映画」と言われている（＋＋）
	ノミニーの中で最年少。受賞すれば式が華やかに（＋）
	そう、この部門は若手が強い。オスカーの華になる（＋＋）
	イザベル・ユペールの存在が不気味。番狂わせ、あるかも…（－－）
メリル・ストリープ『マダム・フローレンス！夢見ふたり』	遂に通算20ノミネートに到達。賞女恐るべし（＋＋）	2.0
	実在のオペラ歌手役。オスカーは実在の人物を愛している（＋＋）
	わざと音痴に歌うなんて芸当はお手の物（＋）
	ゴールデン・グローブ賞のスピーチで反トランプ派の心を掴む（＋＋）
	あら、でも批評家賞では候補漏れの方が目立っていた（－）
	対象作はヒットせず。彼女の代表作でもない（－－）
	ちゅーか、もう他の女優たちに席を譲ってあげてよー（－－）

The Five Nominees　ノミネート女優　［I guessed 4/5］
イザベル・ユペール　Isabelle Huppert
	エル ELLE（ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）
	Oscar Experience first nomination!
	Precursors GGA、GSA、NSFC、NYFCC、LAFCA、BSFC、SFFCC、SLFCA、FFCC、AFCA、SFCS、VFCC...
	フランス女優のイザベルはアジャーニだけではない。彼女もまた、国を代表する大女優として常に第一線で活躍。あのポール・ヴァーホーヴェンがレイプされた女を主人公にした問題作で堂々主演、議論と賛辞の嵐を巻き起こす。ハリウッド女優たちが次々断ったハードな役柄に挑むという賭けに彼女は勝ったのだ。
ルース・ネッガ　Ruth Negga
	ラビング愛という名前のふたり（フォーカス・フィーチャーズ）
	Oscar Experience first nomination!
	Precursors GSA、AAFCA
	彼女の候補は小さなサプライズと言えるかもしれない。候補の可能性は囁かれていたが、ライヴァルたちの知名度の前に、前哨戦序盤から徐々にBUZZを下降させていたからだ。そう、彼女は映画界ではほとんど無名。にも拘らず、大逆転劇を演じた。白人男と結婚する黒人女役。今語るべき価値のある役だ。
ナタリー・ポートマン　Natalie Portman
	ジャッキー／ファーストレディ最後の使命（フォックス・サーチライト）
	3 noms / 1 win
	Precursors BFCA、CFCA、LVFCS、WFCA、DFFCA、KCFCC、SFCA、NTFCA、OFCS、HFCS、GFCA...
	作品がヴェネチアで上映されるまで、誰も彼女の復活を予想していなかった。ジャクリーン・ケネディ役はどう考えても配役ミスという予測ゆえだ。それがアッという間に評価一変。「ブラック・スワン」（10年）級の賛辞を獲得しているではないか。近年冴えなかった分華々しい。前回受賞したとき同様、妊娠中なのは吉兆か。
エマ・ストーン　Emma Stone
	ラ・ラ・ランド（ライオンズゲイト）
	Oscar Experience 2 noms / 0 win
	Precursors SAG、BAFTA、GGA、UFCA、DFCS、PFCS、NCFCA
	転機は間違いなく「小悪魔はなぜモテる?!」（10年）だ。コメディの才能が開花し、ドラマティックな演技にも奥行きが感じられるようになった。しかし、彼女はまだ武器を隠し持っていた。歌とダンスだ。ブロードウェイ「キャバレー」で鍛えたそれを、今度は映画で炸裂させる。究極のスター映画で彼女が、勝利する。
メリル・ストリープ　Meryl Streep
	マダム・フローレンス！夢見るふたり（パラマウント）
	Oscar Experience 20 noms / 3 wins
	Precursors None
	やっぱりメリル・ストリープはメリル・ストリープだ。何を演じても評価を獲得する。前哨戦伸び悩んでも問題ない。競ったときは必ず勝利する。それだけの信頼を築き上げている。ノミネート数は遂に「20」に到達。どこまで伸びるのか、精力的な活動内容を考えると想像がつかない。目指せ「30」！？

ranking

キャンペーンパワー　16/12/1～17/1/15			前哨戦ポイント　-2/26-
1	エマ・ストーン	1678 p	1	エマ・ストーン	177.5 p
2	ナタリー・ポートマン	725 p	2	ナタリー・ポートマン	152.0 p
3	ルース・ネッガ	515 p	3	イザベル・ユペール	131.5 p
4	イザベル・ユペール	275 p	4	ルース・ネッガ	91.0 p
5	メリル・ストリープ	171 p	5	メリル・ストリープ	72.0 p

対象作の興行収入　-2/20-			対象作の評価 rating
1	エマ・ストーン	$134m	1	エマ・ストーン	92.6 p
2	メリル・ストリープ	$27m	2	イザベル・ユペール	90.8 p
3	ナタリー・ポートマン	$13m	3	ルース・ネッガ	82.8 p
4	ルース・ネッガ	$7m	4	ナタリー・ポートマン	81.8 p
5	イザベル・ユペール	$2m	5	メリル・ストリープ	80.2 p

ノミネート予想（1/18）

Final Prediction

　昨年に引き続き、主演女優賞レースが熱い。人気と実力を兼ね備えた若い女優たちとキャリア豊かなヴェテラン女優たちがひしめき合っている。

　この部門は、そもそも秋口から話題の的だった。ヴェネチア国際映画祭にて賞レースの中心に立つふたりがいきなり激突したからだ。『ジャッキー／ファーストレディ最後の使命』のナタリー・ポートマンと『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンだ。ヴェネチアではストーンが勝利を収めたが、批評家賞ではポートマン優勢。このままどちらが受賞するのか分からないまま、授賞式当日を迎えそうな気配濃厚だ。そう、ふたりが候補落ちすることはないだろう。

　実はヴェネチアでは『メッセージ』のエイミー・アダムスもまた大きなBUZZを作り上げることに成功している。５回のノミネート歴を誇る中堅女優。ハリウッドや会員からの信頼は大変厚い。作品がSFゆえ賞レースで苦戦も予想されたのだが、何の何の、ナショナル・ボード・オブ・レヴューを受賞するなど、勢い衰えず。重要三賞でもコンプリート候補を達成している。

　ヴェテランなら『20センチュリー・ウーマン』のアネット・ベニングと『マダム・フローレンス！夢見るふたり』のメリル・ストリープが強力だ。どちらも賞レース常連の実力派。特にベニングはこれまで４度候補に挙がり、一度も受賞に漕ぎ着けていないこともあり、受賞待望論が出ている。現時点ではポートマンやストーンの勢いには勝てないと見る向きが支配的だが、大逆転を演じるためにもノミネートまでは何とか達成したい。

　無名ゾーンからは『ラビング愛という名前のふたり』のルース・ネッガが隙を伺う。カンヌ映画祭でプレミア上映された半年以上前からノミネート確実と言われてきた期待の星。BUZZの拡大が早過ぎたか、ここに来て作品BUZZが失速。アメリカ映画俳優組合賞では候補を逃してしまったが、再浮上するだけの力のある演技らしい。上位五席のひとつを奪っても不思議ではないだろう。

　ただ、より注視すべきは『エル ELLE』のイザベル・ユペールだろう。今やフランス映画界の中心に立つと言っても過言ではない大ヴェテランが、批評家賞で大善戦。ポートマンやストーン級のBUZZを形成している。ただ、彼女はアメリカ映画俳優組合賞で落選している。また、対象作は外国語映画賞のフランス出品作に選ばれながら、やはり既に脱落している。これは何を意味しているのか。レイプを扱ったデリケートな内容が、アカデミーのテイストに合っていないのではないかと察するが、どうだろう。ノミネーションを手にしてもおかしくない演技でも、相性問題で落とされる不幸は、アクション映画やコメディ映画の例を挙げるまでもなく、これまでにも見られる傾向だ。

　その他作品評価は伸びなかったが全編見せ場が連続する『ガール・オン・ザ・トレイン』のエミリー・ブラント、現在キャリアの絶頂にいる『女神の見えざる手』のジェシカ・チャステイン、「エンパイア成功の代償」によりキャリアが完全に復活している『ドリーム』のタラジ・Ｐ・ヘンソンらもチャンスを残している。特にブラントはアメリカ映画俳優組合賞でサプライズを演じていて、オスカーでもまさかの指名があってもおかしくない。人気と実力を兼ね備えながら、オスカーでは無視されてきたブラントの大逆転があれば、大きなトピックとして取り上げられるはずだ。

　間違いなく混戦。賞レースウォッチャーは前哨戦でさほど目立っていないストリープを外したいと思うのではないか。確かに前哨戦では静かだった。ただ、個人的にそれは大した問題ではないのではないかと考える。これまでストリープは、競ったときほとんど確実に候補入りしている。競って負けた最後は、最高の大混戦と言われた2002年の「めぐりあう時間たち」まで遡らなければならない。このときでさえ「アダプテーション」で助演賞候補は手にしているのだ。賞女、恐るべし。すると最後の席に入るのはベニングかネッガか、ブラントか、或いはユペールか。勢いを信じれば、ユペールになるが、果たして…。彼女たちはストリープが躓いて、チャンスが少しでも増えることを祈るべきだ。

※追記。ゴールデン・グローブ賞授賞式でメリル・ストリープが（賛否はあれど）同賞の歴史で長らく語られるようなスピーチを披露した。これは彼女のノミネートを助ける大きなポイントになると見る。

OSCAR PLANET Prediction
エイミー・アダムス（メッセージ）	Likely
イザベル・ユペール（エル ELLE）	Shaky
ナタリー・ポートマン（ジャッキー／ファーストレディ最後の使命）	Lock
エマ・ストーン（ラ・ラ・ランド）	Lock
メリル・ストリープ（マダム・フローレンス！夢見るふたり）	Shaky
The Runner-up
アネット・ベニング（20センチュリー・ウーマン）	Shaky

The Five Frontrunners　フロントランナー（５名）　（1/18）
Lock
ナタリー・ポートマン Natalie Portman （ジャッキー／ファーストレディ最後の使命） Win: BFCA、CFCA、LVFCS、WFCA、DFFCA、KCFCC、SFCA、NTFCA、OFCS、HFCS、GFCA、DFCS2、PFCC	あまり期待値の高くなかったジャクリーン・ケネディ役にヴェネチア映画祭をノックアウト。「ブラック・スワン」の快進撃もヴェネチアから始まった！ ~~Weak Point~~ その「ブラック・スワン」後は、出産ゆえのブランクの影響もあってか、ミニスランプにハマった感があったが、それゆえ今回の復活劇が輝かしく映る。今シーズンも妊娠中なのは演技が良い！？
エマ・ストーン Emma Stone （ラ・ラ・ランド） Win: SAG、BAFTA、GGA、UFCA、DFCS、PFCS、NCFCA	コメディもドラマもできるスター女優。主演パワーも十分。女優役で、「キャバレー」で見せた歌唱力を駆使。世界が彼女に恋をする。 ~~Weak Point~~ ミュージカル演技での候補入りは久しくない。…という不安要素も、作品のBUZZを考えれば一切心配の必要なし。ライヴァルのナタリー・ポートマンに負けない勢いを既に構築している感。
Likely
エイミー・アダムス Amy Adams （メッセージ） Win: NBR、DFCC、OFCC、IFCA	ロイス・レインはいつ受賞してもおかしくないキャリア。地球にやってきた宇宙人と交信する言語学者役でSFに挑む。会員たちの大のお気に入り。 Weak Point …にも拘らず、受賞には漕ぎ着けていない。タイミングの問題もあるが、主演よりも助演の方が受賞しやすいタイプなのに、主演作が増えた影響だと思われる。今回も受賞はないと思われ…。
Shaky
イザベル・ユペール Isabelle Huppert （エル ELLE） Win: GGA、GSA、NSFC、NYFCC、LAFCA、BSFC、SFFCC、SLFCA、FFCC、AFCA、SFCS、VFCC、NYFCO、BOFCA	ポール・ヴァーホーヴェンに精神的・肉体的甚振られ、カンヌを大いに沸かせたフランスの大女優。対象作は外国語映画賞フランス出品の強力作。 Weak Point 同じ名前のイザベル・アジャーニがメルヘンな方向に走るのとは違い、どこまでも生々しく迫る。当然好き嫌いは分かれるタイプ。今シーズン、この部門は混戦。外国語演技はプラスにならない。
メリル・ストリープ Meryl Streep （マダム・フローレンス！夢見るふたり）	音痴でありながらオペラ歌手を目指すフローレンス・フォスター・ジェンキンスを演じて、案の定高評価。20回目のノミネート射程圏内。 Weak Point だってほら、彼女は秘密裏に自動的に票が入るシステムを作り上げている。えっ、でも批評家賞ではほとんど無視されていたのに？！競ったとき必ず勝つのが賞女だということを忘れないで！

ノミネーション予想これまでの流れ 2016　（Changes in Red）
Final
メリル・ストリープ	ナタリー・ポートマン	イザベル・ユペール	エイミー・アダムス	エマ・ストーン*
The Leader：エマ・ストーン
12/1
アネット・ベニング	ナタリー・ポートマン	イザベル・ユペール	ルース・ネッガ	エマ・ストーン*
12/1
メリル・ストリープ	ナタリー・ポートマン	イザベル・ユペール	ルース・ネッガ	エマ・ストーン*
10/1
メリル・ストリープ	ナタリー・ポートマン	ケイト・ベッキンセール	ルース・ネッガ	エマ・ストーン*
9/1
メリル・ストリープ	ロザムンド・パイク	ケイト・ベッキンセール	ルース・ネッガ*	エマ・ストーン
8/1
エミリー・ブラント	ロザムンド・パイク	ケイト・ベッキンセール	ルース・ネッガ*	エマ・ストーン
7/1
エミリー・ブラント	ロザムンド・パイク	レベッカ・ホール	ルース・ネッガ*	エマ・ストーン
6/1
エミリー・ブラント	ジェシカ・チャステイン	レベッカ・ホール	ルース・ネッガ*	エマ・ストーン
5/1
エミリー・ブラント	ジェシカ・チャステイン*	レベッカ・ホール	タラジ・Ｐ・ヘンソン	エマ・ストーン

The Other Contenders　その他の有力候補　（1/18）
Very Possible
アネット・ベニング Annette Bening （20センチュリー・ウーマン）	70年代後半の南カリフォルニア、反抗期の息子の子育てのため、世代の違うふたりの女性と一緒に暮らすことにする女性役。受賞秒読みと言われ続けて、早数年…。Win: AFCS、NFCS
エミリー・ブラント Emily Blunt （ガール・オン・ザ・トレイン）	離婚してアル中、その上職も失う女性が体験する悪夢。このあたりで大きな評価があっても良い頃。たまには賞狙いの映画に出てみても良いかも？彼女の演技は絶賛されるも、作品評価が…。
ジェシカ・チャステイン Jessica Chastain （女神の見えざる手）	「ツリー・オブ・ライフ」以降、作品が全く途切れないのは、美貌と実力を兼ね備えている証。ジョン・マッデンが銃規制反対派と対峙するロビイストたちを描く社会派ドラマで、トップロビイストを演じる。
タラジ・Ｐ・ヘンソン Taraji P. Henson （ドリーム）	62年、ジョン・グレン宇宙飛行士のミッションを陰で支える三人の黒人女性を描くドラマで、数学者役。「エンパイア成功の代償」のクッキー効果。おっかないけど、どこか可愛いイメージを畳み掛けたい。
ルース・ネッガ Ruth Negga （ラビング愛という名前のふたり）	異人種間カップルの結婚をめぐる戦いでヒロインに抜擢。強烈なシンパシーを寄せられる役柄だとか。TVシリーズ「エージェント・オブ・シールド」の怪しげなレイラ役でお馴染み。Win: GSA、AAFCA
Possible
エイミー・アダムス Amy Adams （ノクターナル・アニマルズ）	既に５度ノミネートされているのは会員に愛されている証拠。トム・フォードの監督第二作で、20年前に別れた夫から届けられた小説原稿に苦しめられる主婦を演じる。スリラーのイメージはあまりない。
ケイト・ベッキンセール Kate Beckinsale （Love & Friendship）	久々にホイット・スティルマンと組み、ジェーン・オースティン映画に挑む。18世紀後半の英国社交界、自分の悪い噂が流れていることを知る未亡人役。ゴールデン・グローブ賞候補なら…。
マリオン・コティヤール Marion Cotillard （マリアンヌ）	「サンドラの週末」により二度目の候補に挙がったフランスの華。第二次世界大戦下、北アフリカでブラッド・ピット扮するスパイと恋に落ちるエージェント役。ディオールのモデルとしても活躍。
レベッカ・ホール Rebecca Hall （Christine）	生放送中に拳銃自殺を図る実在のTVレポーター役がサンダンスで絶賛される。TV史の中でも衝撃的な実話がベース。上手く演じないと嫌悪感を抱かせるだけになるかも。Win: IFJA、COFCA
サーシャ・レイン Sasha Lane （アメリカン・ハニー）	これがデビュー作となる新人女優。きっかけはアンドレア・アーノルドに雑踏の中から見つけられたこと。貧困家庭で育った少女の一か八かの旅をヴィヴィッドに生々しく…。ブレイクスルー演技賞総ナメか。
アドリアーナ・ウガルテ Adriana Ugarte （ジュリエッタ）	TVシリーズ「情熱のシーラ」で知られるスペインの注目女優がペドロ・アルモドヴァル映画のヒロインに大抜擢。独裁政権が終わりを告げるスペイン下、ひとりの女性の30年を演じる。ペネロペ・クルスに続け。
レイチェル・ワイズ Rachel Weisz （否定と肯定）	仕事も私生活（パートナーはダニエル・クレイグ）好調の才女が挑むのは歴史家デボラ・リプシュタット役。著書の中でホロコースト否認論者として挙げた同じ歴史家から訴えられる。多作の年。
Longshot
リリー・コリンズ Lily Collins （ハリウッド・スキャンダル）	フィル・コリンズの娘は、今ハリウッドで最も眉毛に存在感がある若手女優へ成長。生き生きとした表情で引っ張りだこ。ウォーレン・ベイティ映画でヒロインに扮する。クリス・エヴァンスとはスピード破局。
サリー・フィールド Sally Field （ドリスの恋愛妄想適齢期）	「リンカーン」で28年ぶりにオスカー候補に挙がった実力派女優。その効果により出演が決まった作品で、自己啓発セミナーに触発され職場の若い男を求め始める初老の女を演じる。ホラーではない。
グレタ・ガーウィグ Greta Gerwig （マギーズ・プラン幸せのあとしまつ）	今インディーズシーンで最も勢いのある女優。ノア・バームバック映画を離れて、レベッカ・ミラーと初タッグ。ひとりで子育てしながら生きていく計画を不倫の恋により狂わされる女を軽妙に…。
イザベル・ユペール Isabelle Huppert （未来よこんにちは）	現役仏女優の中でも勢い衰え知らずの実力派。若手女流監督ミア・ハンセン＝ラヴが手掛けるドラマで、夫に別れを言い渡される女を生々しく。Win: NSFC、NYFCC、LAFCA、BSFC、LFCC
フェリシティ・ジョーンズ Felicity Jones （ローグ・ワンスター・ウォーズ・ストーリー）	「博士と彼女のセオリー」効果により、大作への出演が相次いでいる英国注目女優。「スター・ウォーズ」スピンオフ映画で反乱軍兵士を演じる。芸術映画に偏らない作品選びが嬉しい人。
エレン・ペイジ Ellen Page （タルーラ彼女たちの事情）	「ハンズ・オブ・ラヴ」はコケたが、レズビアン宣言後もインディーズ界で大人気。「JUNO」で共演したアリソン・ジャニーと再び顔を合わせ、子育てをめぐって激突。インディペンデント・スピリット賞好みの役。
ヘイリー・スタインフェルド Hailee Steinfeld （スウィート17モンスター）	「トゥルー・グリット」から６年、こんなに大きくなりました。最近は歌手としてヒットを連発しているが、もちろん女優業も順調。21世紀版ジョン・ヒューズ映画として讃えられる青春物で輝く！
ティルダ・スウィントン Tilda Swinton （胸騒ぎのシチリア）	「ミラノ、愛に生きる」で組んだルカ・グァダニーノ監督作に再登場。イタリアで休暇中の米夫婦の元に妻の元恋人と娘が現れることから起きる物語。既にオスカー獲得済み。熱狂的支持者がいる人。
アニヤ・テイラー＝ジョイ Anya Taylor-Joy （ウィッチ）	ほとんど下積みもないままヒロインに抜擢されたラッキーガール。家族に魔女ではないかと疑われる少女役で、観客を恐怖に引きずり込む。このジャンルはリンダ・ブレアの例もあるが…。
ミシェル・ウィリアムス Michelle Williams （ライフ・ゴーズ・ゴーン彼女たちの選択）	「ドーソンズ・クリーク」からのいちばんの出世株。ケリー・ライヒャルトと再び組んでモンタナの山間に新しい家を購入するも、夫との関係が悪化する女を演じる。鼻を赤くする演技が得意。Win: NYFCC
レニー・ゼルウィガー Renée Zellweger （ブリジット・ジョーンズの日記ダメな私の最後のモテ期）	人気を絶頂に導いたブリジット・ジョーンズ役に12年ぶりに挑む。その間、色々ありました。オスカーを受賞したり、結婚・離婚したり、お直ししたり…。Aリストスターへ返り咲けるか、勝負の一作。

No Chance　チャンスなし　（1/18）
ジェニファー・コネリー Jennifer Connelly （アメリカン・バーニング）	ジェニファー・ローレンス Jennifer Lawrence （パッセンジャー）
ブリット・ロバートソン Britt Robertson （Mr. Church）	ゾーイ・サルダナ Zoe Saldana （Nina）
アリシア・ヴィキャンデル Alicia Vikander （光をくれた人）	ケイト・ウィンスレット Kate Winslet （復讐のドレスコード）
メアリー・エリザベス・ウィンステッド Mary Elizabeth Winstead （10 クローバーフィールド・レーン）	レニー・ゼルウィガー Renée Zellweger （砂上の法廷）

Predictions

Past Report　-89th Annual Academy Awards-

Top