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作品賞

受賞予想（2/7）

Final Predictions

1917
命をかけた伝令

フォードvsフェラーリ

アイリッシュマン

ジョジョ・ラビット

ジョーカー

○

ストーリー・
オブ・マイライフ
わたしの若草物語

マリッジ・ストーリー

ワンス・アポン・
ア・タイム・
イン・ハリウッド

パラサイト
半地下の家族

△

◎

OSCAR PLANET Prediction		パラサイト半地下の家族
General Prediction		1917 命をかけた伝令
My Hope		ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド or パラサイト半地下の家族

　ここ最近の傾向通り、フロントランナーが読めないと言われていた作品賞はしかし、さすがに受賞の可能性がある作品が絞られてきた。ノミネーション発表前に有力視されていた中からは『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『マリッジ・ストーリー』が息切れを始め、元々可能性が低いと思われていた『フォードvsフェラーリ』『ジョーカー』『ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語』の逆転の目も消えたと言って良いだろう。

　そう、作品賞受賞作は『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『パラサイト半地下の家族』の中から選ばれる。

　中でも最有力と言われているのが『1917 命をかけた伝令』だ。サム・メンデスが戦争の現実をワンカット（風）で描く野心作。今年最もBUZZ作りが上手く行っている映画でもある。プレミアが賞レース直前で、披露が遅すぎるのではないかとの指摘もあったのだが、批評は抜群に素晴らしく、限定公開も見事な結果、年明けに始まった拡大公開も絶好調…と話題が大きくなっていく毎に賞レースでも強さを発揮、今や堂々たる風格でレースの先頭に立っている。このままオスカーの頂点に立っても不思議ではない。

　対抗は『パラサイト半地下の家族』だ。アメリカ映画俳優組合賞授賞式で驚かされたのは、最高賞であるキャスト賞を受賞したからではない。作品紹介でステージに立った『パラサイト半地下の家族』出演俳優たちを会場がスタンディング・オヴェーションで迎え入れたことだ。確かにそれに見合う革新的映画。もしこの作品が受賞した場合、大盛り上がりになること、確実だ。尤も、本作は国際長編映画賞受賞は間違いなく、そちらで賞をあげて終わりということも十分考えられる。昨年の「ROMA ローマ」がこのパターンだった。

　『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』も必死で粘っている。ゴールデン・グローブ賞受賞時がBUZZのピークだったように見えなくもないものの、クエンティン・タランティーノが作品に込めた映画愛は、映画を愛する者には堪らないものがある。舞台となったハリウッド黄金期終焉のときを覚えている会員など、余計にそれを強く感じるだろう。オスカーが映画界に身を置く者たちが投票する映画賞であることを考えれば、受賞に漕ぎ着けてもおかしくはない。それに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が演技賞候補をふたり出しているのに対し、『1917』と『パラサイト』は演技賞候補がゼロ。演技賞候補ゼロで作品賞受賞に漕ぎ着けた作品は「スラムドッグ＄ミリオネア」（08年）以来出ていない。そこが狙い目だ。

　おそらく保守派は『1917 命をかけた伝令』か『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を支持するだろう。この2本なら間違いないという安心感があるのだ。逆に、革命的内容の『パラサイト半地下の家族』は若い進歩派の支持を大量に確保するのではないか。『パラサイト半地下の家族』はオスカーが変わってきていることを証明するのに、最適の一本。逆転受賞を見てみたい。

**Prediction Chart**
		％	2/9	2/4	1/31	1/26	1/21	1/16
1	パラサイト半地下の家族	35	1	2	2	1	2	1	対抗
2	1917 命をかけた伝令	30	2	1	1	2	3	4	本命
3	ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド	15	3	3	3	3	1	2	大穴
4	ジョジョ・ラビット	10	4	4	6	6	7	7	超大穴
5	ジョーカー	3	5	5	5	5	5	6	Happy to be Nominated
6	アイリッシュマン	3	6	6	4	4	4	3
7	マリッジ・ストーリー	2	7	7	7	7	6	5
8	フォードvsフェラーリ	1	8	8	8	8	8	8
9	ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語	1	9	9	9	9	9	9

**List of Marks**
1917 命をかけた伝令	10部門ノミネート。技術部門で稼ぐ（＋）	6.0
	ゴールデン・グローブ賞を受賞して一気に存在感を増す（＋＋）
	直後に拡大公開が始まり、戦争映画としては珍しい大ヒット（＋＋）
	重要な編集賞から外れた他、演技賞でも無視された（－－）
	全編ワンカットに見える撮り方。サム・メンデスの演出力（＋＋）
	撮影賞は受賞確実。そちらに票が集中するかもしれない（－）
	今年最も理想的なBUZZの盛り上がり方。このまま一気に（＋＋）
フォードvsフェラーリ	4部門ノミネート（＊）	1.5
	我が道を行くサテライト賞をひっそり受賞（＊）
	作品賞受賞で大切な監督賞、脚本賞でアウト（－－）
	演技賞でクリスチャン・ベールが候補漏れ。それが作品の立ち位置（－）
	興行的に当たり難いカーレース映画ながらメガヒットに発展（＋＋）
	おそらく女性会員票はあまり望めない（＊）
	逆に言うと、車好きの男性会員の心を熱くする（＋＋）
アイリッシュマン	9部門10ノミネート獲得。さすがの存在感（＋）	6.0
	監督、脚本、編集…作品賞受賞に必要な3部門を押さえる（＋＋＋）
	ナショナル・ボード・オブ・レヴュー、ニューヨーク批評家賞受賞（＋）
	ロバート・デ・ニーロが主演男優賞から外れてしまった（－）
	マーヴェル批判をしたマーティン・スコセッシの作品（－）
	Netflixアレルギーの会員は少なくないはずで…（－）
	レジェンド、スコセッシの正真正銘の代表作。Wow!!!（＋＋＋）
ジョジョ・ラビット	6部門ノミネート（＋）	2.5
	タイカ・ワイティティが監督賞候補に入れば完璧だった…（－）
	前哨戦はノミネート止まり。批評賞では受賞ゼロ（－）
	トロント映画祭の観客賞を受賞したインパクト（＋＋）
	ユダヤ物、ナチス物はオスカー受けが良いジャンル（＋＋＋）
	…が、それを喜劇として描き出す試みには拒否反応もあり（－）
	実は支持派の声もそれほど熱いものはない（＊）
ジョーカー	最多11部門ノミネート（＋＋）	5.0
	作品賞受賞に重要な意味を持つ部門をコンプリート（＋＋＋）
	前哨戦はノミネート止まりの賞が大半。それが現実（－）
	社会現象的大ヒット。もちろん虜になった会員も多いはず（＋）
	ホアキン・フェニックスの主演男優賞に票が集中する（－）
	コミックが原作。おそらく軽く見ている会員は少なくない（－）
	賛否両論真っ二つ。おそらく支持派の熱は相当熱い（＋＋）
ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語	シャットアウトを心配されながら6部門ノミネート（＋）	2.0
	でも重要な監督賞、編集賞は予想通り届かず（－）
	批評家賞の中でも重要なボストンで勝利（＋）
	おそらく票が入りやすいのは脚色賞と衣装デザイン賞（－）
	女性単独主演映画はこの作品のみ。女性会員票が集中（＋＋＋）
	名作古典の映画化は意外なほど賞受けしない（－－）
	このジャンルにしては珍しい大ヒット。嫌う人はいない？（＋）
マリッジ・ストーリー	6部門ノミネート（＋）	2.5
	編集賞はともかく、監督賞では候補に挙がっておきたかった（－）
	インディアナを始め、地方の批評家賞でぽつぽつ受賞（＋）
	“2019年の「クレイマー、クレイマー」”として極めて高い評価（＋＋＋）
	離婚劇…ハリウッドの人々にとっても身近な問題です（＊）
	アダム・ドライヴァーが受賞できないと完全シャットアウトの可能性（－）
	Netflixアレルギー。映画館で観るチャンスを奪わないで（－）
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド	10部門ノミネート。大変バランスがよろしい（＋）	7.0
	監督、脚本、編集を押さえた上、演技部門でも…（＋＋＋）
	ゴールデン・グローブ賞、ブロードキャスト批評家協会賞制覇（＋＋＋）
	ハリウッド黄金期末期が舞台。老会員たち感涙（＋＋＋）
	ブラッド・ピットの助演男優賞受賞は確実。それでOK？（－）
	脚本賞に票が流れてしまう危険あり（－）
	史実を変えるなんてけしからん？…という頓珍漢な批判（－）
パラサイト半地下の家族	アジア映画、外国語映画でありながら、6部門ノミネート（＋）	5.0
	しかも監督、脚賞、編賞を押さえている（＋＋）
	ソン・ガンホが助演男優賞候補に入れば完璧だった（－）
	全米、ロサンゼルス、シカゴ等の重要批評家賞制覇（＋＋）
	2019年、最も高い評価を受けた作品は間違いなくコレ（＋＋＋＋）
	国際長編映画賞確実。それで我慢して…「ROMA」と同じ流れ（－－）
	字幕嫌いの会員は外国語という時点でアウト（－）

The Nine Nominees　ノミネート作品　［I guessed 9/9］
1917 命をかけた伝令　1917
	配給：ユニヴァーサル　　監督：サム・メンデス
	Nominees 作品、監督、脚本、撮影、美術、メイキャップ＆ヘアスタイリング、視覚効果、録音他（10部門）
	Precursors PGA、BAFTA、GGA、KCFCC、DFFCA、MCFCA、HCA、DFCS2
	第一次世界大戦を描く。…と言ってもただの戦争映画ではない。物語をワンカットで描き出すという野心的かつ実験的試みに挑戦する。メンデスでなければできなかった圧倒的演出力を目撃せよ。
フォードvsフェラーリ　Ford v. Ferrari
	配給：20世紀フォックス　　監督：ジェームズ・マンゴールド
	Nominees 作品、編集、録音、音響効果（4部門）
	Precursors GSA
	意外にも成功したカーレース映画は少ない。そのジンクスを跳ね除けて、批評的にも興行的にも大金星。キャロル・シェルビーとケン・マイルズによるフォード復活の史実には興奮と感動が詰まっている。
アイリッシュマン　The Irishman
	配給：Netflix　　監督：マーティン・スコセッシ
	Nominees 作品、監督、助演男優（×2）、脚色、撮影、編集、美術、衣装デザイン他（10部門11ノミネート）
	Precursors NBR、NYFCC、SDFCS、NTFCA
	スコセッシはやっぱりマフィア映画でなければ！その期待に応える新たなる代表作が登場。209分という長尺の中にスコセッシの魂が宿る。それを実現したのがNetflixというのは吉と出るかどうか。
ジョジョ・ラビット　Jojo Rabbit
	配給：フォックス・サーチライト　　監督：タイカ・ワイティティ
	Nominees 作品、助演女優、脚色、編集、美術、衣装デザイン（6部門）
	Precursors None
	昨年の作品賞覇者「グリーンブック」と同じトロント映画祭観客賞を受賞して俄かにBUZZ沸騰。ナチス物を喜劇として撮るという試みに拒否反応も出ているが、オスカーは結局ユダヤ映画を愛する。
ジョーカー　Joker
	配給：ワーナー・ブラザース　　監督：トッド・フィリップス
	Nominees 作品、監督、主演男優、脚色、撮影、編集、衣装デザイン他（最多11部門）
	Precursors PFCS
	2019年最も賛否が割れた映画と言って良いだろう。バットマンの最大の敵として知られるジョーカーの誕生秘話を恐れることなく描き出す。興行的成功は予測と期待を大きく超えている。
ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語　Little Women
	配給：コロンビア　　監督：グレタ・ガーウィグ
	Nominees 作品、主演女優、助演女優、脚色、衣装デザイン、作曲（6部門）
	Precursors BSFC
	賞レース序盤に出遅れたのは、やはりプロモーション開始時期の問題だったらしい。興行的成功により俄かにBUZZ沸騰。監督賞候補漏れは残念だが、女性会員票は余計にここに集中する？
マリッジ・ストーリー　Marriage Story
	配給：Netflix　　監督：ノア・バームバック
	Nominees 作品、主演男優、主演女優、助演女優、脚本、作曲（6部門）
	Precursors IFJA、DFCC、NFCS、GWNYFCA
	いつも決してメインストリームではないバームバック映画が遂に認められた。“2019年の「クレイマー、クレイマー」”と呼ばれる離婚劇に心を揺さぶられる観客が続出。真のNo.1映画との声も出ている。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド　Once Upon a Time... in Hollywood
	配給：コロンビア　　監督：クエンティン・タランティーノ
	Nominees 作品、監督、主演男優、助演男優、脚本、撮影、美術、衣装デザイン他（10部門）
	Precursors GGA、GSA、BFCA、LVFCS、OFCC、SLFCA、SFFCC、IFCA、HFCS2、NDFS
	決して外さない男タランティーノが生涯撮る映画は10本。その9作目で再びオスカーに挑む。ハリウッド黄金期が終わろうとしている時代、タランティーノの映画愛が炸裂。映画人たちは辛抱堪らん？
パラサイト半地下の家族　Parasite
	配給：ネオン　　監督：ポン・ジュノ
	Nominees 作品、監督、脚本、編集、美術、国際長編映画（6部門）
	Precursors NSFC、LAFCA、CFCA、WFCA、AFCC、DFCS、SFCA、SFCS、UFCA、COFCA、HFCS...
	韓国映画はオスカーと縁がなかった。外国語映画賞で認められたことすらなかった。それがいきなり作品賞候補、それも受賞も夢ではない距離にいる。世界がポン・ジュノワールドの虜になる。

ranking

製作費			前哨戦ポイント　-1/19-
1	アイリッシュマン	$159m	1	パラサイト半地下の家族	187.5 p
2	1917 命をかけた伝令	$100m	2	ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド	187.0 p
3	フォードvsフェラーリ	$97m	3	アイリッシュマン	169.5 p
4	ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド	$90m	4	1917 命をかけた伝令	164.0 p
5	ジョーカー	$55m	5	マリッジ・ストーリー	142.0 p
6	ストーリー・オブ・マイライフ	$42m	6	ジョーカー	136.0 p
7	ジョジョ・ラビット	$14m	7	ジョジョ・ラビット	117.5 p
8	パラサイト半地下の家族	$10m	8	フォードvsフェラーリ	98.0 p
9	マリッジ・ストーリー	$8.6m	9	ストーリー・オブ・マイライフ	91.0 p

評価 rating			興行収入　-1/12-
1	パラサイト半地下の家族	97.5 p	1	ジョーカー	$334m
1	マリッジ・ストーリー	96.9 p	2	ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド	$141m
3	アイリッシュマン	95.5 p	3	フォードvsフェラーリ	$111m
4	ストーリー・オブ・マイライフ	93.4 p	4	ストーリー・オブ・マイライフ	$74m
5	1917 命をかけた伝令	86.3 p	5	1917 命をかけた伝令	$39m
6	ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド	84.6 p	6	パラサイト半地下の家族	$25m
6	ジョジョ・ラビット	84.6 p	7	ジョジョ・ラビット	$21m
8	ジョジョ・ラビット	67.3 p	8	アイリッシュマン	n/a
9	ジョーカー	63.0 p	8	マリッジ・ストーリー	n/a

上映時間
1	アイリッシュマン	209min
2	ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド	161min
3	フォードvsフェラーリ	152min
4	マリッジ・ストーリー	137min
5	ストーリー・オブ・マイライフ	135min
6	パラサイト半地下の家族	132min
7	ジョーカー	122min
8	1917 命をかけた伝令	119min
9	ジョジョ・ラビット	108min

ノミネート予想（1/10）

Final Prediction

　今年もまた、1月半ばだと言うのに作品賞レースの本命が見えない。近年この傾向が続く。かつてのようにオスカー好みど真ん中の作品が必ずしも作品賞を受賞しているわけではないのは、いよいよインターネット社会の影響のはずだ。「賞レース戦略」がますます大きな意味を持ち、たったひとつの一手が戦局を変えることもある。

　…と言っても、最大10枠にまで増えた作品賞部門において、候補落ちがあり得ない作品は存在する。今年で言えば、『1917 命をかけた伝令』『アイリッシュマン』『マリッジ・ストーリー』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『パラサイト半地下の家族』がノミネーションから弾かれることはないだろう。受賞作品もこの中から生まれる可能性が高い。トロント国際映画祭で観客賞を受賞した『ジョジョ・ラビット』も、去年の「グリーンブック」の例を挙げるまでもなく、候補入りまでは問題ないのではないか。

　…となると、残り4枠。賞レースや過去の傾向から推測すると『スキャンダル』『ルディ・レイ・ムーア』『フェアウェル』『フォードvsフェラーリ』『ジョーカー』『ナイブズ・アウト名探偵と刃の館の秘密』『ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語』『2人のローマ教皇』『アンカット・ダイヤモンド』あたりが可能性を残しているだろうか。

　この内、No.1票が入りやすい作品はどれだろう。おそらく『ジョーカー』ではないか。今年最も評価が割れた作品と言って良く、賛否の対立はどの作品よりも鮮明だった。酷評派の支持により、ワースト映画賞部門で選出している批評家賞すらあるぐらいで、すなわちそれは良くも悪くも目立つということだ。候補入りを狙う作品の中でもヒットの規模は段違い。作品を観ている会員も多いはずで、自ずとNo.1票も増えるに違いない。アメコミを原作にしているという、他作品との毛色の違いもプラスになるのではないか。

　『ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語』は不思議なほど前哨戦、作品賞部門で無視されている。ただ、評価は抜群に高い。昔から愛されてきた古典が原作で、監督は勢いに乗るグレタ・ガーウィグ。おそらく女性会員から手堅く支持を集めるのではないか。…となると、ひょっこりオスカーに顔を出すことも考えられる。

　尤も、いちばん現実的なのはオスカーらしい大作感のある『フォードvsフェラーリ』になるだろう。映画俳優組合賞で愛された『スキャンダル』も強いはずだ。ただ、どちらもBUZZをほとんど感じないのが気になるところ。『ジョーカー』や『ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語』の方が熱さを感じるのだ。

OSCAR PLANET Prediction
1917 命をかけた伝令（サム・メンデス監督）	Lock
フォードvsフェラーリ（ジェームズ・マンゴールド監督）	Shaky
アイリッシュマン（マーティン・スコセッシ監督）	Lock
ジョジョ・ラビット（タイカ・ワイティティ監督）	Likely
ジョーカー（トッド・フィリップス監督）	Shaky
ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語（グレタ・ガーウィグ監督）	Shaky
マリッジ・ストーリー（ノア・バームバック監督）	Lock
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド（クエンティン・タランティーノ監督）	Lock
パラサイト半地下の家族（ポン・ジュノ監督）	Lock
The Runner-up
ナイブズ・アウト名探偵と刃の館の秘密（ライアン・ジョンソン監督）	Shaky

The Five - Ten Frontrunners　フロントランナー（5～10作品）　（1/10）
Lock
1917 命をかけた伝令 1917 （ユニヴァーサル） Win: PGA、BAFTA、GGA、KCFCC、DFFCA、MCFCA、HCA、DFCS2	サム・メンデスが第一次世界大戦を背景にしたドラマを撮る。全編ワンカットに見える実験色あり。スティーヴン・スピルバーグ曰く「大胆で野心的」。 ~~Weak Point~~ 4月撮入、12月公開の急ピッチ作業。じっくり編集した方が良い出来映えになるかもという心配も、戦争映画は意外に賞受けしない傾向にあるという事実も、圧倒的臨場感が吹き飛ばす。
アイリッシュマン The Irishman （Netflix） Win: NBR、NYFCC、SDFCS、NTFCA	長年マーティン・スコセッシが温めてきた企画が実現。伝説のマフィア、ラッセル・バッファリーノに仕えた殺し屋フランク・“アイリッシュマン”・シーランを描く。 ~~Weak Point~~ 確かにNetflix映画。監督のマーヴェル論争もマイナスになるかも。それでもロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ…生きるレジェンドが総出演する人間ドラマの価値は揺るがない。
マリッジ・ストーリー Marriage Story （Netflix） Win: IFJA、DFCC、NFCS、GWNYFCA	癖は強くても、熱狂的なファンの多いノア・バームバック監督作。スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライヴァーが離婚カップルに扮して騒動を繰り広げる。 ~~Weak Point~~ インディペンデント・スピリット賞向き。…かと思いきや、これまでで最も間口の広い作り。BUZZ拡大が早過ぎるという危惧を吹き飛ばし、“2019年の「クレイマー、クレイマー」”へ！
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド Once Upon a Time... in Hollywood （コロンビア） Win: GGA、GSA、BFCA、LVFCS、OFCC、SLFCA、SFFCC、IFCA、HFCS2、NDFS	1969年、カルト集団マンソン・ファミリーによるシャロン・テート殺害事件を題材にしたコメディ・ドラマ。クエンティン・タランティーノ復活にカンヌ大熱狂。 ~~Weak Point~~ タランティーノ×レオナルド・ディカプリオ×ブラッド・ピット。奇跡のプロジェクト。サマーリリースで娯楽要素が強いという不安要素も吹き飛ばして、映画好きの心を完璧に掴んで離さない。
パラサイト半地下の家族 Parasite （ネオン） Win: NSFC、LAFCA、CFCA、WFCA、AFCC、DFCS、SFCA、SFCS、UFCA、COFCA、HFCS、NCFCA、AFCA、GFCA、TFCA、VFCC、LFCC、OFCS、NYFCO、BOFCA、PFCC2	ポン・ジュノがやった！カンヌ映画祭パルムドールを受賞する快挙。半地下で暮らす全員無職の家族が、裕福な家庭に寄生してく様を描く。 ~~Weak Point~~ 娯楽と社会問題を見事に融合。トロントでも熱狂を巻き起こして、外国語ながらダークホースに浮上。いや、ダークホースじゃない。受賞もあり得る大絶賛。“2019年の「ROMA ローマ」”へ！
Likely
ジョジョ・ラビット Jojo Rabbit （フォックス・サーチライト）	第二次大戦下、空想上のアドルフ・ヒトラーと遊ぶ少年が、母親がユダヤ人少女を匿っていることを知り…。オスカーはユダヤ物が大好き。 Weak Point この題材を手掛けるのがタイカ・ワイティティという変化球。この人選が吉と出るか凶と出るか。トロント映画祭で観客賞で輝くも、批評家の反応は鈍い。2019年の「グリーンブック」になる？
Shaky
フォードvsフェラーリ Ford v. Ferrari （20世紀フォックス） Win: GSA	1966年ル・マン24時間レース、王者フェラーリをフォードが破った実話を描く。フォードチームにはクリスチャン・ベールとマット・デイモンの豪華コンビ。 Weak Point フォードとフェラーリの抗争を描く映画は他にも企画あり。そちらを意識し過ぎた急ピッチ作業映画になりませんように。カーレース映画は興行的に当たらないというのが定説。さて、今回は…。
ジョーカー Joker （ワーナー・ブラザース） Win: PFCS	バットマンの宿敵、ジョーカーを主人公にした犯罪スリラーが世界的社会現象を巻き起こす。賛否両論真っ二つなのは、もはや勲章。 Weak Point コミック史に輝くアイコンを演じるのはホアキン・フェニックス。その狂気の演技に注目が集中するかもしれない。そもそもこのジャンルが作品賞で認められるのは稀。候補入りしたら、オスカー、偉い！
ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語 Little Women （コロンビア） Win: BSFC	何度も映画化されているルイーザ・メイ・オルコットの古典をグレタ・ガーウィグが手掛ける。シアーシャ・ローナンを始め、旬の俳優が勢揃い。 Weak Point コスチューム物は意外に賞受けしない上、オリジナリティが求められるオスカーでは古典の映画化も無視されがちな傾向。衣装デザイン賞と美術賞の候補は確実。女性会員票をどれだけ取り込めるか。

ノミネーション予想これまでの流れ 2019　（Changes in Red）
Final
1917 命をかけた伝令	パラサイト半地下の家族	フォードvsフェラーリ	アイリッシュマン	ジョジョ・ラビット
ストーリー・オブ・マイライフ	ワンス・アポン・ア・タイム…*	マリッジ・ストーリー	ジョーカー	-
The Leader：ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
12/1
1917 命をかけた伝令	パラサイト半地下の家族	フォードvsフェラーリ	アイリッシュマン	ジョジョ・ラビット
スキャンダル	ワンス・アポン・ア・タイム…*	マリッジ・ストーリー	ジョーカー	ストーリー・オブ・マイライフ
11/1
1917 命をかけた伝令	パラサイト半地下の家族	フォードvsフェラーリ	アイリッシュマン	ジョジョ・ラビット
スキャンダル	ワンス・アポン・ア・タイム…*	マリッジ・ストーリー	フェアウェル	-
10/1
1917 命をかけた伝令	パラサイト半地下の家族	フォードvsフェラーリ	アイリッシュマン	ジョジョ・ラビット
ストーリー・オブ・マイライフ	ワンス・アポン・ア・タイム…	マリッジ・ストーリー*	フェアウェル	-
9/1
1917 命をかけた伝令	ザ・ゴールドフィンチ	フォードvsフェラーリ	アイリッシュマン*	ジョジョ・ラビット
ストーリー・オブ・マイライフ	ワンス・アポン・ア・タイム…	マリッジ・ストーリー	フェアウェル	-
8/1
1917 命をかけた伝令	ザ・ゴールドフィンチ	フォードvsフェラーリ	アイリッシュマン*	ジョジョ・ラビット
ストーリー・オブ・マイライフ	ワンス・アポン・ア・タイム…	ザ・レポート	フェアウェル	-
7/1
ダウントン・アビー	ザ・ゴールドフィンチ	フォードvsフェラーリ	アイリッシュマン*	ジョジョ・ラビット
ストーリー・オブ・マイライフ	ワンス・アポン・ア・タイム…	ザ・レポート	フェアウェル	-
6/1
ダウントン・アビー	ザ・ゴールドフィンチ	フォードvsフェラーリ	アイリッシュマン*	ジョジョ・ラビット
ストーリー・オブ・マイライフ	ワンス・アポン・ア・タイム…	ザ・レポート	ロケットマン	-
5/1
ダウントン・アビー	スキャンダル	フォードvsフェラーリ	アイリッシュマン*	ジョジョ・ラビット
ストーリー・オブ・マイライフ	ワンス・アポン・ア・タイム…	ザ・レポート	ロケットマン	-

The Other Contenders　その他の有力候補　（1/10）
Very Possible
スキャンダル Bombshell （ライオンズゲイト）	#MeToo運動の走りの出来事と言われる、FOXニュースのロジャー・エイルズセクハラ騒動を描く。まさにタイムリーな題材。シャーリズ・セロンとマーゴット・ロビーの演技賞中心の戦いになる予感。
ルディ・レイ・ムーア Dolemite Is My Name （Netflix）	ラップミュージシャン、コメディアン、映画プロデューサー…様々な顔を持つ1970年代のスター、ルディ・レイ・ムーアを描く伝記映画。エディ・マーフィが勝負に出る。Netflixアレルギー。
フェアウェル The Farewell （A24）	賞にこそ絡めなかったが、サンダンスで抜群の評価を獲得した家族群像コメディ。祖母の末期癌をきっかけに集結する家族を涙と笑いたっぷりに。アジア物なら『パラサイト』がより強力。Win: ISA
ナイブズ・アウト名探偵と刃の館の秘密 Knives Out （ライオンズゲイト）	新鋭ライアン・ジョンソンの監督の下、人気スターが結集。配給元は探偵映画を再定義する一本だと自信満々。批評家絶賛だが、賞受けするのは難しいジャンル。Win: PFCC
2人のローマ教皇 The Two Popes （Netflix）	教皇ベネディクト16世、教皇フランシス。カトリック教会において最も力を持つふたりが、正反対のヴィジョンを掲げながら教会のために動く様を描く。描き方によっては賛否が真っ二つに割れそう。
アンカット・ダイヤモンド Uncut Gems （A24）	「神様なんかくそくらえ」「グッド・タイム」と良質作連発で注目のサフディ兄弟監督作。ニューヨークのダイヤモンド街を舞台に、借金返済を迫られる宝石店オーナーを描く犯罪コメディ。
Possible
イントゥ・ザ・スカイ気球で未来を変えたふたり The Aeronauts （アマゾン・スタジオ）	空に関して謎が多かった1892年、熱気球パイロットのアメリア・レンと科学者ジェームズ・グレイシャーの冒険の旅を描く実話物。「博士の彼女のセオリー」の主役コンビが再共演。
幸せへのまわり道 A Beautiful Day in the Neighborhood （トライスター）	子ども向け長寿番組「Mister Rogers' Neighborhood」の司会で知られるフレッド・ロジャースとジャーナリストの関係を描く実話物。注目度抜群の女性監督マリエル・ヘラーとトム・ハンクスがタッグ。
ダーク・ウォーターズ巨大企業が恐れた男 Dark Waters （フォーカス・フィーチャーズ）	化学企業デュポンの環境汚染を告発する弁護士ロバート・ビロットを描く実話ドラマ。New York Timesをベースにトッド・ヘインズが映画化。マーク・ラファロ、アン・ハサウェイら強力キャスト結集。
ハリエット Harriet （フォーカス・フィーチャーズ）	19世紀半ばの奴隷解放家にして女性解放家、ハリエット・タブマンを描く伝記物。ブロードウェイの新星シンシア・エリヴォが主演を務める。タブマンは新20ドル札の顔に決まっている。
名もなき生涯 A Hidden Life （フォックス・サーチライト）	第二次世界大戦下、ナチスと戦うことを拒否するオーストリア男性を描く戦争ドラマ。手掛けるのはこのジャンルと相性の良いテレンス・マリック。主演男優はアメリカでほぼ無名に近い。
ハスラーズ Hustlers （STXフィルムズ）	ニューヨーク誌に掲載された記事を基に製作。ストリッパーの女たちがウォール街を牛耳るクライアントたちから金を盗み出す計画を立てて…。…と娯楽路線まっしぐらだが、批評家絶賛なのが面白い。
ジュディ虹の彼方に Judy （ロードサイド・アトラクションズ、LDエンターテイメント）	1968年冬、コンサートのためにロンドンを訪れたジュディ・ガーランドを描く実話物。ガーランドをレニー・ゼルウィガーが演じるのが話題。まさか「グレース・オブ・モナコ」みたいにならないだろうね…。
黒い司法 0％からの奇跡 Just Mercy （ワーナー・ブラザース）	弁護士ブライアン・スティーヴンソンによるノンフィクションの映画化。冤罪により6年間投獄された黒人青年とその弁護士の物語。マイケル・Ｂ・ジョーダンが主演と製作を兼ねる意欲作。
ライトハウス The Lighthouse （A24）	20世紀初頭、年老いた灯台守を描くファンタジー・ホラー。大凡オスカー好みとは思えないが、「ウィッチ」で世界を震撼させたロバート・エガース映画と来れば、やはり注目。ウィレム・デフォー主演が武器。
ペイン・アンド・グローリー Pain and Glory （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）	ペドロ・アルモドヴァルが自らのルーツに戻る作品と伝えられている。晩年を迎えた映画監督がこれまでの人生で下してきた決断を振り返ることに…。アルモドヴァル映画に馴染みの俳優が結集。
クイーン＆スリム Queen & Slim （ユニヴァーサル）	ファーストデートで警官を殺害してしまったカップルがキューバへ逃亡を図ろうとして…。娯楽性重視の作りのようにも聞こえるが、ドラマ性もたっぷり用意されるとの噂。好調ダニエル・カルーヤ主演。
ザ・レポート The Report （アマゾン・スタジオ）	9.11同時多発テロ後、CIAがテロ容疑者に対して行った非人道的な取り調べ、即ち拷問を描く実話ドラマ。サンダンス映画祭で絶賛。アマゾン・スタジオの配給に不安の色。Netflixアレルギーよりマシ？
リチャード・ジュエル Richard Jewell （ワーナー・ブラザース）	アトランタ五輪爆破テロ事件に運命を狂わされるひとりの男を描く実話物。クリント・イーストウッド再び社会の闇に斬り込む。6月クランクイン、12月公開の急ピッチ作業。自信の表れか。
アス Us （ユニヴァーサル）	「ゲット・アウト」をホラー・コメディでありながらオスカー戦線に送り込んだジョーダン・ピール映画。休暇中の四人家族が恐怖に襲われる様を描く。今回も怖いだけじゃなく可笑しさもあるとの噂。
WAVES ウェイブス Waves （A24）	二組の若いカップルが苦悩しながら成長、恋をする様を描く青春群像劇。ダークホースの呼び声高いが、若者を中心にした映画はオスカー受けし難い。脚本賞を目指すのが賢明では？
Longshot
アド・アストラ Ad Astra （20世紀フォックス）	海王星に向かうミッション途中で消えた父を、20年後探しに出る男を描くSFスリラー。珍しやジェームズ・グレイとブラッド・ピットがこのジャンルに挑む。近年のオスカーはSFにも寛容。急遽夏公開が中止。
アベンジャーズエンドゲーム Avengers: Endgame （ディズニー）	2008年「アイアンマン」から始まったマーヴェル・シネマティック・ユニヴァースの第一幕が遂に完結。シリーズを欠かさず追いかけてきた人への贈り物のような場面の連打。批評家絶賛＆記録的大ヒット。
ブックスマート卒業前夜のパーティーデビュー Booksmart （ユナイテッド・アーティスツ）	いくつかの短編映画を手掛けてきたオリヴィア・ワイルドが長編監督デビュー。高校時代にやり残したことを一晩でやり遂げようとする少女二人組を描く青春物。興行的にコケてしまったのが痛い。
ブリタニー・ランズ・ア・マラソン Brittany Runs a Marathon （アマゾン・スタジオ）	自分を変えるためニューヨーク・マラソンを目標にトレーニングを始めるぽっちゃり女性を描くコメディ・ドラマ。サンダンス映画祭で観客賞を受賞。ジリアン・ベルの好感度の高い演技が大好評。
Clemency （ネオン）	長く死刑執行に立ち会ってきた刑務所署長の女性がひとりの囚人と出会い、その心の矛盾を揺るがせていく。サンダンス映画祭で大いに話題を呼んだが、ヒットは見込めない内容かも？
Diane （IFCフィルムズ）	他人に尽くしながら、ドラッグ中毒の息子との関係の修復を試みている女性を描くインディーズ・ドラマ。メアリー・ケイ・プレイスの演技を中心に、トライベッカ映画祭で絶賛される。
ダウントン・アビー Downton Abbey （フォーカス・フィーチャーズ）	大ヒットTVシリーズが本当に映画になる。1927年秋、クローリー家の面々がある事情からダウントンに戻り…。オリジナルは賞レースの常連だった。TVシリーズを観ていない映画ファンは楽しめるのだろうか。
ファイティング・ファミリー Fighting with My Family （MGM）	レスラー・ファミリーの兄妹にチャンス到来。しかしWWEのハードルは予想以上に高いもので…。ドウェイン・ジョンソンがプロデュース・出演することで話題のコメディ。おそらくヒット狙い。
グロリア永遠の青春 Gloria Bell （A24）	世界的ヒットを記録したチリ映画「グロリアの青春」が同じ監督の手によりリブート。ストーリーは異なり、LAのダンスクラブで新たな愛を探す50代女性を描く。ジュリアン・ムーア主演が武器。
ハイ・ライフ High Life （A24）	フランスの鬼才クレール・ドゥニが初の英語映画に挑戦。宇宙空間で孤立した生活を送る死刑囚の父とその娘の物語。ブラックホールに向かう宇宙船の中でふたりは何を思うのか。哲学的な内容？
ハニーボーイ Honey Boy （アマゾン・スタジオ）	子役スターとアル中で犯罪に手を染める父親の10年に渡る関係を綴る。シャイア・ラブーフの実体験を基にした内容。ラブーフとルーカス・ヘッジズが親子に扮する。サンダンスで好評。
ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ The Last Black Man in San Francisco （A24）	サンダンスで監督賞、審査員大賞を受賞、話題を呼んだインディーズ映画。土地開発で変わりゆく街、祖父の建てた家を守ろうとするアフリカ系青年。インディペンデント・スピリット賞を目指そう。
レイトナイト私の素敵なボス Late Night （アマゾン・スタジオ）	サンダンス映画祭で話題を呼んだコメディ・ドラマ。レイトナイトトークショウの女性ホストが職を失うのではないかと疑い出したことから起こる騒動。ミンディ・カリングの脚本に笑いとハートがたっぷり！？
ルース・エドガー Luce （ネオン）	舞台劇の映画化。10年前エリトリアから引き取られた男の子がティンエイジャーに成長、養父母と共に幸せに暮らしていたが、アイデンティティーに目覚めて…。サンダンス映画祭で好評。
ミッドサマー Midsommar （A24）	「ヘレディタリー継承」で世界を驚愕・震撼させたアリ・アスターによる新たなるホラー。スウェーデンの田舎町の祭りを訪れたカップルが、カルト的儀式の恐怖に巻き込まれる。オスカーはホラーが苦手。
マザーレス・ブルックリン Motherless Brooklyn （ワーナー・ブラザース）	エドワード・ノートンが長らく温めてきたジョナサン・レセムの小説の映画化プロジェクトが遂に実現。ノートンは主演と脚本も兼ねる。トゥレット症候群の探偵が主人公の犯罪ドラマ。撮影中に火事発生。
ロケットマン Rocketman （パラマウント）	未だ現役、あのエルトン・ジョンを描く実話物。音楽とファンタジーが絡み合い、通常の伝記物とは一味違う仕上がりで、“2019年の「ボヘミアン・ラプソディ」”を狙うも、メガヒットへは発展せず。
ザ・スーベニア魅せられて The Souvenir （A24）	1980年代初頭、映画学校に通う女学生が複雑だが信用ならない男と恋に落ちる物語。ジョアンナ・ホッグの実体験がふんだん。ティルダとオナー、スウィントン母娘が共演。サンダンス絶賛。
トイ・ストーリー4 Toy Story 4 （ディズニー）	数あるピクサー・アニメーションの中でも「トイ・ストーリー」シリーズは別格の風格。完結したと思われた物語が再起動、果たしてどんな結果に？フォーキーという名の手作りおもちゃが鍵を握る。

No Chance　チャンスなし　（1/10）
モーガン夫人の秘密 The Aftermath （フォックス・サーチライト）	ビーチ・バムまじめに不真面目 The Beach Bum （ネオン）
ベスト・オブ・エネミーズ価値ある闘い The Best of Enemies （STXフィルムズ）	キャッツ Cats （ユニヴァーサル）
デッド・ドント・ダイ The Dead Don't Die （フォーカス・フィーチャーズ）	ドクター・スリープ Doctor Sleep （ワーナー・ブラザース）
テッド・バンディ Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile （Netflix）	ポルトガル、夏の終わり Frankie （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）
ジェミニマン Gemini Man （パラマウント）	ザ・ゴールドフィンチ The Goldfinch （ワーナー・ブラザース）
グッドライアー偽りのゲーム The Good Liar （ワーナー・ブラザース）	ザ・テキサス・レンジャーズ The Highwayman （Netflix）
ホテル・ムンバイ Hotel Mumbai （ブリーカー・ストリート）	ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち The Hummingbird Project （ザ・オーチャード）
ふたりのＪ・Ｔ・リロイベストセラー作家の裏の裏 JT LeRoy （ユニヴァーサル）	キング The King （Netflix）
ザ・キッチン The Kitchen （ワーナー・ブラザース）	ザ・ランドロマットパナマ文書流出 The Laundromat （Netflix）
LORO 欲望のイタリア Loro （サンダンス・セレクツ）	ルーシー・イン・ザ・スカイ Lucy in the Sky （フォックス・サーチライト）
ミッドウェイ Midway （ライオンズゲイト）	Native Son （HBOフィルムズ）
ピータールーマンチェスターの悲劇 Peterloo （アマゾン・スタジオ）	博士と狂人 The Professor and the Madman （ヴァーティカル・エンターテイメント）
ジョーンの秘密 Red Joan （IFCフィルムズ）	セバーグ Seberg （アマゾン・スタジオ）
トールキン旅のはじまり Tolkien （20世紀フォックス）	炎の裁き Trial by Fire （ロードサイド・アトラクションズ）
ベルベット・バズソー：血塗られたギャラリー Velvet Buzzsaw （Netflix）	Vita and Virginia （モングレル・メディア）
バーナデットママは行方不明 Where'd You Go, Bernadette （アンナプルナ）	ホワイト・クロウ伝説のダンサー The White Crow （ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）
イエスタデイ Yesterday （ユニヴァーサル）

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