| Final Predictions | |||||||||||||||||||
| ケイト・ブランシェット | アナ・デ・アルマス | アンドレア・ ライズボロー |
ミシェル・ウィリアムス | ミシェル・ヨー | |||||||||||||||
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| ○ | △ | ◎ | |||||||||||||||||
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| 前哨戦でほとんど話題にならなかった『To Leslie／トゥ・レスリー』のアンドレア・ライズボローの候補入りにより、妙な注目を集めている主演女優賞。ライズボロー チームの（皆やりたくてもやらなかった下品な）「やり方」は、予算が全くないインディーズ映画という点を考えると、色々見方が変わりそうな厄介な問題を抱えているが、ここで分析することはしない。ただ、これにより『ティル』のダニエル・デッドワイラーが押し出されてしまったのは残念な事態と言える。 さて、そのライズボローの受賞はまずないだろう。ノミネーション発表後に大々的に報じられたキャンペーンのからくり（というほど大袈裟なものでもないが）は決してイメージの良いものではないし（協力したスターたちが見事に白人ばかりなのに唖然）、デッドワイラーや『ウーマン・キング 無敵の女戦士たち』のヴィオラ・デイヴィスを支持していた者たち、とりわけアフリカ系会員たちは思うところが多いはずだ。 『ブロンド』のアナ・デ・アルマスの候補入りも、ある意味物議を醸すものだ。何故なら対象作は主人公マリリン・モンローの片寄った描き方が大いに批判されていて、ラジー賞でも大量ノミネートされている。そんな作品の主演女優の候補入りは、これはもう、モンローという巨大なるスターを演じ切ったという点に尽きるのだろう。スターがスターを演じるとき、オスカーではマジカルな票移動が起こるのだ。ただ、受賞まではさすがにない。 実は『フェイブルマンズ』のミシェル・ウィリアムスに関しても、問題が見える。…と言っても、こちらは作品についてではない。「主演」プッシュが妥当だったのか、ということだ。主人公の母親という立ち位置は、助演部門こそが相応しい。では何故主演で候補入りしたのかというと、配給会社が主演プッシュしたからに他ならない。ウィリアムスには助演だったら勝利できたのに…という嘆きの声がつきまとう。 そしてそう、この部門は『TAR ター』のケイト・ブランシェットと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨーの一騎打ちだ。前哨戦ではほとんど勢いがほとんど拮抗。どちらもゴールデン・グローブ賞を受賞した。ただし、ブロードキャスト映画映画批評家賞と英国アカデミー賞を獲っているあたりをみると、ややブランシェット有利かもしれない。 ブランシェットは何と言っても、演じたリディア・ターなるヒロイン像が強烈らしく、コンサートマスターとして圧倒的なフィジカルパフォーマンスを見せるだけでなく、人間的に醜悪な部分を恐れることなく曝け出し、怪物的な存在感なのだという。芸術性を重んじるオスカーで、しかも今最も尊敬を集める女優であるブランシェットと来れば、会員も躊躇いなく票を入れるだろう。 一方、ヨーはマルチヴァースを取り上げた映画ということで、何役も手掛けているように見えるのがミソ。場面毎にイメージをガラリと変える面白味。加えてヨーでなければ絶対に表現し得ないアクションパフォーマンスを鮮やかにキメている。多様性時代を考えればアジア人であることもプラスに働くはずだし、作品パワーがとにかく強力なのも大きな後押しになる。受賞すれば、会場は大いに沸くのではないか（ただし、各授賞式を見る限り、スピーチは苦手と見た）。 ブランシェットとヨーの勢いが同じだとした場合、差はどこで出てくるだろう。もしかしたらそれは、作品がオスカー好みか否か、役柄がオスカー好みか否か、という点かもしれない。オスカー好みなのは間違いなくブランシェットなのだ。 いやでも、ヨーは受賞すればアジア人初の主演女優賞ウィナーという話題性がある。英国アカデミー賞が白過ぎると批判される今、会員たちはヨーに票を入れたくなるのではないか。…とここで、おぉ、アメリカ映画俳優組合賞（SAG）でヨーが勝利したというニュースが飛び込んできた。やはりヨーに賭けてみよう。 |
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