Predictions -Best Actor-

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主演男優賞

受賞予想（3/9）

Final Predictions

オースティン・バトラー

コリン・ファレル

ブレンダン・
フレイザー

ポール・メスカル

ビル・ナイ

◎

△

○

OSCAR PLANET Prediction		オースティン・バトラー（エルヴィス）
General Prediction		オースティン・バトラー（エルヴィス） or コリン・ファレル（イニシェリン島の精霊） or ブレンダン・フレイザー（ザ・ホエール）
My Hope		ビル・ナイ（生きる LIVING）

　主演男優賞が三つ巴の様相を呈している。『エルヴィス』のオースティン・バトラー、『イニシェリン島の精霊』のコリン・ファレル、『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザーがデッドヒートを繰り広げている。

　批評家賞はファレルが強かった。作品が批評家に愛されていることもあるのだろう。その主演男優ファレルが「タイガーランド」（00年）以来の注目度でゴールデン・グローブ賞を始めとする重要賞を次々受賞した。ライヴァルと目されたフレイザーはそれに何とか食らいついていた格好で、作品評価の伸び悩みを何とか賞好みの役どころでカヴァーした。バトラーは批評家賞では目立たなかったが、ゴールデン・グローブ賞受賞以降、急激に存在感を発揮、英国アカデミー賞も受賞した。

　フレイザーの劇的なカムバックは、賞レースの「ストーリー」としてとても面白い。どん底を味わった男が、それも自分のせいではない権力者のセクハラによりそれを味わった男が、死期の迫る中、娘との関係修復を試みる（しかも超肥満体というオマケつき）という美味しい役どころを獲得、キャリア最高の評価を得ている。一度消えた男の華々しい復活は、絵になるのだ。ただ、賞レースシーズン、この泣かせる「ストーリー」を前面に押し出したキャンペーンは、やや過剰に感じる。ブロードキャスト映画批評家賞やアメリカ映画俳優組合賞を受賞したフレイザーは、涙ながらに感謝のスピーチを行ったが、何と言うか、かえって興醒めした会員は少なくないのではないかと察する。

　オスカー好みの役と言ったら、バトラーも負けていない。何と言っても、手掛けたのはキング・オブ・ロックンロール、エルヴィス・プレスリーだ。20世紀最大のアイコンと言って過言ではない人物。決して顔立ちは似ているとは言えないバトラーはしかし、メイクの力を借りながら、発声や所作を完全コピー、しかもその葛藤をドラマで滲ませる、これ以上ない最高の演技を披露した。作品評価はやはりさほど伸びなかったが（それでも作品賞候補だ）、否定派もバトラーの演技は手放しで讃えている。入魂の役作りのためか、依然プレスリーが本人から抜け切れていない（ように見える）のも、さり気なくプラスポイントだろう。

　ファレルはフレイザーやバトラーと違って作品パワーが強力だ。親友に突然絶縁宣言されて苦悩する役どころ。トレードマークの八の字眉毛がこれほどまでに活かされた役柄もないだろう。そこまで下手に出なくても…なんて思ってしまうほどに同情する役柄で（彼は退屈男の烙印を押されるのだ）、しかし終幕には大きな変貌を遂げる。助演賞候補入りしたブレンダン・グリーソンとの一騎打ちは大変な見応えだ。ファレルは別段賞好みの役柄・演技というわけではないものの、その質そのものを信じての参戦になる。

　三つ巴は熾烈を極めるが、ややバトラー有利の匂いあり。勢いのつき方が、「博士と彼女のセオリー」（14年）のエディ・レッドメイン、或いは「ボヘミアン・ラプソディ」（18年）のラミ・マレックが主演男優賞を受賞したときに似たものを感じるのだ。ヴェテランが愛される部門だが、一度上昇気流に乗った若手は強い。

　『aftersun アフターサン』のポール・メスカルと『生きる LIVING』のビル・ナイの受賞はないだろう。どちらも候補入りした時点でBUZZは消失した感。

　バトラー vs. ファレル vs. フレイザー。誰が来ても祝福されるだろうが、会員は強大なプレッシャーに打ち克ったバトラーを讃えると見た。

**Prediction Chart**
		％	Final	3/1	2/22	2/15	2/8	2/1
1	オースティン・バトラー『エルヴィス』	30	1	1	1	2	3	3	本命
2	ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』	30	2	2	2	1	1	2	対抗
3	コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』	30	3	3	3	3	2	1	大穴
4	ビル・ナイ『生きる LIVING』	5	4	4	4	4	4	4	Happy to be Nominated
5	ポール・メスカル『aftersun アフターサン』	5	5	5	5	5	5	5	Happy to be Nominated

**List of Marks**
オースティン・バトラー『エルヴィス』	初ノミネート！フレッシュ！！！（＋）	10.5
	エルヴィス・プレスリー役。知らない人はいません（＋＋＋）
	歌もダンスも完全再現。魂も掬い取る（＋＋＋）
	オスカーは実在の人物好き。かつキング・オブ・ロックンロール！（＋＋＋）
	作品評価はやや伸び悩んだ。作品賞候補入りだけどね（＊）
	ゴールデン・グローブ賞受賞。プレスリー訛りが話題に（＋＋）
	まだまだ若い。これからチャンスは何度でも…（－）
コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』	念願の初ノミネート！やっとです！！（＋）	7.0
	親友に絶交されちゃう「退屈」男役。えーん…（＋＋）
	これほどまで八の字眉毛が有効活用されたことがあっただろうか（＋＋）
	ゴールデン・グローブ、NBR他重要賞次々制覇（＋＋＋）
	この部門を制するには地味な役どころかも…（－）
	長らく活動しているが、所謂ヒット作にはあまり縁がない（＊）
	ロバのジェニー可愛かったよねー。ベストカップル賞を！（＊）
ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』	ワーオ、初ノミネート！期待通りの結果（＋）	8.0
	死期が迫る超肥満の父親役。オスカーは変身演技が好き（＋＋＋）
	しばらくハリウッドから離れていた。今年最大のカムバックスター（＋）
	SAG、BFCAで大き過ぎる勝利（＋＋）
	…その際の涙涙のスピーチが話題に（＋）
	「ジャングル・ジョージ」も「ハムナプトラ」も好きだったよ（＊）
	作品評価はさほど伸びなかった（＊）
ポール・メスカル『aftersun アフターサン』	初ノミネート！オースティン・バトラーよりフレッシュ！！（＋）	2.5
	11歳の娘とリゾート地で休暇を過ごす父親役（＊）
	地味にトロント映画批評家協会賞受賞（＊）
	対象作は今年最も愛されたインディーズ映画の一本（＋＋）
	…が、オスカーでは冷遇された印象あり（＊）
	トム・クルーズの候補入りが見たかった！？（＊）
	アンタ誰？これからの人。チャンスは未来にいっぱい…（＊）
ビル・ナイ『生きる LIVING』	初ノミネート！えっ、候補経験なかったの？（＋）	4.5
	余命半年を宣告される仕事人間役（＋＋）
	オリジナルでは志村喬が演じた役どころをしみじみと（＋）
	ロサンゼルス映画批評家協会賞受賞（＋）
	その他の批評家賞は候補止まり（＊）
	映画ファンの間では一番人気かも。皆あなたが大好き（＊）
	作品評価は高いが、作品パワーは弱い（＊）

The Five Nominees　ノミネート男優　［I guessed 4/5］
オースティン・バトラー　Austin Butler
	エルヴィス（ワーナー・ブラザース）
	Oscar Experience first nomination!
	Precursors GGA、GSA、BAFTA、MFCA
	ゴールデン・グローブ賞を受賞した際のスピーチに驚いた。喋り方が今なお、エルヴィス・プレスリーだったからだ。入魂の役作りが抜け切れていないのか、それともあの喋り方になってしまったのか。とにかくバズ・ラーマンによる音楽映画の中、彼は間違いなくプレスリーだった。今年最もオスカー好みのパフォーマンスだ。
コリン・ファレル　Colin Farrell
	イニシェリン島の精霊（サーチライト）
	Oscar Experience first nomination!
	Precursors GGA、NBR、NSFC、NYFCC、BSFC、CFCA、AFCC、WFCA、SFCA、UFCA、DFFCA、FFCC...
	おそらく彼のファンは悔しい思いをしてきたのではないか。「タイガーランド」（00年）の初注目以降、演技的に評価され続けているのに、（主演では）爆発的な興行的成功に恵まれず、オスカーにも無視されてきたからだ。盟友たちと再タッグを組む対象作では八の字眉毛に詩情が漂う。堂々たる初候補。
ブレンダン・フレイザー　Brendan Fraser
	ザ・ホエール（A24）
	Oscar Experience first nomination!
	Precursors SAG、GSA、BFCA、LVFCS、PFCC、SLFCA、PFCS、NFCS、NTFCA、OFCC、CACF、MCFCA...
	ゴールデン・グローブ主催のパーティでのセクハラがハリウッドから距離を置く理由になった…というストーリーができているが、実はそれより前から「過去の人」の匂いはあった。容貌の変化にも驚かされた。ただ、彼は諦めなかった。今の己を活かした役柄を獲得、初候補を勝ち取った。今年最大のカムバックスターだ。
ポール・メスカル　Paul Mescal
	aftersun アフターサン（A24）
	Oscar Experience first nomination!
	Precursors TFCA
	アイルランドから久々に大器が現れた。ほんの僅かな下積みの後、リミテッドシリーズ「ふつうの人々」でブレイク、エミー賞候補にも挙がった注目株は、映画でも花を咲かせる。1990年代後半、11歳の娘とリゾート地で休暇を過ごす父親役。「グラディエーター」（00年）続編の主演決定の報もあり、前途は明るい。
ビル・ナイ　Bill Nighy
	生きる LIVING（ソニー・ピクチャーズ・クラシックス）
	Oscar Experience first nomination!
	Precursors LAFCA
	ひょっとすると今年映画ファンが最も喜んでいるのは、彼の候補入りではないか。老若男女問わず愛される英国のバイプレーヤー。シリアスに徹することもできるが、やっぱりそのチャームが愛おしい。対象作は黒澤明監督による日本映画「生きる」（52年）のリメイク。志村喬が演じた役どころで、絶賛を勝ち取る。

ranking

前哨戦ポイント　-2/5-			対象作の評価 rating
1	コリン・ファレル	217.0 p	1	ポール・メスカル	96.9 p
2	ブレンダン・フレイザー	158.5 p	1	コリン・ファレル	95.1 p
3	オースティン・バトラー	139.0 p	3	ビル・ナイ	87.9 p
4	ポール・メスカル	83.5 p	4	オースティン・バトラー	70.0 p
4	ビル・ナイ	83.5 p	5	ブレンダン・フレイザー	64.8 p

ノミネート予想（1/20）

Final Prediction

　主演男優賞は『イニシェリン島の精霊』のコリン・ファレルと『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザーの一騎打ちと見られている。ふたりの候補落ちは、まずないだろう。彼らの争いに割って入るニューカマー、『エルヴィス』のオースティン・バトラーを加えた3人が各映画賞ノミネーションの大半に名前を連ねてきた面々。個人的にバトラーも受賞の可能性が大いにあるとフンでいる。彼らの山を崩すのは難しいはずだ。

　4番目の席は『生きる LIVING』のビル・ナイだろうか。英国映画界を支える大ヴェテランが、主演作によりキャリア最高の演技と讃えられてレースに参戦する。今年最も功労票が雪崩れ込みやすいプレイヤーだ。おそらく映画ファンにも映画業界にも熱烈な支持者がついている人。彼の候補入りを願う声は大きいはずだ。作品規模が小さいのが気にかかるところではあるが、ロサンゼルス映画批評家協会賞を受賞したのは大きなプラスになったのではないか。

　最後の席の争いが熾烈だ。『トップガンマーヴェリック』のトム・クルーズ、『The Son／息子』のヒュー・ジャックマン、『フェイブルマンズ』のガブリエル・ラベル、『aftersun アフターサン』のポール・メスカル、『インスペクションここで生きる』のジェレミー・ポープらがしのぎを削る。

　評価だけならメスカルで決まりなのだが、如何せん作品規模が小さい上、知名度が低過ぎる。この部門で候補入りするにはまだ若いとされるかもしれない。ラベルも同様の理由で厳しいか。ポープは『自由への道』のウィル・スミスが獲得するはずだった席を狙うものの、やはり同じ理由で難しいのではないか（尤も、ポープとスミスが候補入りを逃した場合、候補者は白人で占められる）。ジャックマンは作品評価が伸びなかったのが苦しい。この部門は今年を代表する作品の主演俳優が候補入りして当たり前とされる向きがある。

　…と考えていくと、クルーズか。対象作は文句なしの2022年No.1ヒット映画。クルーズ再評価の機運が大いに高まっていると見るべきではないか。オスカーにはこれまで3度ノミネート、受賞は逃している。おそらく今回も受賞までは難しいだろうが（いや、候補入りすれば大逆転受賞もあるかもしれない）、久々のノミネーションを手にしてもおかしくない。

　…などと分析していたら、アメリカ映画俳優組合（SAG）では突如、『HUSTLE ハッスル』のアダム・サンドラーが浮上するではないか。オスカー好みの俳優ではないサンドラーゆえ、このまますんなりオスカーでも候補に挙がるとは思えないが、果たして…。

OSCAR PLANET Prediction
オースティン・バトラー（エルヴィス）	Lock
トム・クルーズ（トップガンマーヴェリック）	Shaky
コリン・ファレル（イニシェリン島の精霊）	Lock
ブレンダン・フレイザー（ザ・ホエール）	Lock
ビル・ナイ（生きる LIVING）	Likely
The Runner-up
ポール・メスカル（aftersun アフターサン）	Shaky

The Five Frontrunners　フロントランナー（5名）　（1/20）
Lock
オースティン・バトラー Austin Butler （エルヴィス） Win: GGA、GSA、BAFTA、MFCA	「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で注目された若手が、初の大役獲得。時代のアイコン、エルヴィス・プレスリー役に挑む。 ~~Weak Point~~ 大特訓の末、プレスリーそのものの動きを再現していると大絶賛。今年最大のブレイクスターの座は貰った！？期待されたほどには評価が伸びなかった対象作のBUZZを引き上げるほどの勢い。
コリン・ファレル Colin Farrell （イニシェリン島の精霊） Win: GGA、NBR、NSFC、NYFCC、BSFC、CFCA、AFCC、WFCA、SFCA、UFCA、DFFCA、FFCC、GWNYFCA、NCFCA、SDFCS、SFFCC、IFCA、AFCA、GFCA、PCA、DFCS2、SFCS、KCFCC、OFCS...	マーティン・マクドノー、ブレンダン・グリーソンと再び組み、故郷アイルランド、長年の親友からの絶縁宣言に苦悩する男を演じる。 ~~Weak Point~~ ヒット作のないスターとして有名。賞レースは随分ご無沙汰。…が、今シーズンは主役になる可能性を秘める。キャリアベストと讃えられる演技。対象作に勢いが出れば、受賞まで一直線。
ブレンダン・フレイザー Brendan Fraser （ザ・ホエール） Win: SAG、GSA、BFCA、LVFCS、PFCC、SLFCA、PFCS、NFCS、NTFCA、OFCC、CACF、MCFCA、HFCS2、NDFS、HCA、PFCC2	「ジャングル・ジョージ」「ハムナプトラ」から随分経ち、最近はその変貌ぶりが話題に。それを逆手にとって体重270キロの父親を演じる。 ~~Weak Point~~ 2022年最大のカムバックスターの座を獲得。娘との絆を取り戻そうとするという涙を誘うパフォーマンスはもろオスカー好み。メイキャップのインパクトも手助けに。受賞したらスタンディング・オヴェーション！
Likely
ビル・ナイ Bill Nighy （生きる LIVING） Win: LAFCA	小品から大作まで出演作が増える一方の愛すべき英国バイプレーヤー。日本映画「生きる」のリメイクで志村喬が演じた役に挑む。 Weak Point オスカーには無縁だが、映画ファンのみならず、きっと会員人気も高い人。候補だけでも実現して欲しい。対象作は小品だが、サンダンス映画祭での反応を見る限り、決して不可能な願いではないはず。
Shaky
トム・クルーズ Tom Cruise （トップガンマーヴェリック）	これまで3度候補に挙がりながら、受賞経験なしの大スター。自身をトップスターに押し上げてくれたアクション・ドラマの続編に主演。 Weak Point 彼が今も昔もハリウッドのキングであることを証明する演技だと絶賛される。しかも作品は社会現象的メガヒットに発展。確かに賞向きではないが、無視できないポジションにいるのでは？

ノミネーション予想これまでの流れ 2022　（Changes in Red）
Final
オースティン・バトラー	トム・クルーズ	ブレンダン・フレイザー*	ビル・ナイ	コリン・ファレル
The Leader：ブレンダン・フレイザー
12/1
オースティン・バトラー	トム・クルーズ	ブレンダン・フレイザー*	ビル・ナイ	コリン・ファレル
11/1
オースティン・バトラー	トム・クルーズ	ブレンダン・フレイザー*	ビル・ナイ	コリン・ファレル
10/1
オースティン・バトラー	ケルヴィン・ハリソン・ジュニア	ブレンダン・フレイザー*	ビル・ナイ	コリン・ファレル
9/1
オースティン・バトラー	ケルヴィン・ハリソン・ジュニア	ブレンダン・フレイザー*	ビル・ナイ	ヒュー・ジャックマン
8/1
オースティン・バトラー	コールマン・ドミンゴ	ブレンダン・フレイザー*	ビル・ナイ	ヒュー・ジャックマン
7/1
オースティン・バトラー	コールマン・ドミンゴ	ブレンダン・フレイザー*	ビル・ナイ	アダム・サンドラー
6/1
レオナルド・ディカプリオ	コールマン・ドミンゴ	ブレンダン・フレイザー*	ビル・ナイ	アダム・サンドラー

The Other Contenders　その他の有力候補　（1/20）
Very Possible
ディエゴ・カルヴァ Diego Calva （バビロン）	「アンストッパブル・ガールズ」で注目のメキシコの注目株。1920年代、無声映画からトーキーへと移行する映画業界、アシスタントから成り上がっていく役どころ。豪華スター結集だが、本当に主演？
ヒュー・ジャックマン Hugh Jackman （The Son／息子）	フローリアン・ゼレールの下、元妻と暮らしていた息子の問題解決に奔走する父親役を熱演。おそらくこれまでで最高のドラマティックロール。ファンはミュージカルで認められて欲しいと思っているか。
ガブリエル・ラベル Gabriel LaBelle （フェイブルマンズ）	スティーヴン・スピルバーグが自身の幼少期をベースに描くカミング・オブ・エイジストーリーで主演に抜擢。何人かの子役とリレー式で主人公を演じる。出番はいかほどか。ブレイクスルー演技賞狙い。
ポール・メスカル Paul Mescal （aftersun アフターサン）	「ふつうの人々」でブレイク、エミー賞候補にも挙がった注目株は、映画進出も順調。1990年代後半、11歳の娘とリゾート地で休暇を過ごす父親役。『ゴッズ・クリーチャー』と票割れ。Win: TFCA
ジェレミー・ポープ Jeremy Pope （インスペクションここで生きる）	エミー賞やトニー賞で候補経験を持つ実力派が、「あの夜、マイアミで」を経て、いよいよ映画主演。海兵隊キャンプで黒人のゲイであることの現実に向き合う青年を演じる。ブレイクスルー賞総ナメか。
Possible
ティモシー・シャラメ Timothée Chalamet （ボーンズアンドオール）	「DUNE／デューン砂の惑星」のような大作を任されるあたり、ハリウッドの期待の表れ。「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ映画に再登場。カニバリズムがテーマとのことだが…。助演？
アダム・ドライヴァー Adam Driver （ホワイト・ノイズ）	候補こそならなかったが、「アネット」「最後の決闘裁判」「ハウス・オブ・グッチ」とますます絶好調のキャリア。再びノア・バームバック映画に主演。有毒ガス漏れ事故で人生を考える大学教授役。
レイフ・ファインズ Ralph Fiennes （ザ・メニュー）	今やコリン・ファースと並ぶ、英国紳士のシンボル的存在。マーク・マイロッドによるブラック・コメディで、離島の高級レストランのシェフを演じる。物語の鍵を握る癖のある役どころを嬉々として。
ダニエル・ヒメネス・カチョ Daniel Giménez Cacho （バルド、偽りの記録と一握りの真実）	「THE PROMISE／君への誓い」が注目されたスペイン出身のヴェテランが、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ映画に主演。スペイン語圏では既に確固たる地位を築き上げている。
Ｎ・Ｔ・ラーマ・ラオ・ジュニア N.T. Rama Rao Jr. （RRR）	インドを代表する中堅スターがＳ・Ｓ・ラージャマウリによる歴史スペクタルで主演。英国軍にさらわれた幼い妹を救うため立ち上がる男を演じる。ラーム・チャランと一騎打ちへ。
クーパー・レイフ Cooper Raiff （チャチャ・リアル・スムース）	長編監督・主演作はこれが3作目。評価はいよいよ高まり、各映画祭で大きな話題を呼ぶ。パーティーの盛り上げ役として働く男役。相手役のダコタ・ジョンソンと共に賞レースダークホースへ。
アダム・サンドラー Adam Sandler （HUSTLE ハッスル）	すっかりNetflix専門スターだが、通常営業のバカ映画でヒットを飛ばす一方、新進気鋭の作家と組んで演技派としても結果を残す賢明さ。「アンカット・ダイヤモンド」に続くホームラン！
ウィル・スミス Will Smith （自由への道）	「ドリームプラン」でオスカーを獲得するも、クリス・ロックぶん殴り事件により全て台無し。問題は映画界にとどまらずどんどん深刻化。今やキャリア存続の危機。逃亡する奴隷役だが、賞どころじゃない。
Longshot
ケイシー・アフレック Casey Affleck （ドリーミン・ワイルド名もなき家族のうた）	「マンチェスター・バイ・ザ・シー」でオスカー受賞後も、それまで通りインディーズ映画中心のキャリア。音楽デュオ、ドニー＆ジョー・エマーソンの物語で、過去と向き合うドニーを演じる。
アントニオ・バンデラス Antonio Banderas （コンペティション）	「ペイン・アンド・グローリー」で大復活。スペインを代表する俳優として国際的な活躍が続く。映画作りの現場を舞台にしたコメディで、ハリウッドスター役。ペネロペ・クルスとまたまた共演。
コリン・ファレル Colin Farrell （アフター・ヤン）	ヒット作には恵まれないが、その実力によりオファーが絶えないアイルランドスター。故障した家庭用ベビーシッター・ロボットを助けようとする家族の父親役。助演プッシュの方がチャンスが拡大するはず。
パク・ヘイル Park Hae-il （別れる決心）	「グエムル漢江の怪物」で知られる韓国の性格スター。映画に拘ったキャリアを築き上げている。パク・チャヌク映画で、殺人事件の第一容疑者の女に惹かれる刑事を演じる。
トム・ハンクス Tom Hanks （オットーという男）	コロナの影響で「グレイハウンド」「この茫漠たる荒野で」「フィンチ」と3作連続で出演作が配信公開。遂には本人がコロナにかかる不運。孤独な男やもめ役。大スター主演作を是非大スクリーンで。
ケヴィン・クライン Kevin Kline （The Good House）	もちろんドラマティックな演技もお手の物だが、最も輝くのはコメディ。「ワンダとダイヤと優しい奴ら」「デーヴ」に続くシガーニー・ウィーヴァーとの共演。ウィーヴァーのかつての恋人役。助演？
ダニエル・カルーヤ Daniel Kaluuya （NOPE ノープ）	「ユダ＆ブラック・メシア裏切りの代償」によりオスカー獲得。動向が注目される中、ジョーダン・ピール映画に再登場。黒人経営の牧場で働く馬の調教師役。夏公開、娯楽映画の可能性大。
ヴィゴ・モーテンセン Viggo Mortensen （クライムズ・オブ・ザ・フューチャー）	きたきたきたー！デヴィッド・クローネンバーグ映画に名優が復帰する。人間が苦痛を感じなくなった近未来、本来身体にはない臓器を創り出すパフォーマンスアーティスト役。何のこっちゃ。
ヴィゴ・モーテンセン Viggo Mortensen （13人の命）	監督作「フォーリング 50年間の想い出」でも独自の世界観。ロン・ハワードがタイで起こった少年サッカーチーム洞窟閉じ込められ事故を描く実話ドラマで、専門家リチャード・スタントン役。助演？
バンクス・レペタ Banks Repeta （アルマゲドン・タイムある日々の肖像）	ジェームズ・グレイが自分の少年時代を基にしたドラマを撮る作品で、主演に抜擢される。これまでTVを中心にした活動。当然知名度も低い。そしてこの部門は若い俳優に極めて厳しい。
サム・ロックウェル Sam Rockwell （ウエスト・エンド殺人事件）	「スリー・ビルボード」で賞レース初参戦で受賞も果たす。その後は、注目プロジェクトが続々。やる気満々の新人（♂）と共に演劇界で起こった殺人事件を捜査する厭世的な警部補役。
アレクサンダー・スカルスガルド Alexander Skarsgård （ノースマン導かれし復讐者）	「ビッグ・リトル・ライズ」でエミー賞受賞、今度は映画でもホームランを狙うスウェーデンスター。10世紀アイスランド、殺された父の復讐に乗り出すノルウェー王子役。ノルウェー？スウェーデンじゃなくて？
ソン・ガンホ Kang-ho Song （ベイビー・ブローカー）	朝青龍似の韓国実力派スターは、「パラサイト半地下の家族」により知名度も抜群。是枝裕和が韓国で撮る人間ドラマで、赤ちゃんポストに入れられた赤ん坊の新しい親を探すブローカー役。

No Chance　チャンスなし　（1/20）
クリスチャン・ベール Christian Bale （アムステルダム）	クリスチャン・ベール Christian Bale （ほの蒼き瞳）
ジョン・チョウ John Cho （パパに教えられたこと）	ジョージ・クルーニー George Clooney （チケット・トゥ・パラダイス）
ブライアン・クランストン Bryan Cranston （Jerry & Marge Go Large）	ザック・エフロン Zac Efron （史上最高のカンパイ！戦地にビールを届けた男）
イドリス・エルバ Idris Elba （アラビアンナイト三千年の願い）	レイフ・ファインズ Ralph Fiennes （The Forgiven）
イーサン・ホーク Ethan Hawke （レイモンド＆レイ）	ユアン・マクレガー Ewan McGregor （レイモンド＆レイ）
ハリー・スタイルズ Harry Styles （僕の巡査）

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